国税庁は、昭和24年6月1日に発足して以来、令和元年で満70年を迎えました。
 この間、我が国の税務行政は、社会、経済情勢の変化に対応するとともに、様々な課題を克服し、今日のような安定と充実をみることができました。
 特に昨今の税務行政を取り巻く環境は、経済社会のICT化やグローバル化により急速に変化しております。
 こうした変化の激しい時代に、引き続き、「納税者の自発的な納税義務の履行を適正かつ円滑に実現する」という国税庁の使命を果たしていくため、事務の集中処理などの業務改革を推進するとともに、ICTやマイナンバーなどを積極的に活用して納税者利便を一層向上させ、より便利に、よりスムーズに納税者の皆様が自ら正しい申告と納税が行える環境の整備に的確かつ迅速に対応していく必要があります。同時に、適正・公平な課税と徴収の実現への取組の面では、多くの納税者に公平と感じていただけるよう、納税者の皆様の権利・利益の保護を図りつつ、大口・悪質な事案には組織的に厳正な対応を行うほか、納税者の自発的な納税義務の履行を促す取組を促進し、より良い税務行政の確立に努めてまいります。
 この「国税庁70年史」は、国税庁開庁70周年を記念して、編纂したものです。我が国の財政経済の安定と発展に大きな役割を担うべき税務行政の今後の在り方を考えていただく一助となれば幸いです。

令和2年6月

国税庁長官 星野次彦