(2)納税者サービス2

 平成16年分(2004年分)の所得税の確定申告を行った申告者数は2,167万人となり、国民の6人に1人が確定申告を行っていることになります。特に、還付申告者数は、1,000万人を超え、確定申告の半数以上を占めています。
 国税庁は、所得税の申告者数の増加、多様化に対応して、納税者の満足度を高めるため、申告に関連するコストをできるだけ小さくするとともに、従来にない良質なサービスを提供するように工夫しています。

●自書申告の推進

 自書申告とは、納税者が自ら申告書を記入、作成して税務署に提出することです。申告納税制度の原則からいっても、納税者が税の仕組みを理解し、自ら納税することは非常に重要であり、申告相談などの際にも自書申告をすすめています。自書申告を一層定着させるため、平成13年分(2001年分)の確定申告から申告書の様式を全面的に改訂し、記載事項を簡素化しました。
 今後、確定申告の件数が一層増加することが見込まれていますが、より多くの納税者が自発的かつ適正に確定申告を行えるよう、e-Taxの導入や国税庁ホームページ上の確定申告書等作成コーナーの開設、タッチパネルの活用等、自書申告を容易にするためのさまざまな工夫を積極的に行い、申告相談の必要な納税者には、より満足度を高めていただけるよう努めるとともに、限られた定員で申告事務を効率的に処理し、徴税コストを抑制することは重要なことであると考えています。

●e-Tax

 平成16年分(2004年分)の確定申告期は、e-Tax(電子申告・納税システム)の全国拡大後初めての確定申告期であり、多くの納税者が集中的に利用される時期でもあることから、納税者の信頼を得られるようシステムの安全性について最善の策を実施しました。また、利用者から要望の多かった受付時間の拡大については、平日は、通常期よりも終了時間を2時間延長し、午前9時から午後11時までとし、更に、日曜日にも受け付ける(午前9時から午後9時まで)こととしました(「3.(2) ● e-Tax」参照)。

●確定申告書等作成コーナー

 前述の「確定申告書等作成コーナー」は、平成16年分(2004年分)の確定申告期には、納税者から寄せられたご意見やご要望を受けて、消費税確定申告書や青色申告決算書等の作成機能の拡充を図りました(「3.(2) ●確定申告書等作成コーナー」参照)。

●タッチパネル

 税務署に設置しているタッチパネル方式による自動申告書作成機は、e-Taxや確定申告書等作成コーナーをご利用にならない方でも、銀行のATMのように画面上の表示に従ってパネルに触れていけば、簡単に申告書が作成できるものです。タッチパネルの計算機能を利用すれば、所得や税額の計算方法が分からない方でも、簡単に申告書を作成することができます。タッチパネルは、今や税務署における自書申告の中心的な手段となっており、相談窓口の混雑緩和を含め、納税者サービスの向上につながっています。
 タッチパネルは、平成10年分(1998年分)の確定申告期から導入し、初年度は全国に設置した1,260台のタッチパネルで42万件の申告書が作成されました。平成16年分(2004年分)の確定申告期の設置台数は4,756台であり、申告書の作成件数は407万件(申告書全体の約2割)に達しています。

図8 タッチパネル利用件数の推移
タッチパネル利用件数の推移のグラフ

●閉庁日における申告相談の実施

「申告相談が平日だけでの対応では困る、閉庁日にも対応してほしい」という納税者からの声を受けて、平成15年分(2003年分)の確定申告期において、確定申告期としては初めて、2月の日曜日に2回、確定申告の相談・申告書の受付などを行いました。
 平成16年分(2004年分)の確定申告期においては、前回の実績等も踏まえて、実施する署の見直し等を行い、平成17年(2005年)2月の日曜日に2回、全国211署、3合同会場、2広域申告相談センターにおいて、確定申告の相談・申告書の受付などを行いました。
 今回の2日間のアンケートの結果、サラリーマンを中心に医療費控除、住宅ローン控除などの相談が多く、利用された納税者からは好意的な声を寄せていただき、高い評価を受けています。
 今後の対応については、平成16年分(2004年分)の実績を十分検討して、平成17年分(2005年分)の確定申告までに公表したいと考えています。

図9 閉庁日における申告相談の状況(アンケート結果)

回答数 61,285件

  1. 1. 職業
    職業別比率のグラフ
  2. 2. 申告相談の内容(複数回答可)
    申告相談の内容(複数回答可)のグラフ
  3. 3.日曜日に来署した理由
    日曜日に来署した理由のグラフ
  4. 4..閉庁日の申告相談の実施について
    閉庁日の申告相談の実施についてのグラフ
  5. 5..来年の実施(2回と仮定)について、どの組合せが便利か
    どの組合せが便利かの回答のグラフ

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