別紙

1 事前照会の趣旨

「ピース・アーチ・ひろしまプロジェクト」につきましては、日頃から御理解と御協力をいただき厚くお礼申し上げます。
 人類史上初の原爆による破壊から復興した広島は、世界平和への取組を推進し、その実現のための拠点として国際社会に貢献していく使命があると考えております。このため、平成23年10月に、広島が国際平和の拠点を目指し、国際社会に貢献するための「国際平和拠点ひろしま構想」を取りまとめました。この「国際平和拠点ひろしま構想」は、核兵器廃絶のプロセスや復興・平和構築など、世界平和の実現に向けて広島が果たすべき使命と役割を明記したものです。
 この構想を進めるためには、まず、広島から世界へ平和のメッセージを強く発信し、平和のための人材育成・研究活動、平和貢献活動等の支援に取り組むなど、世界平和を支援する持続可能なメカニズムを備えていく必要があると考えており、こうしたメカニズムづくりの一環として、グローバルイベント「ピース・アーチ・ひろしまプロジェクト」(以下「本プロジェクト」といいます。)を実施いたします。
 本プロジェクトでは、平成25年7月下旬から8月上旬にかけて、世界規模の平和コンサート「World Peace Concert“HIROSHIMA”2013」(以下「ワールドピースコンサート」といいます。)を開催し、世界共通の言語である音楽により広島から世界へ平和のメッセージを強く発信することで、世界平和に向けた国際世論の喚起を促すとともに、世界の人々と共に平和を考える国際イベント「Peace Field 2013」(以下「ピースフィールド」といいます。)や様々な関連プログラムの実施を通じて、国内外に平和のムーブメントを形成し、平和のコミュニティの輪を広島から世界へ広げていくこととしています。
 さて、本プロジェクトを実施する「ピース・アーチ・ひろしまプロジェクト実行委員会」(以下「実行委員会」といいます。)では、本プロジェクトの成功に向け、企業・団体等の皆様に対し、幅広く協賛を募ることとしております。この協賛の方法は、金銭による協賛、物品・サービスによる協賛及び寄附金による協賛の3種類ありますが(下記2(1))、寄附金による協賛以外の協賛に対しては、その協賛に要する費用に相応する広告宣伝等の特典を付与する予定です。
 つきましては、この協賛に参加する企業・団体等(以下「協賛企業」といいます。)が実行委員会に支出する費用について、税務上次のように取り扱って差し支えないか照会いたします。

2 事前照会に係る取引等の事実関係

(1) 協賛の方法
 協賛企業は、次のイからハまでのいずれかの方法、若しくはその組合せにより、本プロジェクトに協賛します。

イ 金銭による協賛
 金銭による協賛企業は、本プロジェクトの実施運営等に要する費用に充てるための金銭を実行委員会に提供します。

ロ 物品・サービスによる協賛
 物品・サービスによる協賛企業は、本プロジェクトの実施運営等に必要な物品・サービスを実行委員会に貸与又は提供します。

ハ 寄附金による協賛
 寄附金による協賛企業は、本プロジェクトの実施運営等に要する費用に充てるための金銭を実行委員会に提供します。

(2) 協賛に対する特典
 上記(1)のイ、ロの協賛企業に対しては、協賛金額に応じて、次表に掲げる広告宣伝等の特典を付与します。この場合の協賛金額とは、イの場合は金銭の額、ロの場合は物品の貸与又は提供及びサービスの提供に要する費用相当額とし、イとロの組合せによる協賛の場合はその合計額とします。ハの協賛企業に対しては、広告宣伝等の特典の付与はありません。

