奥村座長
 それでは、本日の議題でございますが、第1回目の会合で先生方からお出しいただいた検討項目、約20項目ございましたが、まず、それについて事務局の方にお調べいただいた結果をご報告いただいて、また検討を進めてまいりたいと思います。
 では、事務局の方からお願いいたします。

酒税企画官
 酒税企画官の若尾でございます。
 それでは、第1回の懇談会におきましてメンバーの皆様からご指摘のあった事項につきまして、席上に配付しております参考資料という縦型ものがございますけれども、この参考資料によりご説明をいたします。時間の関係もありまして、申しわけございませんが、ご指摘の内容等については繰り返さないで、また、説明は簡潔にしたいと思っていますので、ご了承いただければと思います。
 まず、参考資料の1には、酒税制度等に関することをまとめてあります。
 まず、1−1でございますが、酒類には、その特殊な嗜好品としての性格から、古くから他の物品に比べ高い税負担が求められています。これは酒類の消費の背後にある担税力に着目したものでありまして、酒税は我が国の税体系において、古くから消費課税の代表的なものの一つとして国の財政上重要な役割を果たしてきています。酒税の負担水準につきましては、酒類の生産・消費の状況や価格に占める税負担の状況、酒類間の税負担の公平性や経済取引に対する中立性の確保、あるいは財政事情や社会経済情勢などの変化等を総合的に勘案して決められてきているというふうに承知しています。こうしたことから、昭和51年から平成元年までの10年余りの間におきまして、5度にわたって酒税の税負担の見直しが行われています。なお、念のため申し添えておきますが、この酒税制度を企画・立案するのを担当しているのは、財務省の主税局ということになっております。
 次のページをお開きいただきます。1−2、国税庁のホームページの抜粋でございます。我々としても、納税者・消費者に対する積極的な情報提供が必要というふうに認識しておりまして、従来から、机上に前回配付しております「酒のしおり」というのがありますが、こういったもので情報を提供してきています。また、最近では、IT化の進展などを踏まえまして、国税庁のホームページを活用して、酒税行政についての情報の積極的な提供に努めています。メンバーの皆様も、ぜひご利用いただければと思います。この下の方にあります主要酒類の酒税等負担率表は、このホームページ上の酒についてのQ&A、それから抜粋したものでございます。酒類には、酒税に加えて5%の消費税が課されておりまして、種類によって多少のばらつきはあるものの、酒税等の負担率はかなり高くなっていることがおわかりいただけるのではないかと思います。
 次のページですが、酒類に表示すべき事項でございます。酒類には、酒類業組合法、あるいは食品衛生法、それぞれの業界が公正取引委員会の認定を受けて定めた公正競争規約などの規定によりまして、それぞれ目的に多少の違いはありますけれども、多数の表示義務事項があります。
 次のページを開いていただきますと、その表示例を掲げてあります。これを見ていただくとよくおわかりいただけるかと思いますけれども、これは上が清酒の例、それから下が輸入ビールの例でございます。このように酒類の容器には、原材料とか製造年月、あるいはアルコール分、そういった非常にたくさんの情報が表示されております。また、このほか缶やぺットの容器には、アルミ・スチールなど、容器の材質の表示もリサイクル法という法律で義務づけられております。
 次の1から5については、大柳補佐の方から説明をいたします。

大柳課長補佐
 免許を担当させていただいております大柳と申します。引き続き説明させていただきます。
 1−5は、事前の需給調整措置から、事後的な調整措置へと転換したものの代表例として、タクシー、トラックの規制を掲げたものです。
 まず、トラックについては、平成2年11月以前は道路運送法で規制されておりまして、参入時においては、「供給輸送力が輸送需要量に対し不均衡にならないこと」という条項に基づいて需給調整が行われておりました。これが、平成2年11月以後は、貨物自動車運送事業法により規制されることになり、事後的見地から、原則として、資格要件の一つとして事業計画等が一定基準に適合していれば許可をするというように改められました。ただ、事後的に特定の地域において供給と需要とバランスが著しく不均衡となったような場合には、運輸審議会に諮って当該地域を緊急調整地域として指定した上で、当該地域については、爾後、新規参入及び事業計画の変更を認めず、また、事務の改善命令等も出せるということになっています。
