開催日及び場所 | 平成28年12月15日(木) 福岡合同庁舎5階 共用第2会議室 | |||||||||||||||||
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委員 |
委員 屋宮 憲夫(福岡大学 法学部教授) 委員 堺 祥子(井口・堺法律事務所 弁護士) 委員 横山 研治(立命館アジア太平洋大学 副学長) |
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審議対象期間 | 平成28年7月1日(金)から平成28年9月30日(金) | |||||||||||||||||
契約締結分の概要説明 | 審議対象期間に係る契約締結分及び契約実績状況調書の概要を説明 | |||||||||||||||||
抽出事案 | 4件 | (備考) | ||||||||||||||||
競争入札(公共工事) | 1件 |
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随意契約(公共工事) | -件 | - | ||||||||||||||||
競争入札(物品役務等) | 3件 |
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随意契約(物品役務等) | -件 | - | ||||||||||||||||
うち応札(応募)業者数 1者関連 |
3件 |
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委員からの意見・質問 それに対する回答等 |
次ページ以降のとおり | |||||||||||||||||
委員会による意見の具申又は勧告の内容 | なし |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 1】
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当該工事は、極めて低率な落札率となっている。 また、当該工事は、定期的に発生する調達と考えられることから前回抽出案件として審議した平成26年度以降の入札状況の推移、極めて低率な落札率となった原因、予定価格の算定方法等について確認したい。 |
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極めて低率な落札率となった原因として、直読式メーターの実勢価格がかなり低く、また、販売メーカーの個別の特殊要因があったものと考えてよいか。 | 直読式メーターの実勢価格が当局の想定よりかなり低く取引されていると考えられることから、そのとおりである。 | |||||||||||||||
公務員宿舎の水道メーターには、直読式と隔測式の二種類のタイプがあるが、タイプを交換して設置することは可能か。 | 建設時に設置する水道メーターは、設置費用が安価な直読式を基本としているが、水道局の指針により隔測式の設置となる場合もあり、その後の有効期間満了の際の取替工事は、当初設置したタイプとなる。 | |||||||||||||||
平成26年度の入札状況を見ると、最低価格と最高価格にかなりの開きがあるが、理由は何か。 | 最低価格の札を入れた業者にヒアリングしたところ、当局以外に同種の工事を大量に受注していることから、メーカーと破格の価格で取引ができたと聞いており、このようなことが要因と考える。 | |||||||||||||||
水道メーターのメーカーは何社かあるのか。また、価格はどうか。さらに入札状況において、最低価格の応札者は当該予定価格の単価より低く取引ができ、最高価格の応札者は、当該予定価格の単価より高い取引になったと理解してよいか。 | メーカーは数社あり、価格は、各社とも定価を見ると開きはない。最低価格の応札者は、当局予定価格の単価より低くメーカーと取引できたものと考える。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 2】
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高額な調達案件でありながら、1者応札事案であり、しかもかなり高い落札率となっている。 また、同様の契約は、門司税関の平成24年第2回、長崎税関の平成25年第1回の抽出案件とさせていただいたが、いずれも競争が働いていた。 今回、競争が成立しなかった経緯、予定価格の積算方法等について確認したい。 |
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仕様書による機器の準備、システムの開発等の一連の調達について、新規に参加することは難しいと考えるか。 | 税関監視取締りのため特殊な仕様となっており、当方の要求を全て満たす機器・システム開発は、新規に参入を考える者には難しいと考える。 ただし、本調達では新規開発に前向きであった者もあったことから、新規参入は可能である。 |
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予定価格算出方法については、既存システムを構築している業者への聞取調査に頼らざるを得ない状況であるとは思うが、独自の積算資料を作成する等、他の手段は考えられないか。 | 本調達に係る機器類のほとんどは、市場に出回らないことから、独自で積算するのは困難である。 既存システムを構築している業者への聞取調査が唯一の手段と考える。 |
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借入期間は50ヶ月とあり、予定価格算出に係る月額賃貸借料金算出表では、リース期間72ヶ月となっている理由は。 | 本調達は50ヶ月の国庫債務負担行為による契約となっているが、実際の借入予定期間は耐用年数等を考慮して72ヶ月間と考えている。入札説明の際に参加者にもその旨を伝え、応札者も72ヶ月間を想定し、その間の50ヶ月分の金額を算出し、応札していただいている。 当関も本調達契約期間満了後は、残り22ヶ月分の予算要求を行う予定としている。 |
