開催日及び場所 | 平成27年6月19日(金) 福岡合同庁舎5階 共用第2会議室 | ||||||||||||||||
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委員 |
委員 屋宮 憲夫(福岡大学 法学部教授) 委員 林 桂一郎(西日本綜合法律事務所 弁護士) 委員 横山 研治(アジア太平洋大学 国際経営学部長) |
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審議対象期間 | 平成27年1月1日(木)〜 平成27年3月31日(火) | ||||||||||||||||
契約締結分の概要説明 | 審議対象期間に係る契約締結分及び契約実績状況調書の概要を説明 | ||||||||||||||||
抽出事案 | 4件 | (備考) | |||||||||||||||
競争入札(公共工事) | 1件 | 契約件名 :(H26)小笹住宅囲障改修工事 契約相手方:福岡造園株式会社 契約金額 :3,974,400円(税込) 契約締結日:平成27年1月29日 担当部局 :福岡財務支局 |
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随意契約(公共工事) | -件 | - | |||||||||||||||
競争入札(物品役務等) | 3件 |
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随意契約(物品役務等) | -件 | - | |||||||||||||||
応札(応募)業者数1者関連 | -件 | - | |||||||||||||||
委員からの意見・質問、それに対する回答等 | 別紙のとおり | ||||||||||||||||
委員会による意見の具申又は勧告の内容 | なし |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 1】
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落札率が極めて高率となっていることから抽出した。入札状況、特に落札率が高率となった原因、予定価格の算定方法等について説明いただきたい。 | ||||||||||||||||
年度末の工事であり職人が不足している、労務単価の上昇傾向が続いているという説明はよく理解できた。 予定価格内の業者が1者であり、それ以外は予定価格より高かったという状況をみると、落札業者が予定価格の積算方法について熟知していて、予定価格と非常に近い金額を算定したといえるのか。 |
入札に参加する業者は、積算基準についてはある程度理解していると考えている。 予定価格の算定にあたっては、積算基準を基に当局の基準単価により算定しているが、落札業者の工事費内訳書をみると、直接工事費については、当局の算定より高くなっており、工事を実際に施工する1月の調達単価がいくらになるかを積み上げて応札したものと考えている。 |
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他の業者も積算基準について理解しているということは、同じような算定で応札する可能性があると思われるが、他の業者は労務単価や職人不足という観点から予定価格より高く、1者がかなり努力して安く応札したということか。 | どの程度詳細に積算基準を理解して算定しているかについては確認していないが、他の業者もおおむね同様の算定をしているのではないか。 その中で、落札業者は受注意欲が高かったため、諸経費について企業努力により削減し、応札したものと考えている。 |
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本件は12者が応札しているが、入札状況調書をみると、予定価格自体が厳しい数字となっている中で参加業者もかなり競争意識をもって対応しており、実質的に競争が図られているものと思われる。 地方自治体では、現在、仕事が多いとか、人手が不足しているということで、指名競争入札で辞退する業者が多く出ているようであるが、本件工事に参加している造園業者においては、そういう状況はないのか。 |
参加業者は当然受注を抱えており、また、人手不足により職人の手配が難しいという状況はあると聞いている。 そのため応札金額は全体として高くなっているが、本件工事の内容は、既設フェンスを撤去して新しいフェンスを設置するという単純な内容であるため、工事としてはそれほど難しいものではなく、参加する業者としては応札する価格で受注できれば十分対応は可能と判断するなど、参加意欲が高かったのではないかと考えている。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 2】
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応札業者が2者であるが、落札率が98.2%と監視艇レーダー設備更新ではかなりの高落札率であり、前回の抽出案件となった長崎税関の2件の契約と比較しても高い落札となっていることから、応札状況、落札率が高くなった原因、予定価格の算出方法についてご説明いただきたい。 | ||||||||||||||||
