1 概要

当局では、管内(福岡県、佐賀県、長崎県)で製造された清酒及び本格焼酎の品質評価を通じて酒造技術の進歩と管内酒類の品質向上を図り、酒類業の発達に資することを目的として、毎年酒類鑑評会を開催しています。
 本年の酒類鑑評会では、吟醸酒の部に49製造場から106点、純米酒の部に47製造場から85点、本格焼酎の部に39製造場から132点の出品があり、9月19日に本格焼酎、9月25日に純米酒、9月27日及び10月3日に吟醸酒の品質評価を行いました。

2 方法

評価にあたっては、次の点にポイントをおいて、品質評価を行っています。

部門 品質評価のポイント
吟醸酒 吟醸酒にふさわしい上品な香りであるか、味の調和がとれているか、香りと味のバランスに問題はないか。
純米酒 料理を食べながら飲用する食中酒にふさわしい味わいがあるか、なめらかさがあるか。
本格焼酎 麦、米等の原料の違い及び蒸留等の製造方法の違いによる品質特性を考慮し、個性と香りや味とのバランスがとれているか。

3 結果

入賞製造場名簿のとおりです。

  1. (1) 吟醸酒の部
     吟醸酒は、例年よりも味わい豊富な酒質のものが多く、上品で華やかな香りとなめらかな味が調和していました。なお、品質評価は吟醸酒と純米吟醸酒を区分し、あらかじめ分析した香気成分量別にグループ化して行いました。
  2. (2) 純米酒の部
     今回より純米酒の部につきましては、多様化している純米酒の現状を踏まえた業界の皆様からの御要望に基づき、品質評価温度に燗酒(約43℃)、常温(約25℃)の区分を設けました。純米酒は、いずれも原料米の持つ旨味を有しており、食中酒としての特性を持ちつつ、後味のすっきりとしたものから旨味豊かな味わいのものまで、それぞれの飲用温度に適応した多様性が見られました。
  3. (3) 本格焼酎の部
     本格焼酎は、麦焼酎を中心にそれぞれの原料特性が良く出ていました。軽快な香味を持ったすっきりとしたものや、芳しい香りとコクのある濃醇なものが見られ、発酵・蒸留等の技術を背景とした各製造場の個性も表れていました。なお、品質評価は透明グラスを用い、原料及び蒸留方法等を明示して行いました。

4 出品状況

(1) 吟醸酒の部
区分
県名
吟醸酒 純米吟醸酒 合計
場数 点数 場数 点数 場数 点数
福岡 15(13) 23(19) 17(16) 28(24) 22(20) 51(50)
佐賀 14(15) 19(22) 14(14) 19(22) 19(19) 38(42)
長崎 6(8) 9(12) 6(8) 8(10) 8(9) 17(19)
35(36) 51(53) 37(37) 55(56) 49(48) 106(108)

( )内は前年実績

(2) 純米酒の部
区分
県名
燗酒 常温 合計
場数 点数 場数 点数 場数 点数
福岡 17 25 14 18 23(23) 43(42)
佐賀 9 10 16 21 17(17) 31(31)
長崎 5 6 5 5 7(7) 11(12)
35 41 31 44 47(47) 85(85)

( )内は前年実績

(3) 本格焼酎の部
原料等
県名
麦製 米製 ※その他製 長期貯蔵酒 合計
場数 点数 場数 点数 場数 点数 場数 点数 実場数 点数
福岡 13 25 8 10 14 23 11 19 20 77
佐賀 2 3 2 3 2 3 1 2 3 11
長崎 10 17 1 1 6 11 11 15 16 43
25 45 11 14 22 37 23 36 39 132

※1 その他製焼酎の原料別内訳(場数/点数)
  甘藷(8/12)、酒粕(8/11)、そば(1/2)、ごま(1/2)、にんじん(1/2)、くず(1/1)、ひし(1/1)、かぼちゃ(1/1)、じゃがいも(1/1)、茶葉(1/2)、玉露(1/1)、しそ(1/1)

※2 長期貯蔵酒の原料別内訳(場数/点数)
  麦製(16/25)、米製(1/1)、甘藷(2/2)、酒粕(1/1)、わかめ(1/1)、麦製樽貯蔵(5/6)

(注1)酒粕には吟醸粕を含みます。

(注2)審査の対象とならない参考出品として、その他製にはとむぎ(1/1)を含みます。

(参考:前年実績)
原料等
県名
麦製 米製 ※その他製 長期貯蔵酒 合計
場数 点数 場数 点数 場数 点数 場数 点数 実場数 点数
福岡 13 23 9 11 14 23 10 17 21 74
佐賀 3 4 1 2 1 1 1 1 3 8
長崎 10 14 2 2 4 7 8 13 14 36
26 41 12 15 19 31 19 31 38 118