開催日及び場所 | 平成25年12月20日(金)福岡合同庁舎5階 共用第2会議室 | |||||||||||||||||
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委員 | 委員 屋宮 憲夫(福岡大学 法学部教授) 委員 林 桂一郎(西日本綜合法律事務所 弁護士) 委員 横山 研治(アジア太平洋大学 国際経営学部長) |
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審議対象期間 | 平成25年7月1日(月)〜平成25年9月30日(火) | |||||||||||||||||
契約締結分の概要説明 | 審議対象期間に係る契約締結分及び契約実績状況調書の概要を説明 | |||||||||||||||||
抽出事案 | 4件 | (備考) | ||||||||||||||||
競争入札(公共工事) | 2件 |
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随意契約(公共工事) | -件 | - | ||||||||||||||||
競争入札(物品役務等) | 2件 |
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随意契約(物品役務等) | -件 | |||||||||||||||||
応札(応募)業者数1者関連 | 2件 |
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委員からの意見・質問、それに対する回答等 | 別紙のとおり | |||||||||||||||||
委員会による意見の具申又は勧告の内容 | なし |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 1】
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対象期間内において最も大きな契約であり、低率での落札となっていることから、入札状況について、参加者数、応札価格の状況、予定価格の算定方法、低入札価格調査の内容について確認したい。 また、本件工事の監理業務について、1者応札となった経緯についても合わせて説明いただきたい。 |
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崖地崩落対策工事というのは、具体的にどのような工事を行うものか。 | 本件については、吹付法枠工、ロープネット工、高エネルギー吸収落石防護柵工など複数の工法を用いて崖地の崩落対策を行うものである。 | |||||||||||||||
低率での落札となっているが、低入札価格調査を行った結果、適切な履行ができると判断したということか。 | 落札業者は、法面工事を主体として施工する業者であり、仕入れ先から必要な資材を安価に購入できるほか、工事に必要な機械を自社で保有していることなどから当該価格で応札しているものであり、契約に適合した履行ができると判断したものである。 | |||||||||||||||
本件崩落対策工事にかかる設計業務はどのように行ったのか。 | 設計業務については、昨年度入札により外部委託を行い、今年度に本件工事を実施しているものである。 | |||||||||||||||
設計を行った業者が工事の監理を行う方が、内容を熟知しており、安全性の確保などに資することができると思われるが、設計とは別の業者が工事の監理を行っても問題はないのか。 | 監理業務については、資格を有する土木施工管理技士等の技術者を配置する必要があり、工事監理にあたっては、設計図書等の書類が整備されていることから、専門の技術者を配置することで適切に監理業務を行うことができる。 | |||||||||||||||
入札状況を見ると、参加した10者全てが予定価格以下での応札となっており、全体として予定価格に対して応札価格が低くなっているように見受けられるが、どういう理由で応札価格が低くなったと考えているか。 | 予定価格の積算については、国土交通省の土木工事積算基準等に基づいて算定しているが、入札を7月に行ったこともあって、参加業者も手持ち工事が少ないことから受注意欲も高く、競争が働いて低価格での応札が多かったのではないかと考えている。 | |||||||||||||||
入札にあたって、参加資格をB等級まで広げているが、結果としてはB等級の参加業者は1者のみとなっている、本件のような工事について、この地区においてB等級の業者はあまりいないということか。 | B等級についても多数の登録業者がいると認識しているが、結果としてはB等級の業者はあまり興味を示さなかったのではないかと考えている。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 2】
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今回の案件は1者応札の案件ではあるが、高率の入札ではなく良い結果に終わっているが、今後、1者応札とならないための対策として何か考えがあるのか。 | 今回の工事については夏休み期間中が重なったということも考えられることから、例えば、公告期間の延長や等級拡大、また、発注時期の前倒しや工期を長く設定するといった受注条件の向上について検討したい。 | |||||||||||||||
工期を長く設定すると必然的に予定価格は高くなると考えられるが。 | 管理面などの点で考えると工事によっては金額が上がるという事は考えられるが、当然、必要の範囲内、常識の範囲内でということになる。 | |||||||||||||||
私的な経験だが、以前から付き合いのある建設業者に内装工事を依頼しているが、その社長の話でも、とにかく職人がおらず大変な状況という話を聞いている。 同様の話は地質調査会社の知人からも聞いた。 アベノミクスで公共事業が増え、その影響が出ているという印象があるが、中々難しいとは思うが、その中でどう競争性を確保していくかを考えていく必要がある。 |
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1者応札となった理由の1つとして、夏休み期間中が重なったということも考えられるとのことであったが、工期は9月6日からである。 夏休み期間中ほかの工事をおこなっているため、業者が入札に参加するための準備ができなかったということか。 |
そのとおりである。 夏休み期間中に施工している状況で、新たに入札手続きや積算をおこなう余裕が無い、また、当方の工期と工事の終期も重なり、新規の受注ができない状況だったのではと考えている。 |
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この地区のC等級の数は何社あるのか。 | 登録者数で356社ある。 | |||||||||||||||
塗装業者の団体、事業組合(業界団体)は存在するのか。 | そのような団体や組合は確認していない。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 3】
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抽出した案件については、平成22年度の第3回会議においても抽出しておりますが、その際には1者応札案件として審議している。 今回は1者応札が解消され複数での競争が成立しておりますので、長崎税関で1者応札解消のために取り組まれた内容について説明をお願いしたい。 |
