エイチ・ツー・オー リテイリング株式会社(以下「H2Oリテイリング」といいます。)は、平成26年6月1日に資本関係のないイズミヤ株式会社(以下「イズミヤ」といいます。)を株式交換完全子法人とする株式交換(以下「本件株式交換」といいます。)を行いました。
株式交換完全親法人となるH2Oリテイリングは、傘下の子会社の経営指導等を主な事業とする持株会社であり、その子会社には小売業(百貨店等)を営む事業会社が含まれています。また、株式交換完全子法人であるイズミヤは、小売業(大規模スーパー等)を営む事業会社です。
ところで、資本関係のない法人間における株式交換の適格判定において、株式交換に係る株式交換完全子法人の子法人事業(当該株式交換完全子法人の当該株式交換前に営む主要な事業のうちのいずれかの事業をいいます。以下同じです。)と当該株式交換に係る株式交換完全親法人の親法人事業(当該株式交換完全親法人の当該株式交換前に営む事業のうちのいずれかの事業をいいます。以下同じです。)とが相互に関連するものであること(以下、この要件を「事業関連性要件」といいます。)が要件の一つとされています(法令4の3一)。
本件株式交換における以下の事実関係を前提とすれば、イズミヤ(株式交換完全子法人)の子法人事業とH2Oリテイリング(株式交換完全親法人)の親法人事業とは、事業関連性要件を満たすものと解して差し支えないか御照会いたします。
1両社の事業内容等
H2Oリテイリングは、関西圏を中心基盤として百貨店等を中心に多様な小売業等を営む子会社約40社の発行済株式の全部を保有する持株会社です。H2Oリテイリングは、各子会社との間に経営指導に関する包括的な契約を締結し、小売業等を営む各子会社の事業計画の策定、予算管理、監査などの経営指導のほか、H2Oリテイリンググループ共通のシステムを活用した各子会社の資金管理、経理業務支援などを行い、これらの業務に充てるため子会社からその事業規模の大きさに応じて営業利益の3〜7%相当額を収受しており、H2Oリテイリングは単に株主としての立場のみだけでなく、小売業を中心としたグループの持株会社として、グループ全体の財務面、経営面などを監督する立場にあります。
イズミヤは、関西圏を中心基盤としてあらゆる種類の商品を取り扱う総合的スーパーマーケット事業(小売業)と主に食料品を取り扱うスーパーマーケット事業(小売業)を営んでいます。
なお、H2Oリテイリング及びイズミヤは、本件株式交換の直前において、事務所等の固定施設を所有し、従業者があり、自己の名義でもって、かつ、自己の計算において事業を営んでいます。
2株式交換の目的等
H2Oリテイリング及びイズミヤは、少子高齢化に伴う消費活力の減退、ネット通販の拡大を中心とする購買スタイルの変化等、顧客の消費動向が急速に変化するなか、市場シェアの確保、様々なニーズの変化を確実に捉える商品・売場・販売チャネルの提供により、顧客からの支持をより強固なものとすることが急務であると認識しており、本件株式交換は、共通の理念を持つ両社が、関西圏という地域の中で多様な業種業態、取扱商品群を揃えた総合小売サービス業グループを構築することを目的として行うものです。
本件株式交換による経営統合後は、両社の保有するポイントサービス制度を共通化して新しい顧客還元サービスを構築するほか、相互の人事交流を積極的に図りつつ、両社グループの多様な店舗網による情報収集力をもとにした商品開発や物流機能の相互活用などにより、総合小売業グループ全体として強固な体制を構築することを目指しています。
3株式交換後の両社の事業内容
本件株式交換後において、H2Oリテイリングは、イズミヤとの間に経営指導に関する包括的な契約を締結し、イズミヤの事業計画の策定、予算管理、監査などの経営指導を行うほか、H2Oリテイリンググループ共通のシステムを活用した資金管理、経理業務支援など、イズミヤに対し、小売業に係る経営指導等の事業を行うことを予定しています。
他方、イズミヤは、H2Oリテイリンググループ共通のシステムを利用することにより、自社固有のポイントカードをグループ共通のポイントカードに統合するほか、H2Oリテイリングによる経営指導の下、H2Oリテイリングの有する小売業のマーケティングなどに係るノウハウ等も活用して独自の商品や付加価値サービス等の提供を行うことで顧客サービスの充実を図り、イズミヤ及びH2Oリテイリンググループ併せて約700万人のカード会員を軸に、顧客網、店舗ネットワーク網等を活用して、イズミヤが営む主要な事業であるスーパーマーケット事業(小売業)の一層のシェア拡大に取り組むこととしています。
1関係法令等
2当てはめ
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