周辺機器との連動でフルノ製のレーダーでなければ合致しないということから、販売代理店のB社についてもフルノのメーカーから見積りを取得し、予定価格積算の際に機器費の見積書として提示したのか。 また、落札者はフルノの子会社なので、B社が見積りを取得した事実を把握していたと考えられるがそうなのか。 |
そのとおりである。 | |||||||||||||||
今回の事案は実質的にフルノ製でなければ対応は難しい状況で、一般競争入札を行なっている。 今回のような事案は一般競争が成り立ちにくい状況であると思われるが、どう考えているか。 |
この事案はフルノ製でなければ対応は難しい状況であったと思われるが、発注者としては仕様書等でフルノ製を指定している訳ではない。 販売代理店であるB社は別メーカーの応札の可能性もあったと考えられるが、周辺機器との連動性の部分でリスクを避けた結果が今回の応札状況になったと考えられる。 |
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機器の制限がある中でそれでも競争性を維持するのか、今後検討していく必要があると思われる。 コンピューターのメンテナンスなどは、過去においては、ほとんどメーカー系の業者が受注していたが、最近は独立系の業者が受注するなど、状況が変化している。 同様の状況が数年後にできると私は考えているし、問題意識も持っている。 |
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他関の状況を含め点検していくことが重要であると思われる。今回のような案件で他関との連携を取っているのか。 | 監視艇の監視カメラシステムの調達などでは、仕様書作成の際、他関との情報交換を行いながら進めているが、今回のようなレーダー設備更新は情報交換することなく進めている。 | |||||||||||||||
基本的には他関と連携を取りながら進めていく必要があると考える。 | ||||||||||||||||
フルノ製以外の機器では周辺機器を含めた装置が動作するのが実質的に難しいものと考えられるが、前回の長崎税関の抽出案件も監視艇のレーダーシステムの更新であり、3者の応札となっている。 長崎税関が発注した内容と今回の事案は内容が異なるものなのか。 |
(長崎税関の回答) 長崎税関の監視艇については、門司税関のように全てフルノ製という形で統一されておらず、結果として、フルノ製または日本無線製どちらであっても、調整は必要となることから、門司税関の調達とは内容が異なる状況である。 |
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競争性の観点で考えると、周辺機器まで含めて1つのメーカーで統一した事が、結果的に今回のレーダー設備更新が1つのメーカーしか対応できない状況となったのか。 |
監視艇ひびきについては、建造時に全てフルノ製の機器が取り付けられている。 例えば、今回の調達がレーダー設備だけでなく周辺機器も含めて保全的に更新する調達であれば、フルノ製以外の製品での応札という状況もあったと考えられる。 今回は既に不具合を起こしているレーダー設備だけの更新であったため、結果的にフルノ製での対応となった。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 3】
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この案件は、平成24年度第2回でも抽出した事案である。同じ案件を経年で比較検討することも有意義と考えるので、過去の応札状況はどのようなものであったのか、経年での比較検討を踏まえて説明いただきたい。 | ||||||||||||||||
今回からフローティングドック設備使用の条件を外しているが、監視艇はアルミ船のため、歪み等を生じないよう同設備を使用することを条件としていたと聞いている。 条件を外したことに問題はなかったのか。 |
過去において、船底形状に合わない架台を使って上架整備作業が行なわれた実績があり、現場からの要望もあったため、フローティングドック設備の使用を条件としていたものである。 今後については、作業の監督において、より注意深く対応することとし、当該条件を削除して競争性の一層の確保に努めることとしたものである。 |
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競争性を維持するために、遠方の造船所まで参加を可能とすると、監督のための出張旅費等の問題が生じる。 この案件だけではないが、競争性を維持しようとして、トータルコストとしては、余計に費用がかかるジレンマがあり、皆さんと共有していく問題と考えている。 |
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長崎税関の監視艇は、「さいかい」の他にもあるか。 | 八代港に「ありあけ」、鹿児島港に「なんせい」が配備されている。 | |||||||||||||||
