納税者に、自発的かつ適正に申告・納税していただくためには、第一に納税の義務を理解していただくことが重要です。
 このため、国税庁では、納税者が適正に申告・納税が行えるよう納税の意義や税法の知識、手続についての情報提供や租税教室をはじめ、税務相談や税務手続における利便性の向上など、様々な納税者サービスの充実を図るために広報活動を行っています。
 具体的な広報活動としては、国税庁ホームページhttp://www.nta.go.jp/index.htm(平成22年度アクセス件数125,459千件)を中心に、テレビ、新聞などのマスメディア、税務署や市区町村に用意したパンフレットなどの各種広報媒体や各種の説明会を通じて、租税の意義や役割、税の仕組みなどの様々な情報を提供しています。
 また、国税庁では、税に関する一般的な質問・相談について、電話などで回答するほか、一般的な税法の解釈・取扱いについて国税庁ホームページなどを通じて情報提供しています。さらに、納税者が実際に行う取引に係る税法上の取扱いが不明な場合には、事前照会に応じるなど、納税者が適正な申告などを行えるよう取り組んでいます。

(1)ホームページによる情報提供

国税庁ホームページでは、申告・納税の手続などに関する情報を提供しており、誰もが容易に利用できるよう、利用者の目的に沿った案内機能の向上を図るとともに、文字拡大・音声読み上げ機能など視覚に障害のある方や高齢者の方の利便性にも配意しています。
 また、国税庁ホームページのトップページでは、知りたい情報へ容易にアクセスいただけるよう各種情報への入口を次のように設けています。

国税庁ホームページの概要の図
  • ※1 東日本大震災に関連する情報を開設しています。
  • ※2 国税庁ホームページのほか、無料動画共有サイト「YouTube」の「国税庁動画チャンネル」でも、国税庁の取組(各国税局や税務署における広報活動を含む。)や申告手続をサポートする情報などの動画を配信しています。

(2)租税教育

 国税庁では、租税教育は、基本的に学校教育の中で充実されるとともに、社会全体として取り組むべきものとの考え方の下、次代を担う児童・生徒等が、国の基本となる租税の意義や役割を正しく理解し、健全な納税者意識を養うことができるよう、租税教育の充実に向けた環境整備や支援に努めています。
 具体的には、各都道府県に設置された租税教育推進協議会(国、地方公共団体、教育関係者などで構成)を中心に、広く関係民間団体の協力を得て、学校からの要請に基づく税務職員の講師派遣や租税教育用副教材の作成・配付、作文募集のほか、学校の先生方を対象とした講習会などを行っています。
 また、国税庁ホームページに「税の学習コーナー」を設け、児童・生徒が自ら税について学習できるように、租税の意義、役割を分かりやすく解説したページを提供するとともに、楽しみながら税を学習できるようにクイズやゲームなどのコンテンツを用意しています。さらに、学校の先生をはじめ、租税教育を行う指導者の方が利用できるパワーポイントの「租税教育用教材」を提供しています。
 このほか、東京上野税務署内に租税教育用の施設「タックス☆スペースUENO」http://www.nta.go.jp/about/organization/tokyo/education/taiken/01.htmを設置しています。

【タックス☆スペースUENOの利用お申込み・お問い合わせ先】
東京上野税務署 税務広報広聴官 電話 03-3821-9001(内線361、362)

租税史料室による税知識の普及活動

 税務大学校和光校舎にある租税史料室は、日本の税に関する歴史的資料を展示した唯一の専門施設として数多くの所蔵史料を公開し、租税史研究に携わる専門家のみならず、中高生から社会人まで広く一般の方々にもご利用いただいています。
 また、専門のスタッフが、所蔵史料の歴史的考察や過去の租税制度の研究も行っています。
 なお、所蔵史料の解説など、詳しくは、国税庁ホームページの税務大学校コーナーhttp://www.nta.go.jp/ntc/index.htmをご覧ください。

(3)説明会

 国税庁は、税に関する手続や税制改正の内容などについて、納税者に理解を深めていただくため、全国の税務署において説明会を開催しています。
 具体的には、申告に必要な記帳や帳簿などの保存の必要性や、申告書や決算書の作成方法などを指導するための説明会、源泉徴収を行う義務のある企業等を対象とした年末調整説明会、改正税法に関する説明会、新設法人のための説明会など、税に関する情報提供を行うための様々な説明会を開催しています。

各種説明会の開催回数・参加人員 (平成21事務年度)
各種説明会
開催回数 22,866回
参加人員 1,092千人

(4)税務相談

 税務相談は、納税者が自ら正しい申告と納税が行えるよう、税に関する情報を提供したり、税務一般に関する質問に答えるもので、納税者サービスの一環として行っています。国税庁は、納税者の税に関する質問・相談に答えるため、国税局ごとに電話相談センターを設置し、一般的な電話相談について集中的に受け付けています。
 電話相談センターでは、税務全般について経験豊かな税務相談官を配置し、原則として税目別に対応しており、より質の高い回答を迅速に行うことにより、納税者の利便性の更なる向上が図られるよう努めています。
 なお、東京、名古屋、大阪の各国税局の電話相談センターには、外国人のための英語による税務相談に対応する税務相談官も配置しています。
 また、国税庁ホームページでは、よくある税の質問に対する一般的な回答を掲載した「タックスアンサー」にて情報提供を行っています(携帯サイトでも提供しています。)。
 一方、具体的に書類や事実関係を確認するなど、面接による相談が必要な場合には、所轄税務署において予約制で受け付けることにより、税務署における待ち時間の解消を図るなど、相談内容に応じた効果的・効率的な運営に努めています。

 電話相談センターの相談件数及びタックスアンサーへのアクセス件数

(単位:千件)
平成22年度 電話相談センターの相談件数 タックスアンサーへのアクセス件数
件数 5,039 40,760

(5)事前照会

 納税者が実際に行う取引に係る税法上の取扱いが不明な場合は、税務署や国税局で事前照会に応じています。このうち、文書による回答を求める旨の申出があった場合には、一定の要件の下に文書による回答を行うとともに、他の納税者の予測可能性の向上に役立つよう、その照会及び回答の内容を国税庁ホームページで公表しています。この文書回答手続について、事前照会者のより一層の利便性の向上を図る観点から、平成23年3月に、1おおむね1か月以内に、それまでの検討状況から見た文書回答の可能性及び処理の時期の見通し等について、事前照会者に口頭で示すこととするとともに、2事前照会者からの申出に相当の理由がある場合には、照会内容及び回答内容等の公表を延期できる期間を、最長1年以内(改正前180日以内)に延長する見直しを行いました。
 また、国税庁では、納税者からの照会などに対して口頭で回答した事例のうち、他の納税者の参考となるものを質疑応答事例として国税庁ホームページ上で公開し、税法等の適用等について予測可能性の一層の向上に努めています。

文書回答手続による事前照会の受付件数
年度 平成21年度 平成22年度
受付件数 146件 150件
質疑応答事例のホームページへの掲載件数
年度 平成21年度 平成22年度
掲載件数 1,631件 1,678件
(注) 各会計年度末における掲載件数です。