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リース期間72ヶ月後は、どうなるのか。 | 新たに更新又は再リースによる継続使用のいずれかの方針を検討していくこととなる。 | |||||||||||||||
平成24年度第2回抽出案件では、競争性が確保されているが、極端に落札率が低くなっている件について、どう考えるか。 | 応札者が2者であり、競争性が確保されたため、低い落札率となったと考える。 | |||||||||||||||
予定価格の積算において、業者への聞取調査のほか、汎用性がある機器については、市場価格調査の結果と比較し最低価格を採用しているようだが、どのような機器が該当し、また、全体の何割程度か。 | 液晶モニタ等、市場価格が存在する機器については比較している。 しかし、機器の多くは市場に出回らないことから、約9割は聞取調査の結果を採用している。 |
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予定価格について業者への聞取調査による積算が全体の9割を占め、残り1割が市場価格、公表資料による積算の中、落札率が高くなっている要因は何か。 | 聞取調査を行った金額を前提に考えれば、今回の応札時も、聞取調査の額を基準に応札額を決定したと予想され、結果、高落札率となったと考える。 | |||||||||||||||
入札を辞退した理由の多くは、「技術的に参加が困難」とのことであるが、仕様書の内容が入札に参加できないようになっている要因と考えられないか。 | 税関監視取締りのための特殊な仕様となっており、当方の要求を全て満たす機器・システム開発は難しいと考える。 しかし、過去に応札者が複数いたこと、また、本調達では直前まで応札に前向きだった者もあったことから、他者においても十分に開発していただける仕様である。 |
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抽出案件の契約に含まれる定期保守と、別記様式4に記載がある定期保守点検の違いは何か。 | 平成25年度以前の借入契約分については、契約に定期保守を含んでいないことから、別途、入札を行い契約を締結している。 | |||||||||||||||
抽出案件にある随時保守は、主に修理対応と理解しているところであるが、修理に必要な交換部品等の金額も含んだ形での契約なのか。 | 本調達による随時保守は、障害発生時や操作上の問題が発生した場合について、連絡体制の構築、対応が主となる業務となる。 障害発生時に高額な部品交換が必要となる場合は、別途、請求できる仕様となっている。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 3】
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一者応札であり、高い落札率となっている。 一般の建設工事に関する設計業務については、一般的に低落札になると認識しているが、本事案では高率となっている。 また、長崎地区は造船業が主要産業であり、造船関係の事業者も多数存在すると思われるが、本件が一者応札となった経緯、特に参加業者が制限される要因の有無について確認したい。 |
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高機能な高速艇という特殊な条件で、落札業者も横浜在住の業者であるが、設計可能な業者が全国的にもほとんど存在しないということか。 | 高速艇という条件であれば、本事案の落札業者による受注実績が大半となっている。 他税関の監視艇で他の業者が落札した実績もあるが、仕様としてそれほど速度を重視しない条件であったと聞いている。 |
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造船会社に所属する設計部等は、入札に参加できないのか。 | 今回の契約では、造船に必要な設計図(一般配置図)、仕様書及び船価計算を作成していただくことになる。 船価計算については、作業員費や搭載予定機器の積算等を行っていただくため、予定価格を類推出来る立場となり、建造時の入札には参加できない立場となってしまう。 |
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設計入札に参加すれば、建造時の入札には参加できないとなれば、今回の入札に参加するインセンティブはないということか。 | 建造入札に関しては、契約金額の桁が大きく違うため、造船会社であれば建造契約の受注に注力するものと考える。 | |||||||||||||||
全国的にも参加業者は限定されるのであれば、参加可能な資格等級を「C」「D」のみではなく、「B」等級まで広げることは考えなかったのか。 | 原則等級から、上下どちらかに1段階拡大させるのが通常のため、本案件については、過去の入札状況から、原則等級「C」に加え、「D」等級も追加したものである。 | |||||||||||||||
今回は一者応札で高落札率といった結果であったが、次回の同種案件については、資格等級を「B」に拡大する予定はあるか。 | 監視艇建造に関する調達は、それほど頻繁にあるものではなく、次回調達についても5年後くらいになると考えるが、その際には参加資格等級についても再検討を行いたい。 | |||||||||||||||
主要な調達は、設計業務後の建造業務になると考えるが、設計業務と組み合わせて調達を行うことは出来ないのか。 造船会社であれば設計部門はあるだろうし、一括調達を行えば設計業務に関し、価格が低減出来るとも考えられる。 一括調達を行うに際し、予算執行上の問題等で難しい面があるのか。 |
設計業務に関しては、船舶建造庁費、建造に関しては、船舶建造費という別の枠で、予算を確保している。 また、設計業務についてもある程度の期間が必要であるが、建造については更に18ヵ月の期間を予定しており、現状においては、一括調達は困難と考えている。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 4】
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一般的に印刷関連業者は比較的多く、一者応札案件は少ないと認識しているが、本案件は一者応札となっている。応札者が限定される理由があるのか確認したい。 一方、一者応札にしては落札率が低いため、予定価格の積算が適切であったのか確認したい。 なお、本案件について平成26年度以降の入札状況等を経年的に比較して確認したい。 |
