財務省第8入札等監視委員会平成19年度第2回定例会議議事概要
開催日及び場所
平成20年3月25日 (火) 名古屋国税第2庁舎会議室
委員
委員長
若山   滋 (名古屋工業大学 大学院教授)
委員
中澤 政直 (中澤会計事務所 公認会計士)
委員
大槻   隆 (大槻経営法律事務所 弁護士)
審議対象期間
平成19年10月1日 (月) 〜 平成19年12月31日 (月)
契約の現状の説明
審議対象期間に係る契約一覧表について
抽出案件
4件 (備考)
競争入札
(公共工事)
1件
契約件名
三保第1住宅外1住宅07公共下水道接続工事(2)
契約相手方 大水工業 株式会社
契約金額 39,060,000円
契約締結日 平成19年11月6日
担当部局 東海財務局
競争入札
(公共工事)
1件 契約件名
名古屋税関分室敷地整備工事請負契約
契約相手方 株式会社 温三建工店
契約金額
6,090,000円
契約締結日
平成19年11月2日
担当部局 名古屋税関
競争入札
(物品役務等)
1件 契約件名
確定申告期における公衆回線工事
契約相手方 株式会社 NTT西日本ー東海
契約金額
49,466,550円
契約締結日
平成19年12月7日
担当部局 名古屋国税局
競争入札
(公共工事)
1件 契約件名
磐田税務署外壁・外部建具改修工事
契約相手方 株式会社 ティーピーオー
契約金額
7,455,000円
契約締結日
平成19年10月1日
担当部局 名古屋国税局
委員からの意見・質問、それに対する回答等
別紙のとおり
委員会による意見の具申又は勧告の内容
なし
意見・質問 回答
【契約一覧総括表】  
 名古屋国税局で作成された契約一覧表の中で、予定価格について「謝金のため、予定価格積算なし」としている案件(注)があるが、謝金だと積算しないのか。
(注) 案件名「平成20年分土地評価基準作成のための土地評価精通者業務」
 この案件は、特定の取引価格又は料金によらなければ契約をすることが不可能又は著しく困難であると認められるものであるから、全国統一単価が定められている。
 このような場合は、予定価格の積算を省略することができる旨、「財務省所管会計事務取扱規則第42条第1項第1号(随意契約による場合の予定価格の積算の省略等)」に規定されている。
 この案件における予定価格の積算を省略とした理由としては、この規定を記載すべきであり訂正する。
「三保第1住宅外1住宅07公共下水道接続工事(2)」
 契約件名 : 三保第1住宅外1住宅07公共下水道接続工事(2)
 契約相手方 : 大水工業株式会社
 契約金額 :  39,060,000円
 契約締結日 : 平成19年11月6日
 担当部局 : 東海財務局
【事案の抽出について】
 公共工事に係る競争入札から、落札率の高い案件を抽出。
 この案件に係る住宅の建設年次は何時か、また、従来は浄化槽だったのか。
 昭和42年から昭和55年までに建設(築41年から築28年)され、全体で12棟、216戸となっており、従来は浄化槽であった。
 住宅が古くなるから排水施設設置工事がいらないということはないのか。  下水道法第10条では、「公共下水道の供用開始がなされたら遅滞なく排水施設を設置しなければならない」とされている。
 この案件に係る現在の住宅は存続予定であるが、仮に短期間存続予定の住宅であっても遅滞なく設置することが義務付けられている。
 この案件に係る予定価格はどのように積算されているのか。  この案件では、「定期刊行物の単価」(下請の取引価格を中心にした市場価格)から積算する方法を採っている。
 なお、一部積算できないものは、歩掛りに労務管理費等を乗じて積算している。
 初回入札で辞退した「大水工業(株)」が再度公告入札に参加した上、契約相手方となっているが、何か理由はあるのか。  3,000万円以上の工事については、入札説明書において、「専任の監理技術者を置かなければならない」としており、契約相手方は、当該工期に監理技術者を配置できないことを理由に初回の入札を辞退した。
 しかし、再度公告入札では、工期が延期となったため、契約相手方にとって、監理技術者の配置が可能となり、入札に参加したとのことである。
 再度入札を実施する場合、予定価格は示していないのか。  予定価格は示さないが、初回入札時における最低入札金額を下回る必要がある旨を伝えている。
 入札回数が多いと、業者は金額を小刻みに入札してくることはないのか。  予定価格が察知されたり、時間と手間の浪費とならないよう、入札回数は、原則2回としている。
