平成24年11月

平成23事務年度における相続税の調査の状況(概要)

<実地調査事績>

○ 実地調査の合計件数は725件(前事務年度776件の93.4%)、申告漏れ等の非違があった件数は563件(前事務年度595件の94.6%)で、非違割合は77.7%(前事務年度76.7%)

○ 申告漏れ課税価格は220億円(前事務年度229億円の95.8%)で、過去10年間で9番目

○ 申告漏れ相続財産は、現金・預貯金等90億円(前事務年度80億円)が最も多く、有価証券32億円(前事務年度39億円)が2番目、土地は31億円(前事務年度39億円)で3番目

○ 加算税を含む追徴税額は31億円(前事務年度33億円の92.9%)で、過去10年間で最低

<海外資産関連事案に係る調査事績>

○ 海外資産に係る非違件数は4件(前事務年度7件の57.1%)で、前事務年度より減少

○ 海外資産に係る申告漏れ課税価格は2億円(前事務年度3千万円の790.0%)で、前事務年度より増加

<無申告事案に係る調査事績>

○ 実地調査件数は163件(前事務年度85件の191.8%)、申告漏れ等の非違件数は100件(前事務年度82件の122.0%)、申告漏れ課税価格は108億円(前事務年度97億円の111.2%)で、それぞれ前事務年度より増加

<贈与税に係る調査事績>

○ 実地調査件数は283件(前事務年度299件の94.6%)、申告漏れ等の非違件数は266件(前事務年度290件の91.7%)、申告漏れ課税価格は16億円(前事務年度12億円の125.5%)、加算税を含む追徴税額は5億円(前事務年度3億円の161.3%)

平成24年11月
広島国税局

相続税について、平成23事務年度(平成23年7月から平成24年6月までの間)に実施した調査の状況をまとめましたのでお知らせします。

1 実地調査件数及び申告漏れ等の非違件数

相続税の実地調査については、平成21年中及び平成22年中に発生した相続を中心に、国税局及び税務署で収集した資料情報を基に、申告額が過少であると想定されるものや、申告義務があるにもかかわらず無申告となっていることが想定されるものなどに対して実施しました。
 実地調査の件数は、725件(前事務年度776件)、このうち申告漏れ等の非違があった件数は、563件(前事務年度595件)、非違割合は、77.7%(前事務年度76.7%)となっています。

2 申告漏れ課税価格

申告漏れ課税価格は219億7千8百万円(前事務年度229億4千7百万円)で、実地調査1件当たりでは、3,031万円(前事務年度2,957万円)となっています。

3 申告漏れ相続財産の金額の内訳

申告漏れ相続財産の金額の内訳は、現金・預貯金等90億7百万円(前事務年度80億2千万円)が最も多く、続いて有価証券31億9千8百万円(前事務年度38億9千8百万円)、土地31億2千2百万円(前事務年度38億8千3百万円)の順となっています。

4 追徴税額

追徴税額(加算税を含む。)は30億7千9百万円(前事務年度33億1千5百万円)で、実地調査1件当たりでは425万円(前事務年度427万円)となっています。

5 重加算税の賦課件数等

重加算税の賦課件数は106件(前事務年度115件)、賦課割合は、18.8%(前事務年度19.3%)となっています。

(別表) 相続税の調査事績

事務年度 平成22事務年度 平成23事務年度  
項目 対前事務年度比
丸1 実地調査件数
776 725 93.4
丸2 申告漏れ等の非違件数
595 563 94.6
丸3 非違割合(丸2/丸1) ポイント
76.7 77.7 1.0
丸4 重加算税賦課件数
115 106 92.2
丸5 重加算税賦課割合(丸4/丸2) ポイント
19.3 18.8 −0.5
丸6 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
22,947 21,978 95.8
丸7 丸6のうち重加算税賦課対象 百万円 百万円
3,152 3,346 106.2
丸8 追徴税額 本税 百万円 百万円
2,847 2,629 92.3
丸9 加算税 百万円 百万円
469 449 95.7
丸10 合計 百万円 百万円
3,315 3,079 92.9
丸11 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格(丸6/丸1) 万円 万円
2,957 3,031 102.5
丸12 追徴税額(丸10/丸1) 万円 万円
427 425 99.5

