開催日及び場所 | 平成24年12月21日(金)福岡合同庁舎4階 福岡財務支局大会議室 | |||||||||||||||||
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委員 | 委員 屋宮 憲夫(福岡大学 法学部教授) 委員 林 桂一郎(西日本綜合法律事務所 弁護士) 委員 横山 研治(立命館アジア太平洋大学 国際経営学部長) |
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審議対象期間 | 平成24年7月1日(日)〜平成24年9月30日(日) | |||||||||||||||||
契約締結分の概要説明 | 審議対象期間に係る契約締結分及び契約実績状況調書の概要を説明 | |||||||||||||||||
抽出事案 | 4件 | (備考) | ||||||||||||||||
競争入札(公共工事) | 2件 |
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随意契約(公共工事) | -件 | - | ||||||||||||||||
競争入札(物品役務等) | 2件 |
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随意契約(物品役務等) | -件 | |||||||||||||||||
応札(応募)業者数1者 関連 |
-件 | |||||||||||||||||
委員からの意見・質問、それに対する回答等 | 別紙のとおり | |||||||||||||||||
委員会による意見の具申又は勧告の内容 | なし |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 1】
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建築工事であるが、落札率がかなり高めであり、入札状況や予定価格の算定方法について確認するために抽出した。 | ||||||||||||||||
1回目の入札で予定価格を下回る業者がいなくて、2回目で1社以外は辞退しているという状況であるが、予定価格の算定方法についてはどのように考えているか。 また、入札価格が業者間で大きな開きがあるが、これは何か要因が考えられるのか。 |
予定価格の算定については、積算基準に基づいて適切に算出している。 入札価格の開きの要因としては、施行箇所が広範囲にわたっていることに加え、入居者が居住している状態での改修工事であるため、入居者との日程調整等が必要となり、その種の工事に実績のある業者とそうでない業者で作業にかかる積算に差がでたのではないかと考えている。 |
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電子入札とはどういうやり方か。 また、電子入札は紙による入札と比べて、業者が安易に入札に参加するということはあるのか。 |
電子入札とは、電子入札システムへの参加登録をしているパソコン上で入札金額を入力するという方法である。 開札日に来庁する必要はないという利点はあるが、紙による入札と比べ、業者が安易に参加しているということはないと考えている。 |
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予定価格を算定するときの資料は、一般に公開、公表されているものなのか。 | 建設物価、積算資料等の刊行物は一般に公開されており、書店等で購入できる資料である。 | |||||||||||||||
公表された積算資料等に基づいてある程度工事費の算定ができるということであれば、業者によって工事費に大きな差はでないと考えられるが。 | 資材、人件費等の単価は、建設物価、積算資料等の刊行物に基づいて算定すれば大きな差はでないと思われるが、必要な作業員の人数等は、業者によってそれぞれ判断が違うので、そういう点で積算に差が生じると考えている。 | |||||||||||||||
2回目の入札に移るときの参加業者への情報提供は、1回目の最低入札価格のみか、業者名も提供するのか。 また、予定価格は公表するのか。 |
1回目の最低入札価格のみで、業者名は公表しない。 また、予定価格は公表しない。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 2】
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本件については、予定価格は高額であるが結果として低額で借り入れることができている。従来、同システムの借入については1者応札又は随意契約が多かったが、今回、競争入札が成立した状況、入札に参加した事業者数、応札価格の状況及び予定価格の算定方法について確認したい。 | ||||||||||||||||
業者ヒアリングについては何者から行ったのか。 | 機器等の物件費についてはA社等の2者から行ったが、人件費や重機レンタルといったもののヒアリングは1者から行った。 | |||||||||||||||
人件費の1者というのはどこか。 | A社である。 | |||||||||||||||
そうするとA社は比較的正確に予定価格が分かる立場にあるのか。 | 人件費等については、実際に現場で工事を行っていることから、正確な人日や工期については把握できる立場にあると思われる。 | |||||||||||||||
