日時: 平成31年3月13日 14時55分から15時7分
場所: 国税庁第一会議室
出席者: 国税審査分科会委員 田近会長 山田会長代理
遠藤委員 神津委員
佐藤委員 手島委員
中空委員 中村委員
吉村委員
説明者 国税庁 藤井国税庁長官
並木国税庁次長
武藤審議官
吉井審議官
重藤課税部長
山崎徴収部長
後藤調査査察部長
星屋総務課長
堀内人事課長
杉山酒税課長
櫻井国税企画官
国税不服審判所 脇国税不服審判所長
片山国税不服審判所次長
総務課長
それでは、ただいまより第12回国税審査分科会を開催いたします。後ほど分科会長をお決めいただくまでの間、私が進行役を務めさせていただきます。
国税審査分科会に所属しておられます委員の方々を五十音順に紹介させていただきます。
石田委員。
遠藤委員。
神津委員。
佐藤委員。
田近委員。
手島委員。
中空委員。
中村委員。
山田委員。
吉村委員の10名でございます。
本日は、石田委員が御欠席でございますが、委員の過半数の方々が御出席でございますので、国税審議会令第8条第1項及び第3項の規定に基づきまして、本会は有効に成立しております。
それでは、国税審査分科会委員の皆様方で、国税審査分科会長の選任をお願いしたいと思います。国税審議会令第6条4項によりまして、分科会長は委員の皆様の互選により選任していただくことになっております。どなたか御推薦等ございますでしょうか。
吉村委員
発言よろしいでしょうか。
総務課長
吉村委員。
吉村委員
田近委員がやはり知見及び経験豊かでありまして、是非この分科会の会長として活動していただければありがたいと思いますので、是非田近委員を強く推薦させていただきたいと存じます。
総務課長
ただいま田近委員を分科会長にという御意見がありました。田近委員に分科会長をお願いすることでよろしいでしょうか。
(「異議なし」の声あり)
総務課長
ありがとうございます。
それでは、田近分科会長から一言御挨拶していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
田近会長
御推薦ありがとうございました。それでは、引き続き分科会長を務めさせていただきたいと思います。
皆さんの御意見をしっかり承りながら進めていきたいと思います。
それでは、国税審議会令第6条第6項により、分科会長は当該分科会に属する委員のうちから、その職務を代理する委員をあらかじめ指名することになっておりますので、分科会長代理の指名を行いたいと思います。
山田委員にお願いしたいと思いますけれども、山田さん、お願いできますか。
山田会長代理
はい。
田近会長
即答、ありがとうございます。
そういうことで、私と山田さんとで進めさせていただくということでお願いします。
続きまして、国税不服審判所の概要等に入らせていただきます。
では、国税不服審判所、片山次長から御説明をお願いいたします。
片山次長
では、私のほうからお手元の資料、タブレット37ページ以降の資料に従いまして、国税不服審判所の概要と現状について、簡単に御説明させていただきます。
まず、タブレットの38ページを御覧いただきますと、国税不服審判所の概要が書いてございます。一番上のところですが、国税不服審判所は、国税に関する法律に基づく処分についての審査請求に対する裁決を行う機関ということで、国税庁長官の持つ権限から裁決権を分離独立させて、公正な第三者的機関として位置づけられている機関でございます。国家行政組織法第8条の3の特別の機関に位置づけられています。
続きまして、国税不服審判所の役割ですが、2つございまして、そこに書いてございますとおり、納税者の正当な権利利益の救済を図ることと、税務行政の適正な運営の確保に資することを使命としております。
「適正かつ迅速な事件処理を通じて」ということにつきましては、適正だけではなくて、この迅速にも力が入っているというところがポイントでございます。
それから、国税に関する処分については、不服申立前置主義を採っています。課税処分等に不服がある場合は、いきなり訴訟には持っていけませんので、必ず国税不服審判所への審査請求を経なければいけないというところがポイントでございます。
国税不服審判所の組織ですが、本部のほかに全国の主要都市に12の支部がございます。それから、横浜や神戸や京都などに7つの支所がございまして、全部で職員数480人程度の組織になっております。
次のページ、39ページを御覧いただきますと、国税不服審判所の特色が書いてございます。
第一の特色は簡易迅速な権利救済手続ということなんですが、それ以外の点がここに書いていまして、ざっと見ていきますと、2つ目の公正な審理というところでは、3名の合議体で審議をするような形になっています。
次に、3つ目について、裁決は、行政部内の最終判断ということで、一部取消しとか全部取消しの裁決を行った場合、行政庁は訴訟を提起できず、行政庁に対する拘束力があるということです。
