寺内酒税課長
 今、事務局から説明させていただきましたが、いろいろなファ クトについてメモをしていただいたりして、大変お手数をおかけし恐縮でございましたが、次回以降、きちっと資料の形でそろえまして、それぞれの、今の外国の問題も含め、いろいろな動きについての話、あるいは規制緩和の状況、あるいは法改正の話等々、お手を煩わせないようにしっかりとした形で説明をさせていただきます。今日は、再開の背景の趣旨説明ということで、事実関係を簡単に説明させていただいたという位置付けでございます。

初谷課長補佐
以上、これまでの経緯と再開の趣旨等を事務局から説明させて いただきました。
 次に、当懇談会の公開につきまして説明いたしたいと思います。当懇談会は、行政運営上の意見交換、懇談等の場として位置付けられるものですが、審議会等の公開に係る措置に準ずることとされておりまして、まず、メンバーの方の氏名等につきましては、この会合の終了後、お手元の記者発表資料、先ほど説明した「酒類販売業等に関する懇談会の開催について」と書かれた資料を公開いたします。
 それから、議事要旨につきましては、後ほど座長に御相談した上で、国税庁のホームページで公表するということといたします。
 また、議事録については、公表の前に皆様、先生方の御発言内容に誤りがないかどうかを御確認いただいて、その上で国税庁のホームページ上に掲載したいというふうに考えております。どうか御了承いただければと思います。
 それでは、ここで奥村座長に司会進行をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。

奥村座長
1時間ぐらいずっと聞き放しでお疲れのことだと思います。あと30分ぐらいいただいていますし、今日、せっかく御出席いただいているので、これからの検討の進め方について、それぞれの委員の方からぜひコメント等を賜りたいと思いますので、私の挨拶はごく短く終わらせていただきます。
 今回、懇談会を再開するに当たりましてまた座長を仰せつかりました。よろしくお願い申し上げます。先生方の貴重なお時間に値する審議の内容にしていかないと大変申しわけないと思いまして、初め検討項目のようなものをお伺いしましたところ、前回おなじみの検討項目がかなり多いので、また重複してしまうという不安があったんですけれども、今、村上次長以下、お話を承りまして、物事は川の水のごとく動いておりますし、昨日、西田哲学の西田幾多郎先生の業績を振り返るビデオをずっと見ていましたところ、西田先生も現実の事象にかかわらないことを幾ら分析しても学問とは言えないという姿勢で西田哲学を構築なさったようでして、私どもも審議した結果が現実の政策のアクションに結実してきているし、しかし、その場は毎日刻々と変わっておりますので、御紹介いただきました検討事項で再開することも意味があるかなと今は思っているところです。
 ただ、ちょっとかじ取りを誤りますと、また同じような議論を抽象的にやってしまう怖れがありますので、次の4つのことについて皆様方の御見解を本日承らせていただきたいと思います。
 まず1つは検討の中身なんですが、前回、少し上っ面をなでたようなところをもう少し深く掘り下げてやっていくことかなという、検討する内容の点です。
 それから、2番目は、検討に当たりまして、私どもができるところと専門的な知識、業績等をお持ちの新しい委員の方々を追加していただかないと、検討を深めていくことはちょっと難しいかなという点がございます。
 3番目ですが、前回ヒアリングをさせていただいたのは酒類業界の方とか行政関係の方だったので、それ以外の御関係の方々、有識者の方々からのヒアリングということも織り交ぜていく必要があるかなという点です。
 それから、4番目ですが、業界の方から国際的整合性の確保という要望で日本のシステムについての御見解が出されているようです。「国際的整合性」というところは、この酒類販売に関してどういう意味合いを持ってくるのか、これは私のやっている金融でしたならば、お金は24時間世界を自由に動いているので、国際的に整合性のとれたプレイの仕方をしないと全く話にならないのですが、酒類販売のところで国際的整合性というのはどういうことになるかなというところはありますが、しかし、何でも見てみなきゃわからないので、やっぱりこういう懇談会にかかわっておられる方々が海外の現地を訪問して、それで現状の規制とか行政とか、どういう産業組織の中で行われているのかということを実地調査するといったようなこともやってみたらどうかという点です。
 今、4つのポイント、ちょっと繰り返しますと、1つは、検討の内容を深められるかどうかというところですね。それから、2番目は、私どもがカバーし切れない分野については、メンバーを新たに追加しなければいけないということ。3番目は、ヒアリングについて。前回一部はやっておりますけれども、もう少し違った観点からのヒアリングの必要性。4番目は海外の実地調査。そういったことを柱にして付加価値をつけた懇談会をできたらなと思っているところなんです。
 ぜひ、委員の方々からそれにかかわること、あるいは新しい観点からの検討内容等を御提案いただきたいと思います。
 大変恐縮なんですが、5時までお時間いただいていて、あと20分ちょっとしかありません。7人の委員の先生方に御出席いただいているので、本当に申し訳ないのですが、お1人ニ、三分で一言アジェンダ的にコメントを、井岸委員からお願いできますでしょうか。