入札説明を受けた者の入札辞退理由に、既存設備を解析するための費用が高くかかるというものがあるが、既存設備はどこの設備なのか。 | A社である。 | |||||||||||||||
既設設備を設置したところが落としたということは、実質的な競争がなされていないのではないかということになるが、2者が応札したことだけでも進歩したと考えるべきなのか。 | 当方としてはそのように考えている。 | |||||||||||||||
今回埠頭監視カメラの入札案件は本件以外に2件、計3件あるが、本件ともう1件の落札率が同じであるのは単なる偶然か。 | 単なる偶然と思われる。 | |||||||||||||||
予定価格に対する落札率が低いということは、ヒアリングの時に業者が提示した価格がかなり高めだったということか。 | 埠頭監視カメラという特注品を製造する際に、どれだけコストを抑えられるかという意味では、企業努力で価格を下げていただいていると言えると思う。 あくまでヒアリングの段階では、製造に係る費用の目安として算出して頂いているので、価格が高めに設定されていると考えられる。 今回は2者応札となっており、競争原理が働いたものと思われる。 |
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予定価格の参考として業者が聞かれた場合は、実際の価格より高めに出すことは普通であろう。 そうなると予定価格と落札額にこの程度の乖離があることは致し方ないことなのか。 埠頭監視カメラのような特別なシステムの予定価格を、実勢を反映した計算方法で出すことが実質的に無理だということになれば独自で出す必要があるが、それも難しいであろう。 そうなると予定価格というのはあまり意味を成していないということになる。 これは皆さんの問題というより、制度の問題であると思われる。 |
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埠頭監視カメラの入札案件3件のうち、1件の落札率が他の2件と比べ10%程度高くなっている。原因は何が考えられるか。 | 特段、原因は思い当たらない。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 3】
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監視艇関係の工事等は特殊な案件であることから例年1者応札となっていたと思いますが、今回1者応札が解消されている点に着目して抽出しました。 長崎税関における1者応札解消策について説明していただきたいと思います。 |
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「なんせい」、「さいかい」、「ありあけ」とそれぞれ一般競争入札が行われているが、鹿児島県、熊本県、長崎県のドックが落札している。何かそれらの業者に有利だった点というのがあるのか。 | 「なんせい」は鹿児島港、「さいかい」は長崎港、「ありあけ」は八代港が船籍港となっている。 3艇とも地元に所在する業者が落札しているが、地の利ではないかと思われる。 |
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入札に参加しているA造船、B造船の会社の所在地はどこか。また等級はどうか。 | いずれも長崎市内の業者でC等級である。 | |||||||||||||||
今まで1者応札が続いていたのは何故か。 | 「さいかい」の上架整備工事については、今までも複数の業者が入札に参加していた。 1者応札が続いていたのは、定期検査の上架に際して実施する、主機関の整備工事である。 |
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主機関の整備工事について、今後の予想はどうか。 | 今回の対象期間中に『「さいかい」主機関インタークーラー交換』があったが、新たな応札者が参加したことにより1者応札は解消された。 | |||||||||||||||
落札率はどうだったか。 | 落札率は、85.3%であった。 | |||||||||||||||
これまでこのような案件は高い落札率であったのでかなり健全な数値になったと考えられる。 |
意見・質問 | 回答 | |||||||||||||||
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【事案 4】
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比較的高額な工事であるが、落札率が高い点などに着目し抽出した。入札に参加した業者の入札状況や予定価格の算定方法などについて説明していただき、適正な競争が確保されているかどうかを確認したいと思います。 | ||||||||||||||||
設計や積算を設計事務所に外注する場合は、入札となるのか。 | 今回の工事に関しては、随意契約で設計事務所に発注しております。 | |||||||||||||||
設計業務の入札の基準金額というのは決まっているのか。 | 設計業務の入札基準額は、予定価格で100万円超となっており、今回の案件は予定価格で100万円以下であったことから、随意契約で発注しております。 | |||||||||||||||
