平成28年11月
熊本国税局

相続税について、平成27事務年度(平成27年7月から平成28年6月までの間)に実施した実地調査の状況をまとめましたのでお知らせします。

1 実地調査件数及び申告漏れ等の非違件数

相続税の実地調査については、平成25年中及び平成26年中に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるものなどに対して実施しました。
 実地調査の件数は117件(前事務年度116件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は101件(前事務年度92件)で、非違割合は86.3%(前事務年度79.3%)となっています。

2 申告漏れ課税価格

申告漏れ課税価格は22億8千2百万円(前事務年度18億6千4百万円)で、実地調査1件当たりでは1,950万円(前事務年度1,607万円)となっています。

3 申告漏れ相続財産の金額の内訳

申告漏れ相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等9億3千3百万円(前事務年度6億6千2百万円)が最も多く、続いて土地3億7千万円(前事務年度2億4千2百万円)、有価証券9千9百万円(前事務年度5千6百万円)の順となっています。

4 追徴税額

追徴税額(加算税を含む。)は3億1千6百万円(前事務年度2億7千7百万円)で、実地調査1件当たりでは270万円(前事務年度239万円)となっています。

5 重加算税の賦課件数等

重加算税の賦課件数は23件(前事務年度20件)、賦課割合は22.8%(前事務年度21.7%)となっています。

(別表) 相続税の調査事績

事務年度 平成26事務年度 平成27事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
116 117 100.9
2 申告漏れ等の非違件数
92 101 109.8
3 非違割合
2/1
ポイント
79.3 86.3 +7.0
4 重加算税賦課件数
20 23 115.0
5 重加算税賦課割合
4/2
ポイント
21.7 22.8 +1.1
6 申告漏れ課税価格(※) 百万円 百万円
1,864 2,282 122.4
7 6のうち重加算税賦課対象 百万円 百万円
362 392 108.3
8 追徴税額 本税 百万円 百万円
234 271 115.8
9 加算税 百万円 百万円
43 45 104.7
10 合計 百万円 百万円
277 316 114.1
11 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格
6/1
千円 千円
16,069 19,504 121.4
12 追徴税額
10/1
千円 千円
2,388 2,701 113.1

(※) 「申告漏れ課税価格」は、申告漏れ相続財産額(相続時精算課税適用財産を含む。)から、被相続人の債務・葬式費用の額(調査による増減分)を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から法定相続人等への生前贈与財産額(調査による増減分)を加えたものである。

(付表1) 申告漏れ相続財産の金額の推移

申告漏れ相続財産の金額の推移

(付表2) 申告漏れ相続財産の金額の構成比の推移

申告漏れ相続財産の金額の構成比の推移

(付表3) 贈与税に係る調査事績

贈与税事案は、相続税の補完税としての適正な課税を実現するため、あらゆる機会を通じて把握した生前の資産保有・移動状況に関する情報を蓄積・活用するなどして、無申告事案を中心に、平成28事務年度も積極的に調査を実施します。
 また、納税者の自発的な納税義務の履行支援等を目的とした実地調査以外の多様な手法を効果的・効率的に活用し、適正申告の確保に努めています。

事務年度 平成26事務年度 平成27事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
26 36 138.5
2 申告漏れ等の非違件数
19 34 178.9
3 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
70 159 227.1
4 追徴税額 百万円 百万円
10 36 360.0
5 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格
3/1
千円 千円
2,692 4,417 164.1
6 追徴税額
4/1
千円 千円
385 1,000 259.7

1.調査事績に占める無申告事案の状況(平成27事務年度)

調査事績に占める無申告事案の状況

2.調査事績に係る申告漏れ財産の内訳(平成27事務年度)

調査事績に係る申告漏れ財産の内訳

(注) 各財産の金額は申告漏れ課税価格、( )内の数値は構成比。