井岸氏
今、4点お話がございましたが、私はこの方法論としては大賛成であります。とりわけ、1つ目の検討内容につきまして、これは2点についてやはりもう一度深く掘り下げていただければなというふうに考えました。というのは、今、いろいろ前回のとりまとめ以降の動き等、縷々御説明いただきましたが、改めて「酒」というもの、「酒という商品」は一体何なのかと。商品ということは儲かればいい、あるいは、今までもありましたけれども、安く手軽にどこででも買えれば、便利ならばいいと、こう考えられていますが、あくまでも致酔性を有する商品でありますので、こういったようなものについてどうあるべきかというのをもう一度基本的に考えるべきではないかと、これが1点であります。
 もう一つは、免許の人的要件という新しい条件が出ています。それで、カリフォルニア州になりますと人口基準が相変わらず残っているようでありますが、これをもし人口に換算すれば、2,500人に1人しかいない、お酒を売る本当の責任者、管理士と名前のつく資格を持った人なんですね。ですから、そういったような位置付けで今後、日本においても酒類販売管理者というものはきちっと位置付けを持っていくべきではないか、かように今お話を伺っていまして再確認させていただきました。
 以上です。

奥村座長
ありがとうございました。岡本委員、お願いいたします。

岡本氏
様々な問題はやはり残っているということを改めて思い知らされたというか、感じました。
 それで、この懇談会が今後どういうふうな方向でいくのかと御提案があったんですけど、具体的にちょっと私まだそこまで答えられるような状況でないんですが、ただ、やはり対応すべき物事の順番というのでしょうか、何が一番今問題になってきているのかと。例えば、青少年の飲酒の問題。それが一番重要なのか、対応しなくちゃいけないのか。それから、やはり小売業の中で、この1年間、昨年9月からですか、お話を聞いていると。一応、1年間の期限付で特別な地域を全国で九百何十カ所設けて、それで1年間様子を見て、その間の状況を踏まえて更新するか否か、もしくは再検討するというのは今年の8月いっぱいでしょうか。多分、多くのところはもう1年更新されるかなという予測といいましょうか、勝手に無責任に推量していますけれども、そうするとまた1年後には同じ問題が出てくる。そういうふうな、供給が過剰だからというところも幾つか理由があったみたいですけれども、例えばそういうことであれば、多分1年、2年でそれが解決するような問題じゃないと思いますし、それからやはり都市部はますます供給の問題というのでしょうか、それが今後も引き続いていくだろうと。それが一番重要な問題なのかどうか、多分、そういったことも青少年の問題とももちろん関連していると思います。
 あと、海外の規制のことなんですけれども、私自身、アメリカ史というのを専門にしておりますので、アメリカのことを中心にしかよくわからないんですけれども、やはり海外の規制というのは、多分かなり文化的な背景というのがあって、自分の専門に引っかけて申し訳ないんですけど、やっぱり禁酒運動とか、そういうものがあった中で様々な法律というのができてきたという、ある種、そういう文化的・歴史的な背景というものがあるので、なかなかこういう、先ほど一覧表にしていただいて、あれはカリフォルニアだけでほかの州に行けばまた別の取組・規制があると思うんですけれども、そういうものを調べるのは非常に大変かなという感想です。以上です。

