審査報告

平成24年広島国税局清酒鑑評会の表彰式にあたり、出品状況及び審査結果についてご報告申し上げます。

まずはじめに、出品区分の変更についてご説明いたします。昨年までは、清酒の製法品質表示基準で規定された製造方法による分類である特定名称の清酒を出品区分に設定しておりました。今年からは、製造者が意図した製品の特徴に従って出品部門を選択できるよう、「香りを主たる特徴とする清酒」部門、「味を主たる特徴とする清酒」部門及び「燗酒」部門の3部門に区分して行うこととしました。

それでは、出品状況についてご報告いたします。
 3部門のうち、「香りを主たる特徴とする清酒」部門には70点、「味を主たる特徴とする清酒」部門にも70点、「燗酒」部門には60点と、全体で79製造者から200点の出品がありました。

次に審査の状況についてご報告いたします。
 出品酒の品質評価は、広島大学、独立行政法人酒類総合研究所、中国地方各県の酒造技術指導機関の職員、清酒製造及び流通関係者等、清酒製造技術に詳しく、官能評価に優れた方々と、鑑定官室員あわせて28名により、去る9月26日、27日の予審、10月1日、2日の決審と4日間をかけて、慎重かつ厳正に行いました。

品質評価に当たりましては、全ての出品部門に共通した考え方として、製造技術の高さが反映された清酒としての品質の良好さとともに、嗜好性をも兼ね備えた中国地方の清酒として誇れるものを選ぶことを基本に、評価をお願いしました。
 その上で、「香りを主たる特徴とする清酒」部門では、吟醸香に代表される香りを主体として香味の調和がとれていることに重点をおいて評価いたしました。
 次に、「味を主たる特徴とする清酒」部門では、清酒らしい味に重点を置きながら香味の調和を重視して評価いたしました。
 また、「燗酒」部門では、燗酒にしたときの香味の調和に重点を置き、食事をしながら飲んでおいしいお酒を選ぶ観点により評価いたしました。

この品質評価と出品規格等を併せて審査した結果、「香りを主たる特徴とする清酒」部門27点、「味を主たる特徴とする清酒」部門27点、「燗酒」部門22点、併せて76点の出品酒を優等賞に相応しいと認め、広島国税局長に推挙し、本日ここに優等賞授与の運びとなりました。

今回の出品酒についての総評を申し上げますと、各製造場において磨き上げられた優れた醸造技術が遺憾なく発揮されるとともに、適切な貯蔵管理が行われていることを実感できる優れた品質のものが多数出品されていました。
 「香りを主たる特徴とする清酒」部門では、新酒と同様の華やかな香りときれいですっきりとした旨味が調和したものが多く見られましたが、適度な熟成によって落ち着いた香りとまろやかな味わいを持つものもあり、品質の広がりが感じられました。
 「味を主たる特徴とする清酒」部門では、穏やかな香りとすっきりとした味が調和したものや、味がなめらかでコクがあるものなど、香りのタイプや味の特性において個性、特徴を発揮したものが多数ありました。
 「燗酒」部門では、燗酒にすることにより、清酒本来の甘味とふくらみが増して味わい深く感じられるものや、きりっとして味にしまりのあるものなど、清酒の奥深さを感じさせるものが多数ありました。

このように品質レベルの高い競争の中から、本日晴れて受賞されました製造場の経営者並びに製造担当者の皆様方には心からお祝いを申し上げ、敬意を表する次第であります。
 また、この度惜しくも受賞を逃された製造場の出品酒も、その品質の差は僅かであり、市場において高い評価を受けるものと期待しております。

いよいよ、本格的な清酒造りの季節になります。皆様におかれましては、今後ともこれまで蓄積されてきた高い技術力を遺憾なく発揮していただき、多くの消費者からその品質を高く評価されるとともに、中国地方の清酒の名声がこれまで以上に高まり、清酒業界がますます発展されますことを祈念いたしまして審査報告といたします。

平成24年11月8日
広島国税局鑑定官室長 山岡 洋