(注) 「申告漏れ課税価格」は、申告漏れ相続財産額(相続時精算課税適用財産を含む。)から、被相続人の債務・葬式費用の額(調査による増減分)を控除し、相続開始前3年以内の被相続人から法定相続人等への生前贈与財産額(調査による増減分)を加えたものである。

(付表1) 申告漏れ相続財産の金額の推移

平成19事務年度から平成23事務年度の相続税の申告漏れ相続財産内訳ごとの金額の推移を表したグラフ

(付表2) 申告漏れ相続財産の金額の構成比の推移

平成19事務年度から平成23事務年度の相続税の申告漏れ相続財産内訳ごとの金額の構成比の推移を表したグラフ

(付表3) 海外資産関連事案に係る調査事績

納税者の資産運用の国際化に対応し、相続税の適正課税を実現するため、相続税調査の実施に当たっては、海外資産の把握に努めています。特に、資料情報や相続人・被相続人の居住形態等から海外資産の相続が想定される事案については、積極的に調査を実施しているほか、調査の過程において海外資産の取得が把握された場合にも、深度ある調査によりその解明に努めています。海外資産関連事案については、本事務年度においても積極的に調査を実施します。

事務年度 平成22事務年度 平成23事務年度  
項目 対前事務年度比
1 実地調査件数
29 25 86.2
2 海外資産に係る申告漏れ等の非違件数 21 21 100.0
7 4 57.1
3 海外資産に係る重加算税賦課件数 6 3 50.0
2 0 0.0
4 海外資産に係る申告漏れ課税価格 594 百万円 675 百万円 113.6
30 237 790.0
5 4のうち重加算税賦課対象 17 百万円 28 百万円 164.7
7 0 0.0
6 非違1件当たりの申告漏れ課税価格(42 万円 万円
432 5,931 1,372.9

(注) 左肩数は、1の全件についての国内資産に係る非違も含めた計数示す。

平成19事務年度から平成23事務年度の海外資産関連事案に係る調査事績を表したグラフ

(付表4) 無申告事案に係る調査事績

無申告事案は、申告納税制度の下で自発的に適正な申告・納税を行っている納税者の税に対する公平感を著しく損なうものであり、資料情報の更なる収集・活用など無申告事案の把握のための取組を積極的に行い、的確な課税処理に努めています。無申告事案については、本事務年度においても積極的に調査を実施します。

事務年度 平成22事務年度 平成23事務年度  
項目 対前事務年度比
丸1 実地調査件数
85 163 191.8
丸2 申告漏れ等の非違件数
82 100 122.0
丸3 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
9,717 10,804 111.2
丸4 追徴税額 本税 百万円 百万円
448 373 83.3
丸5 加算税 百万円 百万円
103 80 77.7
丸6 合計 百万円 百万円
551 453 82.2
丸7 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格(丸3/丸1) 万円 万円
11,432 6,628 58.0
丸8 追徴税額(丸6/丸1) 万円 万円
648 278 42.9

平成21事務年度から平成23事務年度の無申告事案に係る調査事績を表したグラフ

(付表5) 贈与税に係る調査事績

国税局では、相続税の補完税である贈与税の適正な課税を実現するため、積極的に資料情報を収集するとともに、相続税調査等、あらゆる機会を通じて財産移転の把握に努めており、無申告事案を中心に、本事務年度も積極的に贈与税の調査を実施します。

事務年度 平成22事務年度 平成23事務年度  
項目 対前事務年度比
丸1 実地調査件数
299 283 94.6
丸2 申告漏れ等の非違件数
290 266 91.7
丸3 申告漏れ課税価格 百万円 百万円
1,240 1,556 125.5
丸4 追徴税額 百万円 百万円
287 463 161.3
丸5 実地調査1件当たり 申告漏れ課税価格(丸3/丸1) 万円 万円
415 550 132.5
丸6 追徴税額(丸4/丸1) 万円 万円
96 164 170.8

1 調査事績のうち無申告の割合

○ 国税局では、あらゆる機会を通じて把握した生前の資産保有・移動状況に関する情報を蓄積・活用するなどして、贈与税の潜在無申告事案の積極的な把握に努めています。

平成23事務年度の調査事績に占める無申告事案の状況を表した図

2 申告漏れ財産の内訳

平成23事務年度の調査事績に係る申告漏れ財産の内訳を表した図

(注) 各財産の金額は申告漏れ課税価格、( )内の数値は構成比。