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別記様式4のうち、監視艇「なんせい」上架整備工事、監視艇「さいかい」中間検査及び上架整備工事、監視艇「さいかい」主機関整備工事の予定価格算定方法はどのように行ったのか。 | 参考見積もりを2者から徴取し、平均価格を予定価格としている。 | |||||||||||||||
参考見積もりの徴取は、富永物産、T製作所の2者に依頼したのか。 | そのとおりである。 | |||||||||||||||
その時の価格はどのような状況か。 入札価格と同じような金額だったのか。 |
両者とも入札価格よりも高めの金額となっている。 両者から作業工賃と作業時間をヒアリングしており、T製作所は作業時間が多くなっているため高価になっている。 部品代についてはほぼ同額であった。 |
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入札状況調書をみると第2位の入札者の金額が予定価格の150%程の価格となっている。 実質的に競争が働いているか疑問を感じるが、2者の過去の入札状況はどうだったのか。 |
1位と2位がこれほど乖離していたのは本事案の入札だけである。 先日行った主機関の整備工事については、ほとんど差がない状況であった。 本事案については、作業費用の算定に誤り等があったのではないかと考えている。 |
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予定価格算定にあたって聞き取りを行った際にはどのように評価したのか。 | 作業費用の算定根拠となる作業時間に関しては、両者の平均値を採用すると予定価格が上がりすぎるため、本事案については、作業時間が少なく、過去に同様の整備作業の経験があり、作業工程等把握している富永物産分を採用した。 | |||||||||||||||
2者の作業時間はそれほど差がないがT製作所は工賃が非常に高いということか。 | 富永物産は作業人員を2名で算定しているが、T製作所は3〜4名で算定しているため、延作業時間が多くなっているようである。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 4】
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審議対象期間には、同種の封入業務が複数件発注されているが、抽出案件だけが1者応札となっている。 本案件が何故1者応札となっているのかその理由について説明をお願いしたい。 |
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説明の中で調査基準価格というものがあったが、調査基準価格とはどのようなものか。 | 低価格調査の対象となる基準価格のことです。 入札額がこの価格を下回った場合は、適正な履行ができるかどうかの調査を行います。 |
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説明の中にあったように、所得税の確定申告書等には、重要な個人情報が満載されており、個人情報流出のリスクを回避するために、封入・発送作業をログで管理するという国税局のスタンスは理解できた。 | ログを取得して封入業務を管理するようになって以降、個人情報の流出という事態は発生しておらず、今後も同様にログで個人情報を管理していく予定である。 | |||||||||||||||
今回1者応札となった背景には、ログを取得できる機械を保有していない業者がほとんどであるとのことであったが、封入機械は高額なものなのか。 | 正確には把握できていませんが、2千万円程はするようです。 | |||||||||||||||
年末調整の封入業務については、ログ取得を要件としていないが、これらの作業については手作業で行っているということか。 | 手作業で行っているものが多いと考えられる。 | |||||||||||||||
今回の入札に当たって、複雑な仕様書に対応できないという業者も多いが、仕様書はだれが作成しているのか。 | 国税局の担当部署で仕様書を作成しているが、個人情報保護法の規定や毎年行われる税法改正等の関係で、多種多様な書類を同封する必要があるため、年々複雑な仕様書となってきている。 | |||||||||||||||
他に個人情報保護の観点から、ログを取得して封入業務を行っている官庁はあるのか。 | 個人情報流出のリスクを回避するとの観点から、同様の仕様としている国税局はあるが、他の官庁については把握していない。 |
【委員会の審議結果】 | |
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今回の抽出案件については、各部局とも適法でかつ適正な調達であったことを委員会として確認した。 全体の調達状況を見ると、1者応札や随意契約は限定されており、特殊な検査機器や人間ドック、会場借り上げなど、特定なものに限定されたり或いは入札参加を募ることが困難なものだけが残っている印象である。 監視艇の整備については、以前から1者応札が多い分野であったが、1者応札が解消されるなど部局の取り組みを高く評価できる。 他に、今回1者応札として残っている案件についても、今後解消できる見込みのものが数件あり、各部局とも引き続き1者応札の解消に取り組んでいただきたい。 |
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(第一事案について) 予定価格は適切に算定されているものと思うが、入札結果を見ると、予定価格と比べ、全体として応札価格がかなり低額となっており、今後も予定価格の算定については、より適切なものとなるよう検討をしていただきたい。 また、工事の監理業務については、設計と監理を一体で発注する方が効率的となる面もあると考えられるので、本件のような案件については、設計と監理業務を一体で発注できないかということについて検討することも必要ではないかと思われる。 |
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(第2事案について) 状況から判断すれば、1者応札になったことは仕方ないが、1者応札ではなく競争が働いてもいい案件ではないかと思われる。 各地区には同業者の団体、協同組合や建設業の業界団体があることから、主体的にそういった団体を通じて調達情報を周知する事ができないか、調達情報の提供方法を更に検討すると良いと考られる。 |
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(第3事案について) 監視艇の整備工事については従来から1者応札が多い分野であるが解消が進んできている。 門司税関は部品交換の案件のみ1者応札であり、長崎税関は1者応札がなくなっており、この解消の状況については高く評価できる。 抽出事案については、積極的に業者への働きかけが行われて競争入札が成立していることで高く評価できるが、2者応札であるので今後も入札の競争時の状況を注視して調達を図っていただきたい。 |
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(第4事案について) 重要な個人情報の取扱いという業務の特殊性からみて、今回1者応札となったことについては十分に理解できた。 今後、ログを取得できる機械を保有する者が入札へ参加する見込みであるとのことであり、次年度以降、そのような業者が確実に入札へ参加するよう継続的な取り組みを行っていただきたい。 また、機械封入の単価の方が低価格であると思われることから、他の同種の封入業務にも積極的に参加するよう働きかけを行い、競争の拡大に努めていただきたい。 |