過去の入札の経緯を見てみると、入札参加業者が限定されており、落札業者と二番手の業者が、ほぼ同一となっている。 | 長崎港内で、入札に参加可能でフローティングドック設備を保有している業者は当該2社と、「さいかい」中間検査時の上架整備工事案件の入札に参加した1社の計3社となっている。 | |||||||||||||||
今回の二番手の業者が過去に落札した実績はないのか。 | 平成22年度以降では実績はない。 長崎県内の造船関連企業の資料がインターネット上で閲覧できることから各造船所の実績等を確認したところ、落札業者は長崎港内において官公庁船の実績があり、二番手業者については、他の船種を得意としているようである。 |
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長崎では、造船業者間での住み分けが出来ているといった感じであるのか。 | 長崎県内のフローティングドック設備を保有する造船業者をみると、落札業者の設備は1,000t程度であり、一番小型のものである。 「さいかい」は約65tの船であり、他の業者が保有する大型のフローティングドック設備では、効率が悪いと考えられる。 |
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落札者と二番手の業者の入札金額の差は、15万円強の差があるが、毎回、同じような差であるのか。 | 両者の差額の比率が、全く同一で推移しているわけではないが、結果として、入札順位は変わりがないことから、入札参加者を増やすことを念頭に、制限項目となっているフローティングドック設備の使用条件を外したものである。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 4】
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応札者数が少数であるが、落札率が62%とかなり低率となっている。また、落札者は国税局の調達において落札頻度が極めて高い事業者でもある。参加者の応札状況や予定価格の算定方法についてご説明いただきたい。 | ||||||||||||||||
今回も、落札者は入札に当たり、価格的に相当努力をしたと考えられる。ところで、今回調達したアルコール測定器は、オフィス用品とは少し異なる商品であると考えるが、オフィスサプライ専門の業者でも取り扱えるものなのか。 | 詳細は承知していないが、落札者は、当局の他の調達案件においても、他の同業者が調達できない品物でも取扱いができており、多種多様な商品の仕入れルートを持っているのではないかと想定される。 |
【委員会の審議結果】 | |
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今回抽出した4つの事案については、いずれも適法、適正な調達手続きが取られていることを確認させていただいた。 全体的な意見を申し上げさせていただくと、今回の1者応札、随意契約案件は、いずれも競争性の確保が困難な案件であり、言い替えれば、競争によるべきと認められる案件は全て競争入札が成立していたと判断される。 ただし、競争入札が行われたものの中に、競争参加者が2者であるものが散見される。競争者数が少ないと、競争圧力が不十分となることもあるため、なお一層、競争者数の増加に向け取組み頂きたい。 |
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(第1事案について) 入札参加資格をB等級まで拡大し、競争者数が多数確保できたということは評価できる。 落札率が高率となった原因、予定価格との格差がほとんどなかった原因については、説明でよく理解できた。 入札状況をみると、応札価格も自然なばらつきであり、競争性が十分に確保されていたのではないかと思われる。 今後は、このような工事における価格設定の状況などについて、注視してくことも必要ではないかと思われる。 |
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(第2事案について) 監視艇ひびきのレーダー設備更新の事案について高落札の原因として、周辺機器との連動を考慮した場合、フルノ製のレーダーを取付ける必要があった点、予定価格の積算にも同様の要件があった点が高落札率となった要因であることは十分に理解できた。 |
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(第3事案について) 応札者2社の競争入札が続いており、経年の資料を見ると、2社での競争入札が、十分に競争入札として機能しているとは言い難いため、提案にもあったとおり、入札条件の緩和や、公告期間の延長により、第三の競争参加者の可能性について、検討していただければと思う。 |
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(第4事案について) 競争参加者を確保するため、資格等級を拡大したことにより、6者の参加受付があったが、最終的に商品の準備を行うことができず4者が辞退となっている。このことから、次回以降、更に競争者数を確保するために、公告期間を拡大するという提案は、適切な対応策であると考える。 |