平成22年12月
関東信越国税局

 相続税について、平成21事務年度(平成21年7月から平成22年6月までの間)に実施した実地調査の状況をまとめましたのでお知らせします。

1 調査件数及び申告漏れ等の非違があった件数
 相続税の実地調査については、平成19年中及び平成20年中に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるものなどに対して実施しました。
 実地調査の件数は2,394件(前事務年度2,133件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は1,938件(前事務年度1,738件)で、非違割合は81.0%(前事務年度81.5%)となっています。

2 申告漏れ課税価格
 申告漏れ課税価格は609億円(前事務年度595億円)で、申告漏れ1件当たりでは3,142万円(前事務年度3,423万円)となっています。

3 申告漏れ相続財産の金額の内訳
 申告漏れ相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等239億円(前事務年度229億円)が最も多く、続いて土地106億円(前事務年度92億円)、有価証券85億円(前事務年度76億円)の順となっています。

4 追徴税額
 追徴税額(加算税を含む。)は122億円(前事務年度141億円)で、申告漏れ1件当たりでは630万円(前事務年度811万円)となっています。

5 重加算税の賦課件数等
 重加算税の賦課件数は508件(前事務年度545件)、賦課割合は26.2%(前事務年度31.4%)となっています。

別表

1 相続税の調査事績
事務年度
項目
平成20事務年度 平成21事務年度   (参考)全国の調査事績平成21事務年度(国税庁発表) (参考)全国に占める当局の割合
対前事務年度比
1 実地調査件数
2,133 2,394 112.2 13,863 17.3
2 申告漏れ等の非違件数
1,738 1,938 111.5 11,748 16.5
3 非違割合
(2/1)
ポイント  
81.5 81.0 −0.5 84.7 -
4 重加算税賦課件数
545 508 93.2 1,970 25.8
5 重加算税賦課割合
(4/2)
ポイント  
31.4 26.2 −5.2 16.8 -
6 申告漏れ課税価格 億円 億円 億円
595 609 102.4 3,995 15.2
7 6のうち重加算税賦課対象 億円 億円 億円
196 146 74.5 698 20.9
8 追徴税額 本税 億円 億円 億円
116 102 87.9 732 13.9
9 加算税 億円 億円 億円
25 20 80.0 124 16.1
10 合計 億円 億円 億円
141 122 86.5 856 14.3
11 申告漏れ一件当たり 申告漏れ課税価格
(6/2)
万円 万円 万円  
3,423 3,142 91.8 3,400 -
12 追徴税額
(10/2)
万円 万円 万円  
811 630 77.7 729 -

(注) 「申告漏れ課税価格」は、申告漏れ相続財産額(相続時精算課税適用財産を含む。)から、被相続人の債務・葬式費用の額(調査による増減分)を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から法定相続人等への生前贈与財産額(調査による増減分)を加えたものである。

2 平成21事務年度 申告漏れ課税価格の種類別内訳
平成21事務年度の相続税の調査における申告漏れ課税価格の種類別内訳を表したグラフ

付表1

海外資産関連事案に係る調査事績

 納税者の資産運用の国際化に対応し、相続税の適正課税を実現するため、相続税調査の実施に当たっては、海外資産の把握に努めており、特に、資料情報や相続人・被相続人の居住形態等から海外資産の相続が想定される事案については、積極的に調査を実施しているほか、調査の過程において海外資産の取得が把握された場合にも、深度ある調査によりその解明に努めています。

事務年度
項目
平成20事務年度 平成21事務年度   (参考)全国の調査事績平成21事務年度(国税庁発表) (参考)全国に占める当局の割合
対前事務年度比
1 実地調査件数
49 116 236.7 531 21.8
2 申告漏れ等の非違件数 14 12 85.7 85 14.1
37 84 227.0 426 19.7
3 重加算税賦課件数 3 2 66.7 9 22.2
15 28 186.7 76 36.8
4 申告漏れ課税価格 20 億円 8 億円 40.0 91 億円 8.8
39 30 76.9 319 9.4
5 4のうち重加算税賦課対象 15 億円 1 億円 6.7 33 億円 3.0
21 6 28.6 65 9.2
6 申告漏れ1件当たりの申告漏れ課税価格(4/2) 14,286 万円 6,667 万円 46.7 10,661 万円  
10,541 3,571 33.9 7,477 -

(注) 左肩数は、海外資産に係るものを内数で示す。

平成19事務年度から平成21事務年度の海外資産関連事案に係る調査事績を表したグラフ

付表2

無申告事案に係る調査事績

 無申告事案は、申告納税制度の下で自発的に適正な申告・納税を行っている納税者の税に対する公平感を著しく損なうものですが、その存在の把握自体に困難な面もあることから、資料情報の更なる収集・活用など把握のための取組みを積極的に行い、的確な課税処理に努めています。

事務年度
項目
平成20事務年度 平成21事務年度   (参考)全国の調査事績平成21事務年度(国税庁発表) (参考)全国に占める当局の割合
対前事務年度比
1 実地調査件数
106 127 119.8 626 20.3
2 申告漏れ等の非違件数
100 117 117.0 528 22.2
3 申告漏れ課税価格 億円 億円 億円
131 159 121.4 757 21.0
4 追徴税額 本税 億円 億円
10 8 80.0 41 19.5
5 加算税 億円 億円
3 1 33.3 8 12.5
6 合計 億円 億円
13 9 69.2 49 18.4
7 申告漏れ1件当たり 申告漏れ課税価格
(3/2)
万円 万円 万円 -
13,100 13,590 103.7 14,332
8 追徴税額
(6/2)
万円 万円 万円 -
1,300 769 59.2 934

平成19事務年度から平成21事務年度の無申告事案に係る調査事績を表したグラフ

付表3

相続税の調査事績(各県別)
事務年度
項目
平成20事務年度 平成21事務年度 対前事務年度
合計 調査件数
2,133 2,394 112.2
非違件数
1,738 1,938 111.5
申告漏れ課税価格 億円 億円
595 609 102.4
追徴税額(加算税含む) 億円 億円
141 122 86.5
重加算税賦課件数
545 508 93.2
茨城県 調査件数
320 329 102.8
非違件数
257 270 105.1
申告漏れ課税価格 億円 億円
89 80 89.9
追徴税額(加算税含む) 千万円 千万円
199 134 67.3
重加算税賦課件数
89 69 77.5
栃木県 調査件数
220 253 115.0
非違件数
196 216 110.2
申告漏れ課税価格 億円 億円
81 86 106.2
追徴税額(加算税含む) 千万円 千万円
205 167 81.5
重加算税賦課件数
76 62 81.6
群馬県 調査件数
189 242 128.0
非違件数
164 204 124.4
申告漏れ課税価格 億円 億円
53 61 115.1
追徴税額(加算税含む) 千万円 千万円
84 121 144.0
重加算税賦課件数
65 47 72.3
埼玉県 調査件数
923 1,037 112.4
非違件数
721 807 111.9
申告漏れ課税価格 億円 億円
221 214 96.8
追徴税額(加算税含む) 千万円 千万円
612 470 76.8
重加算税賦課件数
189 210 111.1
新潟県 調査件数
223 264 118.4
非違件数
178 217 121.9
申告漏れ課税価格 億円 億円
82 80 97.6
追徴税額(加算税含む) 千万円 千万円
184 134 72.8
重加算税賦課件数
53 51 96.2
長野県 調査件数
258 269 104.3
非違件数
222 224 100.9
申告漏れ課税価格 億円 億円
68 88 129.4
追徴税額(加算税含む) 千万円 千万円
131 194 148.1
重加算税賦課件数
73 69 94.5