 この案件では、初回入札が不落となり、随意契約に移行するため、一番低い入札価格を提示した業者に見積書徴求を行っていると説明があったが、その際に、どれくらい金額を下げてほしいということを伝えて見積書徴求を行ったのか。  金額を伝えることはしていない。
 なお、この案件は、不落随意契約に移行しようとした業者が浜松市に所在し、工事現場が静岡市清水区と遠隔地であったことから、当該業者から、これ以上の値下げは困難であるとの説明があり、随意契約締結に至らなかった。
 そこで、門戸を広げるため、参加資格のランクを拡げて、再度公告入札を実施したものである。
 再度公告入札時には、初回入札の結果を全て公表しているのか。  初回入札の結果は公表しているが、予定価格は公表していない。
「名古屋税関分室敷地整備工事請負契約」
 契約件名 : 名古屋税関分室敷地整備工事請負契約
 契約相手方 : 株式会社 温三建工店
 契約金額 : 6,090,000円
 契約締結日 : 平成19年11月2日
 担当部局 : 名古屋税関
【事案の抽出について】
 公共工事に係る競争入札から、落札率が最も高い案件を抽出。
 契約金額は6,090,000円とのことであるが、入札書に記載のある5,800,000円との違いは何か。  入札書に記載された金額は、消費税抜きの金額である。
 予定価格は事前に公表しないのか。  事前には予定価格を公表しないが、工事に係る契約については事後公表することとしている。
 自治体等では、入札前に予定価格を公表している場合もあると聞いている。  参考にさせていただく。
「確定申告期における公衆回線工事」
 契約件名 : 確定申告期における公衆回線工事
 契約相手方 :株式会社 NTT西日本−東海
 契約金額 : 49,466,550円
 契約締結日 : 平成19年12月7日
 担当部局 : 名古屋国税局
【事案の抽出について】
 物品役務等に係る一般競争入札実施案件から、落札率の高い案件を抽出。
 この案件では、パソコン、プリンタの調達も含まれているのか。
 パソコン、プリンタは国税庁による調達のため含んでいない。なお、インターネット接続に必要となる物品はこの中に含まれている。
 予定価格調書に記載されている「調査基準価格」はどのようなもので、またどのように算定したのか。  「調査基準価格」とは、契約相手方の入札価格によっては、その者により当該契約の内容に適合した履行がなされないおそれがあると認められる場合の価格である。
 この「調査基準価格」は予定価格が1,000万円を超える調達の場合に設定することととなっており、工事以外の請負契約については、予定価格の60%と定められている。
 仕様書に、「承認外の再委託の禁止」とあり、再委託時には承認を得ることとなっているが、この案件において再委託時の承認はあったのか。
 
 この案件の場合、再委託に係る承認行為は行っていない。
 再委託とはどのような内容をいうのか。  ここでいう再委託とは、第三者への委託について、内容・金額を問わず全てを対象としているものではなく、いわゆる「丸投げ」及び業務の主要部分を第三者に委託している場合を指している。
「磐田税務署外壁・外部建具改修工事」
 契約件名 :磐田税務署外壁・外部建具改修工事
 契約相手方 :株式会社 ティーピーオー
 契約金額 : 7,455,000円
 契約締結日 : 平成19年10月1日
 担当部局 : 名古屋国税局
【事案の抽出について】
 公共工事の入札案件から落札率が一番高いものを抽出。
 この案件は、電子入札を実施したとのことであるが、その電子入札について説明していただきたい。
 国税局では、営繕工事の入札はすべて財務省電子入札システムを利用して行っているが、紙による入札も認めている。
 電子入札を利用して入札を行う場合、入札参加者には何者参加しているかわからないことから、より競争性が高まると思われる。
 反面、再度入札を行う場合、参加者の入力時間等に配慮して、20分程度の時間をおいて開札を行うこととしていることから、数回入札を繰り返した場合などには、紙入札のみの場合に比べて相当な時間を要するというデメリットもある。
 なお、この案件では、電子入札及び紙入札の双方の入札があった。
 外壁工事の内容について、具体的に教えていただきたい。  昭和41年建設の旧庁舎(鉄筋コンクリート造3階建)の外壁タイル、屋上庇軒裏、玄関庇の幕板で経年劣化している部分があり、当該工事を実施した。
 内容としては、まる1外部足場をかけて目視・打診による調査を行った、丸2外壁タイルや庇モルタルの浮き部分についてはアンカーピンニング工法、ひび割れ部分はエポキシ樹脂注入工法等により補修を行った、丸3外壁・庇全面に吹付仕上工事を行った。
 なお、外壁改修工事に併せて、劣化したアルミ製建具の改修工事も行った。