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本案件は、かなりの人員を要する業務か。 | ほとんど機械作業によるものである。 | |||||||||||||||
ドットプリンタを所有している業者でなければ対応できず、所有している業者も少ないとのことだが、調達時期を変更すれば対応できる業者はあるのか。 | 調達時期を変更すれば対応できる業者があるかは不明であるが、年末調整の時期に必要であり、データ整理可能な時期から短期間での調達であることから、調達時期を変更することは難しい。 | |||||||||||||||
今回は一者応札であるが、過去の複数応札の時と比べて契約金額は上昇していないようである。これは電子入札で他の応札者の状況が分からなかったため競争が働いたのと同じ結果が得られたということか。 | そのように考えている。 | |||||||||||||||
3枚複写である必要があるのか。ドットプリンタではなくレーザープリンタ等一般的なプリンタで対応可能な様式に変更できないのか。 | 様式の変更については主管課が検討する事項であるため、対応可能業者の減少等調達の現状を伝えたい。 | |||||||||||||||
予定価格の積算に当たり、使用している単価が取引条件月間取引額5から10万円程度となっており、本案件の業務量には不適切ではないか。 | 予定価格は、極力公表されている実勢単価を基に積算しているが、本業務においては、本案件のような大量発注に対する単価が公表されていないため、スポット発注の単価を使用し、調整率で減額調整している。 | |||||||||||||||
平成26年度からの契約状況をみると、仕様の内容は変更になったが、業者のコスト上昇には繋がっていないと思われる。3枚複写の用紙も官支給であり、来年度は他の印刷業者も対応可能となるのか。 | 3枚複写の用紙を使用している限り、ドットプリンタを所有していないと対応できない業務である。 ドットプリンタを所有している業者で、他の業務との兼ね合いで対応可能となる業者はあるかもしれないが、現状では来年度においても当局にとっては厳しい状況であると考えている。 |
【委員会の審議結果】 | |
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今回抽出した4つの事案については、いずれも適法かつ適正な調達の方法が尽くされていることを確認した。 調達事案について全体的な意見を申し上げると、公共工事については、応札者数が従来に比べ増加し、落札率が極めて高率な案件も減少しており、競争性の確保について各部局が改善に努めている結果ではないかと評価している。 また、物品役務等の調達においても、一者応札・随意契約については、特殊な製品の保守・点検、システム改修、会場借上げなど競争性の確保が困難な調達に限られており、全体的に競争性の確保が向上しているものと評価できる。 ただし、非常に少数ながら競争入札が期待できる調達もあることから、入札参加資格の等級拡大などにより一者応札が解消できないか更に検討していただきたい。 一者応札は解消されたものの、競争者が2者である事案も散見されるが、2者の場合に競争が十分働くかは少し疑問であり、2者応札の事案については応札状況等注視しながら、なお一層の競争性向上のため、競争者数の増加に向け取り組んでいただきたい。 |
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(第1事案について) 本件工事は、極めて低率な落札率となっていることから、質の管理が重要であるため実施した工事の確認を十分行っていただきたい。 また、競争が適正に働いている判断基準として、適正な予定価格の算定は重要な要素であることから、低落札率の原因を分析するとともに、次期の予定価格算定時に実勢価格等十分考慮した適正な予定価格としていただきたい。 |
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(第2事案について) 平成24年第2回抽出案件は、競争性が確保された事案として高く評価したが、一方で落札率が低いことで、以後の入札において金額面で折り合いがつかず、応札者が減る等競争性を疎外されることが懸念されたところ、今回は一者応札、高い落札率という結果となった。 当該システムは、市場がなく特定の業者のみの競争参加となる中、競争が成立せず1者独占の状況が続けば、技術革新も活性化せず、高額応札が続く可能性もある。 次回の入札では、競争が成立するよう検討していただきたい。 |
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(第3事案について) 設計業務以降の建造業務が高額の調達事案になるものと考えられるが、設計業務が建造業務とは別に入札されることにより、建造業務の入札に際し、競争が十分に働かなくなることが危惧される。 特に設計業務の技術的条件の設定状況により、造船工事の入札参加者の制限が生じたり、設計業者と取引関係のある業者へ予定価格を推定させるような情報や技術情報が流れたり、造船業者間の調達に関する調整が、設計会社により行われるといった問題がないかどうか充分に注意を払う必要があると考える。 また、予算要求に関連し、難しい面もあるかも知れないが、設計業務と建造業務を一体化して発注することにより、設計費用の低減を図ることを検討していただきたい。 本委員会に参加する二税関のみではなく、全国的な税関の監視艇建造に関し生じる問題と思われるので、全体的に検討を進めていただきたい。 |
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(第4事案について) ドットプリンタという特殊な機器を備えている業者が極めて少ないため一者応札となったことは理解できるが、今後もドットプリンタを使用しなければならない同じ方式を続けていくことが適切であるのか、新しい技術を導入し提出方法や処理方法等を工夫することにより印刷方式を改善できないのか十分検討していただきたい。 |