特典番号 広告宣伝内容 広告宣伝期間
1 プロジェクト全般 新聞広告での協賛企業名の表示 協賛の承諾日(注1)から会期末(注2)までの間で最大8回
2 新聞広告での企業トップコメント掲載 協賛の承諾日から会期末までの間で1回
3 ポスター、チラシ、パンフレット、プログラムでの協賛企業名の表示 協賛の承諾日から会期末まで
4 テレビCMでの協賛企業名の表示 協賛の承諾日から会期末までの間で最大100回
5 公式ホームページでの協賛企業名の表示、協賛企業のホームページへのリンク 協賛の承諾日から平成26年3月31日まで
6 ワールドピースコンサート関連 各コンサート会場での協賛企業名の表示 会期中(注2)
7 各コンサートのチケットの提供 -
8 ピースフィールド関連 公式ガイドブック、公式うちわでの協賛企業名の表示 会期中
9 会場内ブースでの協賛企業名の表示 会期中
10 ピースフィールドの会場の特定エリアを企業ゾーン化し、協賛企業名を表示 会期中
11 「ピースアワード広島平和賞(仮称)」(注3)での審査委員への就任、受賞者との共同会見による協賛企業名のアピール 会期中に1回
12 「国際平和のための世界経済人会議(仮称)」(注4)の会場内での協賛企業名の表示 会期中に1回
13 「国際平和のための世界経済人会議(仮称)」での協賛企業トップの講演、パネラー参加による協賛企業名のアピール 会期中に1回
  • 1 各協賛企業は、協賛金額に応じて5つの区分にランク分けされ、全ての協賛企業に対して、3567912の特典を付与し、協賛金額が高額になるにつれ、1248の特典、101113の特典を順次付加します。
  • 2 19及び12の特典については、協賛金額に応じ、協賛企業名の表示の大きさ、表示の回数、チケットの数、ブース面積等に差異を設けています。

(注)

  • 1 協賛企業は、協賛を行うに当たり、実行委員会に対して協賛承諾書を提出することとされており、当該協賛承諾書を実行委員会に提出した日が協賛承諾日となります。
  • 2 会期は、平成25年7月27日から平成25年8月5日までです。
  • 3 世界的な平和の実現に貢献した人物や団体の功績を讃える新しい平和賞。
  • 4 国連や国内外の経済団体等が一堂に会し、「グローバル化時代におけるビジネスのプラットフォームとしての平和の重要性」などについて議論する新しい会議。

3 2の事実関係に対して事前照会者の求める見解となることの理由

(1) 金銭による協賛、物品・サービスによる協賛

イ 各コンサートのチケット購入費相当額
 上記2(1)のイ、ロの協賛企業は、上記2(2)の表の7のとおり、各コンサートのチケットの提供を受けますが、これらのチケットは、本プロジェクトへの協賛にかかわらず一般の人にも販売されるものであり、協賛企業にとっては、金銭や物品・サービスの提供という形はとっているものの実質的にはチケットを購入したのと何ら変わるところはありません。したがって、協賛金額のうちチケットの配付枚数に応じた金額(以下「チケット購入費相当額」といいます。)については、例えば、協賛企業が従業員(その家族を含みます。)の福利厚生目的でレクリエーションの一環としてこれらのコンサートを見学させる場合のチケット購入費相当額は、福利厚生費として従業員にチケットを交付した日の属する事業年度の損金の額に算入するなどそのチケットの使途に応じた取扱いになると考えます。

ロ イ以外の協賛金額
 上記2(2)の表に掲げるとおり、特典によって広告宣伝期間が協賛の承諾日から平成26年3月31日までの期間のものや会期中のものなどさまざまです。また、協賛企業は、それらの期間中、複数の広告宣伝特典を受けることとなります。
 他方、協賛企業は、一括して金銭、物品・サービスの提供を行うこととしているところ、個々の広告宣伝特典の対価の見積りを協賛企業において行うことは実務上困難であることからすれば、協賛金額のうち上記イのチケット購入費相当額を除いた金額は、すべての協賛企業の広告宣伝が実施され、かつ、広告宣伝期間が最も長い期間である上記2(2)の表の5の広告宣伝期間(協賛の承諾日から平成26年3月31日まで)を基礎として期間配分し、広告宣伝費として協賛企業の損金の額に算入することになると考えます。

(2) 寄附金による協賛
 寄附金による協賛については、協賛による特典がないことから、反対給付のない一方的行為による金銭の贈与になりますので、法人税法上の一般の寄附金となると考えます。