開催日及び場所 | 平成21年12月17日(木)福岡合同庁舎5階共用第4会議室 | |
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委員 | 委員 屋宮 憲夫(福岡大学 法学部教授) 委員 林 桂一郎(西日本綜合法律事務所 弁護士) 委員 横山 研治(立命館アジア太平洋大学 国際経営学部長) |
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審議対象期間 | 平成21年7月1日(水)〜平成21年9月30日(水) | |
契約締結分の概要説明 | 審議対象期間に係る契約締結分及び契約実績状況調書の概要を説明 | |
抽出事案 | 4件 | (備考) |
競争入札(公共工事) | 1件 |
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随意契約(公共工事) | -件 | − |
競争入札(物品役務等) | 3件 |
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随意契約(物品役務等) | -件 | − |
応札(応募)業者数1者関連 | 2件 | ※ 競争入札(物品役務等)の「デジタル無線装置借入」及び「埠頭監視カメラシステムの購入契約三式」 |
委員からの意見・質問、それに対する回答等 | 別紙のとおり | |
委員会による意見の具申又は勧告の内容 | なし |
意見・質問 | 回答 |
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【事案1】
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落札率が、公共工事にしては極めて低い点に着目して抽出した。 本件は、多数の応札があって入札価格に相当の開差があり、落札率が極めて低いことから一般競争入札の効果が現れていると思うが、いわゆる低価格入札で落札者が適正な利益を確保できていないことが想定されるが、その点をどう考えるか。 |
その点について落札業者の代表者に聴取したところでは、赤字にはなっておらず利益が出ているとの回答を受けているが、当局で細かく原価分析等を行って利益を確認しているわけではない。 低い価格で応札した理由については、材料の一括調達等によるコストの大幅な削減が可能であるためと聞いている。 |
本件の落札者は、他の入札案件にどの程度応札しているか、また、落札状況はどうか。 | 落札者は、平成20年度に当局が入札した公共工事のうち3件を落札しており、落札率はいずれも50%台となっているが、本件を含む4件のいずれについても、契約履行状況に問題はなく、竣工後も特に問題は発生していない。 なお、落札者の年間応札件数等は把握していないが、平成21年度は本件以外にも数件の工事について応札があったと記憶している。 |
本件と同時期に入札された「平戸税務署の外壁改修その他工事」の落札率は約80%となっているが、落札率が本件と大きく異なる点をどう考えるか。 | 理由の一つとして、工事内容が異なることが考えられる。工事の名称は同じ「外壁改修その他工事」であるが、平戸税務署の工事には、八女税務署の工事内容以外に外部建具の改修、外構の改修及び駐車場・駐輪場の改修が加わる。 また、工事業者にはそれぞれ専門分野、得意分野があること、工期等の関係で一部を自社で施工せず外注する場合があること等により、業者間で見積り金額に差が出ることが理由として考えられる。 |
本件の予定価格の算定は、どのようにして行ったのか。 | 本件規模の工事の場合、当局では設計及び工事費用の積算を設計会社に外部委託している。 予定価格のうち、直接工事費は設計会社が作成した積算資料に基づき、共通費は国土交通省建築工事積算基準に基づきそれぞれ算定し、その合計額を予定価格としている。 |
工事は、2〜3年の短期間で品質の良否を判断できるものではなく、5〜10年経過してみるとやや劣化が早かったなどという場合があり得ると考える。 したがって、予定価格と大きく乖離したような場合は、中長期的な観察が必要と考える。 |
意見・質問 | 回答 |
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【事案2】
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落札率がかなり低い点に着目して抽出した。 入札状況を見ると、各社とも予定価格に比べてかなり低い金額で応札しているが、何か高度な技術的要因の変化によって予定価格と入札金額とに乖離が生じることとなったのか。 |
今回の入札結果は当方の予想よりかなり低い金額で応札されたが、高度な技術的要因の変化等ではなく、応札業者における企業努力の結果ではないかと考えている。 なお、調達するシステムや機器類の予定価格については、専門性が高く一般的な価格が不明であるため、専門業者二社から見積りを取り、調達物品ごとに比較検討して実勢価格を算出したところである。 |
応札業者の企業努力とすれば、企業側にかなりの無理があるのではないか。 | 入退館システムは全国の合同庁舎で順次導入が進められていることから、応札した業者に、この事業に参入したいという意向が強く働いた結果、低い価格帯での競争になったのではないかと考えている。 なお、入札に参加した業者からは、自社が開発した入退館システムを各合同庁舎の仕様に合わせて設計し応札したと聞いている。 |