奥村座長
ありがとうございました。須磨委員。

須磨氏
座長のお話を伺ってそのとおりだと思いました。これから特にクローズアップされてくるのは、お酒によって「青少年の暴力への扉」を開かせないようにすること、そして健康面の要件だと思います。この二つが今後の大きな課題でしょう。産業面以上に社会的な要請というのが高まってくるだろうと思われます。今までの議論が繰り返しにならないためには、今後、今回の措置が有効に機能するかどうかという改正後のチェックが大事だと思っています。もし、有効に機能したとしたら、その後、社会の中でどんなことが起きてくるか、今回の改正が効果的に働いているのかどうかを確認することが重要だと思うので、その後の状況を御報告いただき、様々な観点から委員の皆さんでチェックしていくことが、この懇談会を意味のあるものにするのかなと思っています。

奥村座長
ありがとうございました。 寺沢委員。

寺沢氏
今、座長から4つの検討事項が挙げられましたけれども、私は、それは全くそれでよろしいかと思います。ただ、最初に挙げられた、どういう内容を検討するかということを決めれば、あと2、3、4はそれに応じてやるかやらないか、どういうものをやるかということはついてくると思うんですね。ですから、最初に検討の中身をはっきりさせるということが一番大事だと思います。
 それともう1点、私の個人的な印象なんですけれども、これまでの日本のお酒に関する制度、税制、諸々の仕組みというのは、ある目的の下に完璧にでき上がったものだというふうに私は見ているんですよ。ですから、部分的にその仕組みを変えると、どこかで必ずひずみが出てくるというふうに思いますので、そういう意味では、そもそも制度を変えるときにどういうふうな目標なり前提でその仕組みをつくるかというところをしっかり決めてから議論をした方がいいのではないでしょうか。なかなかそこへ突っ込んでいけないのが現状であるということは分かっているんですけれども、少しずつ部分的につぎはぎにするとますます問題が出てきそうだという印象がありますので、どこまでやるかということを最初に議論しておいた方がいいかなという印象を持っています。
 以上です。

奥村座長
ありがとうございました。 本間委員、お願いします。

本間氏
座長のおっしゃった検討内容は私も大賛成で、それで詰めていただくということが本当にこの際必要と思いますが、個人的な意見を申し上げますと、ばらばらでまとまりがないことで申し訳ないんですけれども、私はやはり先ほど井岸委員もおっしゃった「お酒とは何か」ということを突き詰めていきたいと思います。そのほかに、消費者の利便性というのは一体何かということの検討も必要なのではないでしょうか。
 それから、神奈川県のように青少年の親への罰則、これは検討事項として私は大いに考えていただいていい時代が来ていると思うんです。深夜徘徊につきましても、私、教育委員をしている間に散々手をやいた過去がございます。何としても今、親教育が必要な時代に入りましたので、この辺を考えていただきたい。飲酒運転をした大人だけが30万円の罰金があって、一緒に乗っている人たちも同じように科せられる一方で、なぜ青少年の飲酒に対しての罰金がないのか、私それは常々とても不満に思っていました。この辺を検討するためにどなたか専門家を交えて拝聴したい。
 それから、税制の問題も少しこの際、皆さんお考えいただいた方がよろしいのではないかと思います。それは、この頃は缶チューハイみたいなものばっかり売れて、それがのどの渇きを癒すもの(quencher)になっていて、それが「酒」であるという感覚がもうなくなってしまっているのではないかということです。それらの税率がものすごく低い一方で、ビールが50%というのは、私は税制の上でちょっと不公平なように思えて、税収の面で首を絞めている部分がありはしないかと思うんです。
 そんなことで、今日の資料を拝見しますと、売る方の側についての検討事項が多いようですけれども、買う方の側、飲む方の側についての検討事項というのも十分にお揃えいただきたいと思っております。

奥村座長
御船委員、お願いします。

御船氏
特に強調したい点は、教育の問題、飲酒に関する教育の問題です。文化を含めた広い意味の教育に焦点を当てることが非常に重要と思います。
 青少年の問題ということは、地域の問題と教育の問題、先ほど、親の教育という話があったと思うんですけれども、そこの問題の中身を詰めていくことです。そうすると、健康の問題になりますし、その場合、いわゆる科学的な裏付けとそれをどのように教育するかを検討する必要があると思います。
 それからもう一点、地域の問題というのがあると思います。やっぱり地域の育成力というか、お酒が文化であるというのは、この懇談会で私が教えられた点なんですけれども、地域を巻き込んで教育するということを考えますと、酒類小売業者の経営の中身が問われると思います。どのくらい地域の中で教育力を高めながら酒類の販売をやっているのかというようなことも基準として重要かと思います。
 以上です。

