第4回座談会 議事要旨

1 日時 平成19年9月27日(木) 15:00〜17:00
2 場所 福岡国税局
3 出席者
(酒モニター)
  • 一般消費者(女性層)、料理飲食業関係者、旅館業者、情報誌関係者など 8名
(福岡国税局)
  • 福岡国税局長、課税第二部長、酒類監理官、酒税課長、鑑定官室長、酒類業調整官(5名)
4 内容
酒モニター就任後における酒類の消費動向の変化や、座談会において提出された意見が酒類業界にどのように反映されてきたと感じるかなど、過去3回の酒モニター座談会を総括しつつ、今後の「清酒の需要振興のあり方」について活発なご意見をいただきました。

(議事要旨)

「清酒の需要振興のあり方」

1 酒モニターの方々から見た最近の清酒の消費動向

  • ・ 女性同士で日本酒を飲むのは楽しく、お酒を「コミュニケーションツール」、「日常飲めるもの」として使っている。
  • ・ 子供の時から「お屠蘇」は飲ませないなど、食文化が変わってきている。
  • ・ 一般的には、リーズナブルな価格のお酒が消費者に受けている様子。
  • ・ 「日本酒は飲んだことがない」という人がいる。
  • ・ きき酒をしても「おいしい。」と言うが、その先に進まない。
  • ・ お客様から「ワインと焼酎を充実させて。」という声が多いのは残念。
  • ・ 最近は、女性のお客様から「焼酎の品揃えが少ない。」と言われる。
  • ・ 女性は女性同士グループでみえるが、お酒は少量でいい様子。

2 酒モニターの方々から見た蔵元、酒販店の現状

  • ・ 消費者の声を生かしている蔵もあれば、生かしていない蔵もある。
  • ・ 安心して買える日本酒を扱う流通や酒屋の体制ができていない。
  • ・ メーカーが誰のために造っているか分かっている蔵は、品不足になるほど売れている。
  • ・ メーカーは、どういうお客様に提供するのかターゲットを絞っていない。
  • ・ 酒という商品そのものをよく知らない料飲店が多い。
  • ・ 福岡県産の日本酒を置いている酒販店が少ない。
  • ・ 料飲店におけるお酒の管理は、以前に比べると良くなっている。

3 酒類関係者が行うべき需要振興策(ターゲット・PRなど)

  • ・ 酒という商品を知らない料飲店には、流通が教えていかないといけない。
  • ・ お酒に携わる人の理解を深めていく必要がある。
  • ・ 日本の食文化も変わり、家庭では和食中心でなくなったので、それに合う日本酒というものがあってもいい。
  • ・ 今の若い人に合う、若者が飲める日本酒が欲しい。
  • ・ 燗の必要がなく手軽に飲める日本酒があってもいいはず。
  • ・ ホテルのパーティ会場でも「乾杯は日本酒で。」というふうに、蔵元がホテルなどへ働きかける努力が必要。
  • ・ 清酒に対する価値観が変わる何かが起きるまで、地道な努力をするしかない。
  • ・ 酒蔵を観光資源として利用すれば少しは伸びるのではないか。
  • ・ お酒をほとんど飲まない知人から、「アルコールが6度程度の色のついた日本酒を、ワイングラスで飲みたい。」と言われた。飲まない人に飲ませる工夫が必要。
  • ・ メーカーは単に「売る」だけでなく、小売店等へのコンサルティングも必要。
  • ・ 焼酎はファーストフード的な感覚で、気張らずかしこまらずに飲める。食文化が欧米化した現在では、日本酒のくだけた飲み方があってもよい。
  • ・ ターゲットを絞り、低価格で気取らず飲みやすいものから始めてはどうか。
  • ・ 「福岡、佐賀、長崎の酒」、「和らぎ水」、「日本酒の日」を知ってもらうためのキャンペーンができないか。
  • ・ 「日本酒の日」を年1回ではなく、「映画の日」のように毎月設けるとよい。
  • ・ 日本酒が安い日など、蔵元が手を結んで飲んでもらうためのメリットをつくる。
  • ・ 蔵元の仕込み水を日本酒をセットで売るなどしてはどうか。
  • ・ 焼酎は割る水で味も違ってくるので、業務店は水に気を使って提供すべき。
  • ・ 業務店にコメント付メニューを配り、少容量のお酒でもよいので提供できるとよい。
  • ・ 「提供の仕方」や「燗のつけ方」、「お酒の温度」など、おいしいお酒を飲むためのサービスマニュアルを作成し業務店に配る。
  • ・ 蔵や業務店がそれぞれ協力し、「体にいい日本酒がある」ことをPRしてもらう。
  • ・ 蔵元、杜氏が日本酒を語る場を定期的に設けてはどうか。

4 酒モニターの方々が取り組んでいただいている需要振興

  • ・ 純米酒を庫外に置いてあるお店を見つけると、お酒の保管場所などのアドバイスをしている。消費者が言えば酒販店に伝わる。
  • ・ 県産品フェアで、歳暮・贈答用として正月前のキャンペーンを始めている。
  • ・ 県産酒を置いてもらえるよう、酒販店でチームを作ってもらった。
  • ・ クリスマス会では日本酒で乾杯をした。
  • ・ 料飲店で飲むときには、「お酒の管理をちゃんとしているか。」とか「和らぎ水は置いているか。」などを日頃から注意して見ている。
  • ・ 酒販店に「この銘柄のお酒を入れて。」とお願いをしている。
  • ・ 女性向けに、手桶に氷を入れ中で冷やすなど、日本酒を出す雰囲気を大切にしている。
  • ・ 「正月にお屠蘇を」、「3月に白酒に桃の花を浮かべ」、「5月には前日から菖蒲とヨモギをお酒に浸して」、「9月には菊を浮かべた菊酒を」というように、節句に応じてお客に食前酒として提供し乾杯をお願いしている。節句になると「そのようにして頂いたのを思い出した。」という声が聴かれるようになった。