平成30年11月
名古屋国税局

国税庁では、的確な調査に活用するため、あらゆる機会を通じて資料情報の収集を行い、その収集した資料情報を様々な角度から分析し、不正に税金の負担を逃れようとする悪質な納税者に対しては、厳正な調査を実施しています。

1 所得税

(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

所得税の調査については、高額・悪質な不正計算が見込まれる事案を対象に、深度ある実地による調査(特別調査・一般調査)を優先して実施する一方、特定の事項などに申告漏れ等が見込まれる事案には、短期間で行う実地による着眼調査を実施しています(以下、実地により行う調査を総称して「実地調査」といいます。)。
 このほか、文書、電話による連絡又は来署依頼による面接により、申告漏れ、計算誤り又は所得(税額)控除の適用誤りがある申告を是正するなどの接触(以下「簡易な接触」といいます。)を実施しています。
 このように、事案に応じた的確な調査等(「実地調査」及び「簡易な接触」をいいます。以下同じです。)を実施し、適正・公平な課税に努めています。
 実地調査の件数は、特別調査・一般調査が7千9百件(前事務年度6千8百件)、着眼調査が2千7百件(前事務年度1千8百件)であり、簡易な接触の件数は9万件(前事務年度9万8千件)となっています。
 これらの調査等の合計件数は10万件(前事務年度10万6千件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は5万7千件(前事務年度6万1千件)となっています。

(2) 申告漏れ所得(調査等の対象となった全ての年分の合計)金額の状況

実地調査による申告漏れ所得金額は、629億円(前事務年度542億円)であり、そのうち特別調査・一般調査によるものは559億円(前事務年度481億円)、着眼調査によるものは70億円(前事務年度62億円)となっています。
 また、簡易な接触による申告漏れ所得金額は526億円(前事務年度574億円)となっており、調査等合計では1,156億円(前事務年度1,116億円)となっています。

(3) 追徴税額(調査等の対象となった全ての年分の合計で加算税を含む。)の状況

実地調査による追徴税額は、96億円(前事務年度82億円)であり、そのうち特別調査・一般調査によるものは91億円(前事務年度78億円)、着眼調査によるものは4億円(前事務年度4億円)となっています。
 また、簡易な接触による追徴税額は32億円(前事務年度36億円)となっており、調査等合計では127億円(前事務年度118億円)となっています。

(参考) 譲渡所得

所得税のうち譲渡所得に係る調査等の件数が、2千8百件(前事務年度3千2百件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数が、2千1百件(前事務年度2千5百件)となっています。申告漏れ所得金額(調査等の対象となった全ての年分の合計)は、153億円(前事務年度173億円)となっています。

2 消費税(個人事業者)

(1) 調査等件数及び申告漏れ等の非違があった件数の状況

消費税(個人事業者)の調査等については、収集した資料情報や所得税の申告事績、その業種の景況等から見て、所得税を過少に申告して意図的に消費税の申告を免れていると想定される事案、また、課税取引と非課税取引の判定や簡易課税制度のみなし仕入率に誤りが想定される事案などを対象に調査等を実施し、適正な課税に努めています。
 実地調査の件数は、特別調査・一般調査が4千7百件(前事務年度4千件)、着眼調査が1千4百件(前事務年度8百件)であり、簡易な接触の件数は7千8百件(前事務年度8千2百件)となっています。
 これらの調査等の合計件数は1万4千件(前事務年度1万3千件)であり、そのうち申告漏れ等の非違があった件数は9千1百件(前事務年度8千3百件)となっています。

(2) 追徴税額(調査等の対象となった全ての年分の合計で加算税を含む。)の状況

実地調査による追徴税額は、全体で29億円(前事務年度24億円)であり、そのうち特別調査・一般調査によるものは27億円(前事務年度22億円)、着眼調査によるものは2億円(前事務年度2億円)となっています。
 また、簡易な接触による追徴税額は6億円(前事務年度7億円)となっており、調査等合計では、35億円(前事務年度30億円)となっています。