○ 税理士試験の受験資格の見直し【平成20年検討・結論、21年以降措置】
税理士試験の受験資格については、受験資格が学歴等で差別されないような仕組みが十分担保されているか否かについて速やかに検討を行い、結論を得る。
○ 税理士試験の目的(税理士法第6条)
税理士となるのに必要な学識及びその応用能力を有するかどうかの判定
○ 受験資格を設けている意義
税理士業務を行うためには、専門的な学識や応用能力のみならず、一定レベルの教育又は一定の実務経験を通じて備えられる税理士業務に関連する基礎的学識又は技能も必要
税理士試験の受験資格は、次の点から学歴等で差別されないような仕組みが十分担保されていると認められる。
○ 職歴や資格など学歴不要の要件を数多く規定(税理士法第5条)
→いずれか一つの要件に該当すれば受験資格を有する
○ 受験資格のない試験の合格も受験資格の一つ
→簿記検定試験など「受験資格のない試験の合格」も受験資格の一つ
○ 大学卒であっても、税理士業務と関連のある「法律学又は経済学を修めていること」が必要
→単なる学歴のみに偏重したものではない。
学歴不問の受験資格による受験者は、全体の21.0%に上る。
税理士試験の受験者の学歴別割合は、一般の大学進学率等と比較して、やや高学歴
→税理士試験は高度な専門的知識が求められる職業に関する資格試験であるため、高学歴者が受験する傾向にある。
大学卒であっても、受験資格としては税理士業務と関連のある「法律学又は経済学を修めていること」が必要であることから、現行の受験資格は単なる学歴のみに偏重したものではない。
→大学卒等の受験者の割合は91.3%(図4)であるが、学歴資格による受験者は77.9%(図1)
受験資格に関する予備知識のない者に対する周知をこれまで以上に充実させるため、新たに、国税庁ホームページの税理士試験コーナーに、受験資格のポイントを集約した「受験資格の概要」を掲載する。
○ 税理士試験における受験資格の概要(根拠法:税理士法第5条)
次の要件のいずれか一つに該当すれば、税理士試験の受験資格を有することとなる。
<学識>
<資格等>
<職歴>
次に掲げる事務又は業務のいずれかに3年以上従事した者
<認定>
受験資格 | 受験者数 | |||
---|---|---|---|---|
計 | 構成比 | |||
学歴資格 | 大学等を卒業又は修了 | 39,431人 | 40,408人 | 77.9% |
専修学校の専門課程を卒業 | 977人 | |||
学歴不問 資格 |
日商簿記1級合格 | 5,634人 | 10,881人 | 21.0% |
全経簿記上級合格 | 1,927人 | |||
公認会計士短答式試験合格(会計士補を含む) | 172人 | |||
税理士等補助事務従事3年以上 | 2,035人 | |||
経理事務従事3年以上 | 895人 | |||
その他職歴・資格 | 218人 | |||
分類不能 | 受験資格認定者 | 574人 | 574人 | 1.1% |
合計 | 51,863人 | 100.0% |
(注) 本表は、平成20年度(第58回)税理士試験における受験者数の状況を示す。
学歴区分 | 受験者数 | 合格者数等 | 合格率 | ||
---|---|---|---|---|---|
合格者数 | 一部科目 合格者数 |
合計 | |||
大学卒 | 38,113人 | 782人 | 5,932人 | 6,714人 | 17.6% |
大学在学中 | 2,780人 | 0人 | 561人 | 561人 | 20.2% |
短大(旧高専)卒 | 2,031人 | 38人 | 224人 | 262人 | 12.9% |
専修学校卒 | 4,425人 | 78人 | 630人 | 708人 | 16.0% |
高校卒 | 3,640人 | 58人 | 591人 | 649人 | 17.8% |
その他 | 874人 | 8人 | 274人 | 282人 | 32.3% |
合計 | 51,863人 | 964人 | 8,212人 | 9,176人 | 17.7% |
(注) 平成20年度(第58回)税理士試験における受験申込時の出願者の申告による。
試験名称 | 受験者数 | 備考 | |
---|---|---|---|
うち高校卒(割合) | |||
公認会計士(短答式) | 16,217人 | 1,262人(7.8%) | (注1、2) |
弁理士(短答式) | 9,679人 | 115人(1.2%) | (注3、4) |
(注1) 出典:「平成20年公認会計士試験短答式試験合格者調」
(公認会計士監査審査会ホームページより)
(注2) 短答式試験免除者の人数は含まない。
(注3) 出典:「平成20年度弁理士試験短答受験者統計」(特許庁 ホームページより)
(注4) 「高校卒」欄には、中学卒6名を含む。
学歴区分 | 受験者数 | 構成比 | |
---|---|---|---|
大学卒 | 38,113人 | 73.5% | 91.3% |
大学在学中 | 2,780人 | 5.4% | |
短大(旧高専)卒 | 2,031人 | 3.9% | |
専修学校卒 | 4,425人 | 8.5% | |
高校卒 | 3,640人 | 7.0% | |
その他 | 874人 | 1.7% | |
合計 | 51,863人 | 100.0% |
(注) 平成20年度(第58回)税理士試験における受験申込時の出願者の申告による。
区分 | 人数 | 構成比 | |
---|---|---|---|
総数 | 1,088千人 | 100.0% | |
内 就職者数 | 218千人 | 20.0% | |
内 専修学校等進学者数 | 241千人 | 22.2% | 75.0% |
内 大学等進学者数 | 575千人 | 52.8% | |
内 その他 | 54千人 | 5.0% |
(注) 出典:「平成20年度学校基本調査速報」(文部科学省ホームページより)
なお、中学卒業者の高校等への進学率は約98.2%である。