エンジン01文化戦略会議オープンカレッジin鳥取(平成24年3月開催)において協賛企業が支出する協賛金等の税務上の取扱いについて

1 事前照会の趣旨

 このたび鳥取市において、平成24年3月23日(金)から25日(日)までの3日間、地域文化の創造と発信を目的として、「エンジン01文化戦略会議オープンカレッジ in 鳥取」(以下「オープンカレッジin鳥取」という。)を開催することになりました。これは、日本を代表する著名な文化人、知識人、芸術家などの会員で構成されるボランティア集団「エンジン01文化戦略会議」による文化イベントで、鳥取での開催が通算10回目となります。
 このオープンカレッジin鳥取には、100名を超える講師陣が集結し、3日間にわたって県民・市民と語り合い、交流を深めることを趣旨とし、様々な趣向を凝らした数多くの講座やシンポジウム、市民が講師と直接酒食を共にする「夜楽(やがく)」など、多彩でユニークなプログラムが予定されています。
 こうした交流を通じて、まちづくりの新たな発想やヒントを得、地域文化創造の意識啓発に大きく寄与するとともに、各種メディアや各会員による情報発信により、鳥取の魅力を全国に発信するきっかけになることが期待されます。
 さて、オープンカレッジin鳥取の実行委員会(以下「実行委員会」という。)では、このイベントの成功に向けて、多くの県民・市民との協働を目指すこととして、地域文化創造の意識啓発や地域活性化に理解がある企業・団体等の協賛をお願いしたいと考えています。つきましては、広告宣伝を主な目的として企業・団体等が支出する協賛金や提供する協賛物品についての税務上の取扱いは次のとおりとなると解してよいか照会いたします。

2 事前照会に係る取引等の事実関係

 協賛に参加する企業・団体等(以下「協賛企業」という。)は、実行委員会に対してオープンカレッジin鳥取の行事の実施に要する資金又は物品(以下「協賛金等」という。)の提供を行います。協賛金等の提供を行う協賛企業は、協賛金等の金額(以下「協賛金額」という。)の区分に応じ、以下の表の広告宣伝等の特典を受けることができます。

特典内容
協賛金額
時期
30万円 10万円 5万円 3万円 2万円
チケットの配付特典  
  オープニングチケット 2012年3月23日開催 10枚 5枚 2枚 2枚 1枚
講座チケット 2012年3月24日開催 5枚 3枚 2枚 - -
クロージングチケット 2012年 3月25日開催 10枚 5枚 2枚 2枚 1枚
広告宣伝特典  
  A新聞広告宣伝(第1回)
協賛企業名掲出
2012年2月上旬 1回 1回 1回 - -
A新聞広告宣伝(第2回)
協賛企業名掲出
2012年2月下旬 1回 1回 1回 1回 1回
会場看板に協賛企業名掲出 2012年3月23日〜25日
  • ※ オープニングチケット、講座チケット、クロージングチケットは、オープニングシンポジウム、講座、クロージングシンポジウムの入場券であり、通常一枚500円で販売するものです。
  • ※ 広告宣伝特典における各協賛企業名掲出については、協賛金額に応じて、協賛企業のロゴ使用や文字の大きさに差異があります。
  • ※ 物品提供を行った協賛企業に対しても、当該物品の時価総額に応じて、上記広告宣伝等の特典があります。

3 2の事実関係に対して事前照会者の求める見解となることの理由

(1) チケットの配付特典の取扱い

 協賛企業は、上記2の表に掲げるとおり、チケットの配付及び広告宣伝の特典を受けることになります。
 それらの特典のうちチケットの配付特典については、そのチケットが通常一枚500円で販売されるものであることから、協賛企業にとっては協賛金等の提供という形はとっているものの実質的にはチケットを購入したものと何ら変わるところはありません。したがって、協賛金額のうちチケットの配付枚数に応じた金額(以下「チケット購入費相当額」という。)については、そのチケットの使途に応じ、例えば次のような取扱いになると考えます。

  • イ 協賛企業が販売促進等の目的でこれらのチケットのみを取引先等に交付する場合のチケット購入費相当額は、販売促進等の目的で取引先等に交付するものであるが、これらのチケットが地域文化創造の意識啓発等を目的とするシンポジウムや講座を受講できるという内容のものであることからすれば、観劇等への招待券の交付といった接待等には該当せず、販売促進費等として取引先等にチケットを交付した日の属する事業年度の損金の額に算入する。
  • ロ 協賛企業が従業員(その家族を含む。)の福利厚生としてこれらのイベントを見学させる場合のチケット購入費相当額は、福利厚生費等として従業員にチケットを交付した日の属する事業年度の損金の額に算入する。

(2) 広告宣伝特典の取扱い

 協賛金額のうち上記(1)のチケット購入費相当額を控除した金額は広告宣伝特典に係る対価の額となるものと考えます。
 協賛企業は、上記2の表に掲げるとおり、広告宣伝開始からイベント終了までの期間(以下「広告宣伝期間」という。)において複数の広告宣伝を行うことになりますが、個々の広告宣伝特典ごとに金額を定めていないため、協賛企業は、一括して協賛金等の提供を行うことになります。
 また、個々の広告宣伝特典における対価の見積りを協賛企業において行うことは困難であることからすれば、広告宣伝特典に係る対価の額については広告宣伝期間を基礎として期間配分し、協賛企業の損金の額に算入することになると考えます。