1. 別紙1−1
  2. 自己の事業用建物を保有する目的で結ばれた定期借地契約について、契約期間 更新の定めが無く、有益費の請求または買取請求することができないことから、以 下の理由によりその耐用年数を当該借地契約の契約期間として差支えないか貴見 をお伺い申し上げます。
  1. 別紙1−2
  2. 当社アサキインターナショナル株式会社は、■■市■■区■■町の■■■跡地 の有効利用について■■市及び関係団体と協議を行ってきたところ、当社及び■ ■■■株式会社の関連会社と合弁で結婚式場等の宴会施設にかかる事業を行う ことを決定した。そこで当該土地の所有者である■■市との間で宴会施設等の事 業用建物を保有する目的で、借地契約を行い公正証書とした。契約に当たり当該 土地が市有地であることから■■市側の提示した契約条件により、賃借期間を15 年間として期間満了時に建物等全てを撤去し現状復帰させて返還することとし、有 益費の請求または買取請求することができないものとした。(■■市■■■■■■ 第33条3項により事業用借地権による土地の貸付期間は20年を超えることはでき ない。)
     当該建物は、平成17年3月に完成予定であるが、これら建物及び附帯設備につ いて15年後の契約期間満了時に撤去することが明らかなので、耐用年数を当該 建物等を事業の用に供した日から契約期間満了時までの期間としたい。
     なお、本契約は、改正借地借家法第24条に規定する事業用借地権である。 (事業用借地権とは、契約期間は10年以上20年未満、契約を公正証書とする。法 定更新、建物再築に伴う存続期間の延長、建物買取請求権の規定を適用しない。 借地人は、契約満了時に建物を収去して更地にして返還しなければならない。)
  1. 別紙1−3
  2.  建物の耐用年数については、税法上、法定耐用年数によるものと定められ例外 として耐用年数短縮の申請事由に該当する場合には承認を受けることで変更する ことができる。
     しかし、本件の契約期間満了時に取り壊す事に関して税法に規定する申請事由 に本件事例に関する事由の記載がないため、これらの制度の適用を受けることは できない。
     しかしながら、減価償却資産における償却期間の意義は、その使用可能期間に おいて費用化することにあり、個々にその期間を見積もり制度化している。よって 本件のごとき建物の存する期間が明らかな場合においては、その存続期間を償却 期間とすることは、会計上合理的であり税法上も減価償却制度の趣旨に反してい ないと考える。
     そこで建物以外で本件に類似した事例を検討したところ、「耐用年数の適用等に 関する取扱通達」において建物を賃貸し内部造作を行った場合で契約の更新がで きない定めがあり、かつ有益費の請求または買取請求することができないものにつ いては、当該賃貸期間を耐用年数として償却することができるとした規定がある。 (耐用年数の適用等に関する取扱通達1-1-3ただし書以下)この規定の趣旨を考え るに、当初契約で使用期間が確定している資産については、その使用期間を耐用 年数とすることに対する合理性から取扱いを明らかにしているのであり、対象が造 作ではなくこれを類推解釈して建物において適用しても何ら問題は無いのではない かと考える。
     さらには、契約の相手方が地方公共団体であることから、契約内容に租税回避等 の恣意の入り込む余地はなく、仮に当社が契約期間の延長を求めても認められない。
     以上のことから、当初から建物の存続期間が明白である場合においては、その存 続期間を耐用年数として償却することに会計上合理性があり本来の減価償却制度 の趣旨から考えても問題は無いと考える。