最低価格で入札したA社から、入札額の積算に誤りがあり辞退したいとの申し出は、いつどのように連絡があったのか。 | 調査基準価格を下回る入札額であったことから落札を保留とし、調査を行う旨の連絡を行った後、A社の代表者及び代理人が当局へ来局し、同社の見積額に主要な工事種目である既存庁舎の改修工事の積算が漏れていたことから、入札を辞退したい旨の申し出を行ったものである。 | |||||||||||||||
1回目の入札を不調とし、2回目の入札を執行したということであるが、1回目の入札を辞退した業者は2回目は辞退するという慣行があるのか。 あるいは、1回目の入札で間違って入札した業者は辞退するしかないのか。 |
1回目の入札で辞退した業者は、当然2回目の入札には参加できないこととなる。 また、今回のケースの様に、低価格で入札した業者の調査を行い、適正な履行能力がないと判断した場合は、発注側の権限で落札業者としないことがある。 |
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入札状況調書を見ると、1番札と2番札に相当額の開差が見られ、2番札から5番札までは余り開差が認められないような入札額であるが、不自然さは感じないか。 | 今回の落札業者は、高額案件であり是非落札したいとの強い意志の基、自己の協力業者を巻き込みギリギリの入札額を出しているものであり、他の参加業者との意気込みの違いが入札額に表れているものと考えている。 | |||||||||||||||
今回の工事は、既存庁舎の改修工事と別棟の新営工事という2件の工事をまとめて1件で発注しているが、1件の工事としてまとめた理由は何か。 | 工事期間、仮設の範囲、現場事務所の設置等複数の業者が現場に入った場合に混乱が生じる点と、重機等の調達や共通仮設費、現場管理費、一般管理費等の現場経費の面でコストを低く抑えることができるとの判断で、1件の工事としてまとめて発注したものである。 |
【委員会の審議結果】 | |
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今回の審議対象期間については、各部局とも適法かつ適正に調達の手続がなされていたことを確認させていただいた。 全体の調達状況と各案件について、意見を付させていただく。 全体の調達の状況について、一者応札や随意契約の件数が大きく減少しており、競争性の確保が十分に図られているということを確認させていただいた。 特に門司税関、長崎税関については従来1者入札であった案件が競争入札へ移行しており、全体の適正調達の推進に大きく寄与している。 1者入札の解消により、落札率、落札額とも従来に比較し低下する結果となっており、今後とも、競争性の確保が図られるよう注視していく必要がある。 |
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(第1事案について) 入札状況を見ると、落札した業者と他の業者の応札価格が大きく開いており、不自然な応札状況がないかという点について少し注意が必要ではないかと思われる。 また、これは財務局にかかわらず国の入札制度全体の問題であり、現在の制度では再度入札を行う際は最低入札価格を公表することになっているが、最低入札価格を公表しない方が応札業者が増え、競争が働く可能性があるということを認識しておくことも必要ではないかと考える。 |
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(第2事案について) 本件は従来から基本的に競争性のない分野であるにも関わらず、今回1者応札が解消されている。解消に向けて発注方法の工夫、業者への情報提供の仕方、仕様書の用件等について再検討され、改善が図られたようである。しかも、かなりの低価格で借入することができており、競争のメリットがうまく働き、高く評価できるのではないかと思われる。 ただ、今後の埠頭監視カメラの借入についても、同じように競争がうまく働くかどうか注視していく必要があり、そのためにも更に工夫を進めていくとよいのではないかと思われる。 |
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(第3事案について) 監視艇に関連する修理、整備工事に関しては1者応札が多い分野であったが、参加資格の拡大、応札業者の開拓、工事場所の拡大などの努力を払って1者応札の案件がなくなってきていることは高く評価できる。 門司税関でも同じような整備工事が行われており、予定価格の算定、実際の業者のコストについて両部局で情報交換をすると互いに参考になると思われる。 |
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(第4事案について) 入札額について、最終的な落札業者の額と次点の業者の入札額に開差が認められ、また、次点の業者とその他の業者の間にはあまり開差が認められないことから、その他の業者については、ただ単に入札に参加しただけということではないかと感じる部分がある。 また、今回の案件は1回目の入札で最低価格で入札した業者に対し、落札を保留し、低価格調査を実施する旨を知らせた後に辞退するという珍しいケースであるが、応札した業者に辞退せざるを得ない明らかな誤りがあったかどうかについては、慎重な検討が必要であると思われる。 辞退した業者の入札金額のコスト計算についてヒアリングを実施するなどして、今後、同様の案件が発生した場合の検討材料として活用していただきたい。 |