一方、審査請求人は裁決後の処分になお不服がある場合には、訴訟を提起できます。また、不利益変更の禁止ということを、最終判断のところに書いています。審査請求をすることによって不利益に処分が変更されることはありません、ということです。
それから、一番下のところ、国税庁長官通達に拘束されないということで、国税庁長官通達に示された法令解釈と異なる解釈を採った裁決をすることが、一定の手続を採ることによってできるということです。審判所長から国税庁長官に対する通知は過去に9件行っております。ただ、国税庁長官のほうで納得いただいているということで、国税審議会に諮るまでは至っていないというのが現状でございます。
それから、次の40ページでございます。この一番上の国税不服申立制度の円滑な運用のところですが、約3年前の28年4月から改正国税不服申立制度が施行されています。これは50年ぶりの行政不服審査制度全般の抜本的改正がございまして、それに合わせて国税不服申立制度も改正され、公正性の向上、国民の使いやすさの向上の観点から見直しがされました。
ポイントとしては、先ほど申し上げました不服申立前置主義について、従来二重前置ということで、まずは、税務署、国税局に異議申立てをした後に審査請求をして、その上でなければ訴訟できないということになっていたのですが、この見直しによって、直接全ての処分について審査請求を国税不服審判所に対してできるということになったことが最大のポイントでございます。
現在、その定着に向けた取組を行っているところですが、審査請求及び処理の状況の項目の表を見ていただきますと、この制度改正があった28年度以降、審査請求の発生件数は増加傾向にございまして、28年度、29年度と2割ずつ増加しております。
これは、全ての処分について直接審査請求ができるということになりましたので、直接審査請求の件数が増えまして、かつて27年度は直接審査請求の割合が2割しかなかったんですが、それが29年度には約7割になっていまして、こういったことが影響しているということでございます。
下の棒グラフを見ていただきますと、最近の発生件数の伸びがお分かりになるかと思います。
それから、次の41ページのグラフですが、これは審査請求処理の状況、全部認容とか一部認容がどれぐらいあるかを示したものです。折れ線のグラフがこれらの認容率を表しておりまして、全部認容・一部認容を合わせたものですが、制度改正以降の28年度、29年度は、やや認容割合が上がっているという状況にございます。
それから、41ページの下段ですが、実績評価の目標でございます。これは、やはり簡易迅速な権利救済手続ということですので、実績評価の目標としましては、1年以内の処理件数割合、これを近年は95%以上という目標を立てて取り組んでおり、28年度、29年度と過去2年連続95%以上の目標値を達成しています。30年度につきましても、現時点におきましてはこの目標を達成できそうな状況になっております。29年度の99.2%は過去最高でございます。
それから、最後の42ページですが、国税審判官への民間専門家の登用ということで、これは審理の中立性・公正性を向上させる観点から、平成19年から弁護士、税理士、公認会計士などの民間専門家を国税審判官として登用しています。
平成22年12月当時、民間専門家等の高度な専門的知識や実務経験をもっと活用すべきだという動きがございましたので、国税審判官への外部登用の方針と工程表というものを発表しまして、毎年15名程度を特定任期付職員として採用して平成25年までに50名程度を民間から任用するという方針を出しまして、現在、それに従って運用していまして、毎年15名程度ずつ入れ替わって、50人程度民間の専門家がいるという形になっています。審査請求事件の調査・審理は3名の合議体で行っておりますが、事件を担当する国税審判官の半数程度に民間専門家を登用している状況でございます。
それから、一番下ですが、審判所ホームページの紹介を若干させていただきますと、右の吹き出しに、「裁決要旨の検索」と書いていますが、この裁決要旨については、国税不服審判所が行った平成8年7月以降の裁決全件について、その裁決要旨の検索ができるようになっています。また、「公表裁決事例」と書いていますが、これは原則として取消裁決は全て全文公表することにしていまして、それらもホームページで検索ができるようになっています。それから、特定任期付職員に関する情報ということで、特定任期付職員のコラムなども見れるようになっているということでございます。
説明は以上ですが、国税不服審判所は、御案内のとおり昭和45年5月に設立され、来年5月1日に50周年を迎えることになっています。引き続き、それに向けて広報活動を続けるとともに、適正・迅速な事件処理を推進していく所存でございますので、よろしくお願いしたいと思います。
田近会長
ありがとうございました。
本日の議事要旨及び議事録の公開につきましては、国税審査分科会議議事規則第2条に則りまして、国税審議会と同じ扱いとさせていただきたいと思います。
以上をもちまして、第12回の国税審査分科会を終了させていただきます。本日は、どうもありがとうございました。

―― 了 ――