低い金額で落札した業者にはどのようなメリットが考えられるのか。例えば、本件で使用するICカードの発行や保守管理業務等との関係はどうなっているのか。 | ICカードの発行については全国の合同庁舎分を関東財務局が一括して入札を行っているため、本件落札業者にメリットはない。 保守管理業務の入札については将来のこととなるが、本件落札業者のみならず、他のシステム開発業者のほか、セキュリティゲートの製造業者にも入札参加の機会を広げられるよう、メンテナンスの周期や内容等を検討することとしている。 |
全国の合同庁舎で順次入札が実施されているとのことであったが、本件の予定価格の算定に当たり、先行する財務局と入札状況の情報交換を行い予定価格に反映させたようなことはあるか。 | 本件の予定価格を算定した時点では先行して入札を実施した他の財務局の落札状況が公表されていなかったため、予定価格に反映できる状況にはなかった。 なお、各合同庁舎の規模等によりそれぞれ仕様が異なることから、仮に先行局の落札状況が公表されていたとしても、それを参考として予定価格を設定することも難しいと思われる。 |
意見・質問 | 回答 |
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【事案3】
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一者応札で、落札率が極めて高い点に着目して抽出した。 競争する業者がなく極めて高率での落札というのは、予定価格が落札者に予想されていたのではないか。 |
予定価格が予想されていたなどということはないと考える。 理由として入札状況を説明すると、本件は4度の再入札を経て5度目の入札でようやく落札に至ったものであり、結果的に高い落札率とはなっているが、落札者の予想よりも厳しい予定価格であったためこのような入札状況になったと考えている。 |
一者入札となっているが、利用する周波数帯が特殊であるため、特定の業者しか入札に参加できなかったのではないか。 このような無線システムの場合、一般的に製造販売されている周波数帯の製品を使うことに問題があるのか。 |
利用する周波数帯自体は特殊ではなく、一般的に利用されている周波数帯であるが、市場に当該周波数帯を扱う製品の需要が少なく利益にならないため、製造業者又は取扱業者が他にいなかったのではないかと考えている。 なお、利用する周波数帯は総務大臣の免許により指定されるものであり、当関において自由に選択できるものではないことをご理解願いたい。 |
本件の更新以前に使用していた無線機の納入業者は、本件の落札者であるモトローラ株式会社と関係はあるか。 また、以前に使用していた製品と今回調達した製品との整合性や連続性による機種選択上の制約はあるか。 |
従来使用していた無線機は、調達当時に一般競争入札で別の業者が納入しており、本件の落札者との関係はない。 また、本件は当関で使用するすべての無線機を一斉に更新する調達案件であり、従来使用していた無線機との整合性や連続性はない。 |
一者入札の場合、落札率が高くなる傾向にあることを当委員会では従前から問題視しており、各部局には一者入札を回避するよう取り組んでもらっているが、本件はそのような取組はなされたのか。 | 本件調達はWTO(世界貿易機関)政府調達協定に該当することから、競争性・公平性・透明性を担保するため、仕様書案が競争性の阻害要因となっていないか事前に広く意見招請を実施、意見招請や入札説明を聞きに来た業者への聞取り、インターネットによる情報収集、昨年及び一昨年に同様の調達を行った他の税関と情報交換を実施する等、一者入札を回避するため可能な限りの取組は実施したところである。 しかしながら、落札者のほかに仕様に適合する製品を取り扱っている業者が見当たらなかったため、一者入札を回避できなかった。 |
入札説明会の参加者が他社の参加状況を見て、応札企業が自社だけと分かれば、初回の入札は高めの金額で応札し、少しずつ応札金額を下げていくことにより予定価格に近い金額で落札することが可能であるが、他社の参加状況が不明となれば、仮に一者入札であってもある程度安い金額で応札するものと思われる。 本件の説明会開催状況はどうであったか。 また、個別に説明を行っても、他社の参加状況は分かってしまうのか。 |
当関においては、原則として、入札説明は一堂に会して行う方法によらず、説明を聞きに来た者に対して個別に行うこととしており、本件においても、5社に対してすべて異なる日に説明を行っていることから、各企業がそれぞれ他社の参加状況を知ることはないと思われる。 なお、個別に説明を行った場合に他社の参加状況が分かるかとのご質問については、当関では承知していない。 |
意見・質問 | 回答 |
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【事案4】
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一者応札で落札率がかなり高い点に着目して抽出した。 入札説明会はどのように実施し、何社が参加したのか。 |
