1. 日時

平成16年2月19日(木) 10時30分〜12時12分

2. 場所

国税庁第一会議室

3. 議題 

  1. (1) 酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の改正
  2. (2) 各分科会の活動状況の報告
  3. (3) 税務行政の動き
    • ・ 平成15年分確定申告に向けた取組
    • ・ 最近の国際会議における主な議論
    • ・ 国税の広報について

4. 議事経過

  1. (1) 事務局から、酒税の保全及び酒類業組合等に関する法律の改正について説明があり、おおむね以下のような内容の質疑応答があった。
    • ○ 重要基準の根拠となっている表示基準というのは、どのようなものか。
      • → 「清酒の製法品質表示基準」、「酒類における有機等の表示基準」、「未成年者の飲酒防止に関する表示基準」及び「地理的表示に関する表示基準」である。
  2. (2) 国税審査分科会、税理士分科会、酒類分科会の各分科会長から、この1年間の分科会の活動状況について報告があり、おおむね以下のような内容の質疑応答があった。
    • ○ 平成15年度の税理士試験の簿記論及び財務諸表論の科目別の合格率が例年に比べて高かったが、原因は何か。
      • → 従来から試験問題の分量が多い、あるいは内容が非常に高度だとの意見が多かったことから、税理士の能力が判断できる適正なものにしようとした結果であると思われる。
    • ○ 税理士の試験科目について、会計学の簿記論と財務諸表論を一つにまとめる、あるいは民法・商法を加えるといった見直しをしてはどうか。
      • → 今後の課題として検討する。
    • ○ 国税不服審判所に法科大学院の卒業者を採用する仕組みはできないか。
      • → 国税庁は、採用試験により職員を採用しており、採用試験によらない場合には、中途採用扱いになる。
         国税不服審判所の職員に必要な能力としては、リーガルマインド、税法等の知識及び調査能力が挙げられるが、調査能力が重要である。
         また、要所要所には裁判官や検事の方に出向いただいており、大部分の審判官は、事実認定、言い換えれば税務調査のようなことを行っている。
         体系的に法科大学院から採用することは困難であるが、実際に能力を満たしている人がいれば、検討させていただくことになる。
    • ○ 税務大学校研究科の修士課程への派遣期間を延ばし、公共政策大学院の修士号を取れるようにできないか。
      • → 従来の研修制度では、大学院に派遣し、1年余りで修士をとらせており、2年間研修させるコースはなかった。予算も限られているが、今後、職員教育をどのように行うべきかを検討したい。
  3. (3) 事務局から、税務行政の動きについて説明があり、おおむね以下のような内容の質疑応答があった。
    • ○ OB税理士の調査はどういう方針で行われているのか。
      • → 国税当局は、高額・悪質を重点に課税上の問題があると認められる場合には、的確に税務調査を行っており、税理士についてもOB・非OBにかかわらず同様に調査を実施している。
    • ○ 元札幌国税局長の脱税について、4年間所轄する税務署が放置していたのではないか。
      • → 本件については、すぐに見つからなかったという指摘はそうかもしれないが、国税当局においてきちんと税務調査を行い、検察庁に告発した。
    • ○ 国税局査察部OBの税理士が査察事案に関与していることがあるが、この点について、行政はどのような指導をしているのか。
      • → OB税理士が、民間人になった後で各人の自由な営業活動により、例えば査察が行われたような企業側のニーズにこたえて、その顧問税理士になることについては、これがあくまでもOB税理士自身の営業活動によるものである以上、国税当局として何らかの指導をすることはできない。
         ただし、脱税共犯等であれば、税理士法上の処分がある。
    • ○ 一民間人であるOB税理士がどこを顧問先に選ぶかということについては、国税庁の関与しないところであるという説明と、人事課が顧問先の紹介をしていることとは、論理が合わないのではないか。
      • → 退職勧奨の一環として人事課が行っている顧問先のあっせんは、退職時のことであり、退職してから数年経過した後は、民間人である方が何をされるかについて当局は関与できない。
    • ○ OB税理士が査察事案等の脱税事案の顧問税理士であることによって、一般国民から税務調査について手心が加えられているのではないかとの疑問が出ている。今のままでいくと、国税職員の税理士資格の取得制度を廃止しろということになるのではないか。国税庁としても何らかの対策を考えていく必要があるということを指摘しておきたい。
    • ○ 最近、国税庁の税理士に関する懲罰が非常に厳しくなっているのは、そういうことを反映しているのではないか。元札幌国税局長の件については、以前、本審議会において、国税庁から、厳正に考えたいという話があった。
      • → 国際会議の場において、我が国の職員が長期間勤務し、プロとして養成されていることについて、各国からうらやましがられている。また、職員を中途採用し成果等で評価して給与を支払うアメリカの方式に対しては、納税者から問題提起がされている。我が国の職員が長期間勤務する理由の一つとして、勧奨退職した職員が、退職してすぐに生活の心配をすることなく、税理士として成り立つようにしていることで、職員がきちっと一生プロとしてやれるということもあると考えている。ただ、問題がなかったわけではないので、顧問先のあっせんについては、疑惑を招かないよう、現場の副署長等による接触を廃止し、人事担当者が一元的に企業側のニーズを確認する方法に変えた。

(注)

  1. 1 ○は委員の意見又は質問であり、→はそれに対する回答である。
  2. 2 本議事要旨は、事務局において取りまとめたものであり、今後字句等の修正があり得る。