奥村座長
ありがとうございました。山下委員、お願いします。

山下氏
前回の報告で必要なことは段階的に整備していくと。それから、前回の報告の段階では、新しいことをやるということもありまして、実際の法令で実現できたところは最小限のところでそうなったと思いますが、スーパー等に行っても、現に「お酒売り場」というような看板が相当出て、一般人にも何かやっぱりこれは法律にかかわることなんだろうなという認識が出てきつつあるかと思うんで、段階的にやるというのはそういう意味で物事を進める一つの方策かと思いますが、あまりまたこれ何段階もというわけにもいかないと思うんです。ここでやはり本格的に何が必要なのかということを考えなくてはいけない。それにはやはりここの場だけではなくて、いろんな世界の関係分野のコンセンサスを得る必要があると。そのあたり、会議だけではなくて、その背後の方でもしっかり動いていただければと思っております。

奥村座長
ありがとうございました。大変御協力いただいて、時間をもうあと10分ぐらい確保しました。今、御指摘いただきましたように、申し上げた、テーマを深めるということと、どういう新しい委員の方にお加わりいただく、あるいはどういうヒアリングをするかは密接に関わってまいりまして、今、委員の方々からキーターム的に御指摘いただきましたようなお酒の「致酔性」、その他特性に関して医学的な知見をお持ちの方、また、青少年問題にかかわって教育の問題等で知見をお持ちの方にお入りいただいたらどうかなと。それから、文化やコミュニティー活動等といった観点で地域の活動など、場合によりましては販売サイドになるかもしれませんが、そういったことにかかわっておられる方といったような具体的なイメージで事務局の方に人選を進めていただき、また、委員の先生方からこういう方がおられるよという情報を事務局の方にお出しいただいたりしながら、人選を進めていただいたらいかがかと思いますが、よろしいでしょうか。
 もし、人選の過程でどなたかをピックアップしなければいけないというような作業の必要性が生じた場合には、私と事務局の方で御相談させていただいて、私は委員の先生方の本日の御意見などを尊重して作業を進めさせていただくということで、御一任いただけますでしょうか。

(「異議なし」の声)

奥村座長
 それであと1点、御相談申し上げたいのですが、私はこのテーマに興味もありますし、先ほど申し上げたような責任もございますので、できる限り時間の都合をつけさせていただきますが、実は、これから夏にかけて、財務省関係で独立行政法人の評価をしなければいけないという作業が入ってまいりまして、大変な責任もありまして、それでひょっとして、皆様方の多くの方の御都合のいいときと私の都合がたまたま合わないというようなときに、私の方で皆様方の御都合を左右してしまうなんてことは言語道断ですので、そういう場合に限り座長の代理ということでどなたかに会合の運営に当たっていただきたいと思っております。座長代理をお願い申し上げて、そういうことでもしよろしいということであれば、本日は御欠席されておりますが、田中委員に座長代理をお願いしたいなと思っているんですが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」の声)

奥村座長
 それでは、田中委員にお伺いして、もしよろしいということであれば、そういった形でお願いを申し上げておきたいと思います。
 議事録の公開につきましては、先ほど事務局の方からお話もございましたように、前回と同様にまず議事要旨は早く公開して、あと厳密な議事録は皆様方のチェックを受けた上で公開していくということで、前回同様に進めてまいりたいと思います。
 日程の調整で事務局の方も大変苦慮なさっていますので、本日配布されています日程表に、御都合のつけられる日程を事務局の方へお教えいただくということで調整がおおむねつけば、次回の会合は3月中旬あるいは下旬といったところで、できれば新しいメンバーの方も加わっていただいて開催したいと考えております。
 日程上のことで、皆さんの方から本日あらかじめ何かお伺いしておくことがありますか。大体そういうことでよろしいでしょうか。
 それでは、あと事務局の方から何か御連絡ありますか。

初谷課長補佐
日程表はこちらの方まで後ほどお渡しいただければと思います。

奥村座長
よろしいでしょうか。
それでは、本日はこれで閉会させていただきます。
ありがとうございました。

―― 了 ――

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