一堂に会する合同入札説明会方式ではなく、個別に入札説明を実施し、説明を聞きに来た業者は10社であった。 |
予定価格を積算するうえで業者に聞取り調査を実施したとのことであるが、入札説明を聞きに来た業者10社の中に聞取り調査を実施した業者は含まれているか。 | 工事費等の諸経費について、以前に同様の案件を調達した際の落札業者から聞取りを実施しており、その業者が10社の中に含まれている。 なお、カメラ等の機材についてはそれぞれメーカーから聞取りを行ったが、それらの企業は10社の中には含まれていない。 |
予定価格の積算資料を見ると、メーカー名及び機種名を掲げて積算しているものがあるが、調達機材を資料に掲げたメーカー、機種に限定したようなことはないか。 | 入札では、調達機材の製造メーカー、機種等は一切限定していない。 予定価格を積算する際、本件の仕様を満たす機材の価格の目安として、資料に掲げたメーカー、機種を参考にしている。 |
一者応札となった原因をどのように分析しているか。 | 入札説明は聞きに来たが入札参加を辞退した企業数社から聴取したところによると、一部の部材の調達に時間がかかるため納期が間に合わないという回答が多かったほか、当社の技術では無理とする回答もあった。 なお、本件は特殊な技術や特許を必要とするものではなく、ある程度の技術力を有する企業であればどこでもシステムを構築できる仕様としている。 |
今回の調達は3つの港の分であるが、新設か更新か。 また、更新であるとすれば落札者は前回調達した業者と同一か、前回の調達は何年前か。 |
3港のうち1港が新設で、2港は更新である。 更新した2港の監視カメラの前回調達先は本件落札業者と同一で、購入方式による調達であり、2港とも平成12年度に入札を実施している。 |
本件はリースではなく購入による調達となっているが、リースする場合と購入する場合とで、どちらが総支払額が少なくなるか等の検討はなされたか。 | 検討は行なっており、リースよりも購入のほうが安価であるとの結果が出ている。 なお、本件の予算については、平成21年度補正予算で購入契約分として配賦を受けたものである。 |
【委員会の審議結果】 | |
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全体の調達状況としては、一者入札は特定の業務契約に集中しており、件数自体は減少している。 入札に競争性が働いた案件の落札率は一者入札と比較して確実に低下しており、各部局とも一者入札を解消する努力を行っている点は評価しているので、今後とも引き続き努力願いたい。 また、各抽出事案については、入札、調達が適正に行われていることが確認できた。 それでは、委員会として審議・検討した結果を報告させていただく。 |
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事案1の八女税務署外壁改修その他工事については、落札率が相当低く、落札者の価格設定はコスト割れしている可能性があること、また、このような状況が続けば適正な市場競争原理を確保する上で問題があると考える。 福岡国税局では、工事費用の積算を設計会社に外部委託しているということなので、このような低落札率の工事案件については、コスト割れが生じていないか設計会社に外部委託して検証作業を行うなどしてみてはどうか。 また、工事の品質確保については、かなり長期的に品質の維持を検証していく必要があると考える。 |
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事案2の入退館システムについては、落札業者を含め、入札に参加した他の業者もかなり低い価格帯で応札していることから、今後、同様の案件の入札を実施する際は、予定価格の算定に当たり他局の入札状況等参考情報を広く活用するなど、市場価格の動向に留意していただきたい。 | |
事案3のデジタル無線装置借入については、総合評価方式の一般競争入札を実施しているが、一者しか応札がないと総合評価方式のメリットが発揮できないこととなる。 契約価格については、高落札率ではあるが割高になっているわけではないことが理解できた。 一者入札となった理由は、仕様に関する無線免許上の制約があり取扱業者が他になかったのであって、調達部局の取組だけで解消するのは無理な面もあるが、マーケットの大きな汎用品に適合するような仕様に変更できないか、変更できないのであれば、汎用品に少しの改良を加えるだけで済むようにできないか等、仕様自体が競争性を打ち消さないよう、全国的にも独占的な状況にあると思われるので改善策を考えていただきたい。 |
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事案4の埠頭監視カメラシステムの購入については、納期が間に合わない等の理由から一者入札となっているが、機器の耐用年数から更新時期はおおよそ想定できるはずであるから、今後はより早期に公告を行い、公告期間を長くするなど期間に余裕を持たせて、一者入札の解消を図っていただきたい。 また、本件は複雑かつ高度な監視カメラシステムであることから、品質及び契約方式を含めた提案型の総合評価方式による一般競争入札がより適していると考えられるので、今後、同様の調達を行う際は検討していただきたい。 |