 タクシーについてもトラックとほぼ同様です。法改正自体は既になされておりますけれども、平成14年の1月までは参入時に需給調整規制が存続しております。これが、今年の2月以降は、事業計画及び営業地域等が一定の基準に適合していれば原則として許可をするということに変更されます。ただし、特定の地域において不均衡が生じた場合には、運輸審議会へ諮った上で当該地域を緊急調整地域として指定し、爾後、当該地域については新規参入を認めないという仕組みを採用しております。ただ、法律上は緊急調整地域というものを指定するとしか書いていませんが、それに前置しまして、国土交通省の運用の方で特別監視地域というものを設けることとしており、まず、これに該当するかどうかを判断した上で、該当したものの中から法律上の緊急調整地域をその後決定するという仕組みを採用しております。
 なお、トラックの緊急調整措置については、過去に二、三度発動要望があったということなのですけれども、それらの要望に対しては、「経済指標が回復基調にあって、管内のサンプル調査においても指標が横ばいであって、直ちに検討を行う必要はない」というふうに回答しているようです。昨年の7月10日に出された政府見解においても、緊急調整措置の発動については、供給輸送力と輸送需要量の関係を示す車両の実働率の指標に加え、経済や産業活動の動向等も踏まえて発動の必要性を総合的に判断すべきものであるが、近年、車両の実働率等は安定的に推移し、これらの措置を発動しなければならないという状況にはない、とされています。
 以上が、事後的な見地からの緊急調整措置の例でした。
 続きまして、次の2−1ページですが、これは酒類小売業と飲食店営業とを法規制の面から比較したものです。ここでは、深夜において主に酒類を提供する飲食店営業に限らせていただいており、一部の接待型の、いわゆる風俗営業は掲げておりません。
 酒類の小売販売については酒税法に基づいて税務署長の免許が必要とされていますが、深夜飲食店営業の場合には、風適法上、都道府県の公安委員会への営業の届出が必要です。酒税法では、営業者に関してさまざまな人的要件を求めておりますが、風適法の方ではそうした要件は特段要求されておりません。場所的規制については、酒税法上はさほど強力な規制はありませんが、風適法においては都道府県が政令の範囲内で条例に基づいて一定の出店禁止区域を設定することができるとになっており、特定の住居集合地域内において出店禁止地域を指定しています。時間の規制、これについては飲食店営業の方は特段存在しないのですが、小売については小売組合の自主的取組がなされておりまして、午後11時から午前5時までは自動販売機における酒類販売は自粛されております。
 未成年者に対して酒類を販売又は提供した場合の刑事罰ですが、まず、未成年者飲酒禁止法上、営業者が未成年者に酒類を販売・提供しますと、50万円以下の罰金に処されます。一般の酒類小売店についてはこの未成年者飲酒禁止法が適用されますが、飲食店営業者が店舗内で未成年者に酒類を提供しますと、風適法上の罰則が適用され、6カ月以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又は両者が併科されることになっており、未飲法の罰則に比べ重科されております。なお、未成年者飲酒禁止法については、昨年末に改正が行われ、酒類を販売・提供する営業者においては、年齢確認その他の必要な措置を講ずる義務を負うものとされています。
 未飲法違反等の法令違反があった場合の効果ですが、未成年者飲酒禁止法に違反して罰金刑に処せられた小売販売業者については、酒税法上、免許の取消要件に該当します。他方風適法においては、法令上違反の行為がありますと、指示処分・営業停止処分が行われます。
 なお、飲食店営業については別途食品衛生法上の規制もかかっておりまして、健康・衛生面の観点から、食品衛生法上、都道府県知事の許可も要求されているところです。
 次に、2−2ページの年齢制限のある物品の販売方法に移らせて頂きます。酒・たばこ・不健全な図書を挙げさせていただきました。酒につきましては未成年者飲酒禁止法、たばこについては未成年者喫煙禁止法がございますが、不健全な図書類については、各都道府県の青少年保護育成条例のようなもので規制がなされております。未成年者飲酒禁止法は、先ほどご説明しましたとおり、未成年者が飲酒をすることを知って酒類を販売・供与することを禁止しており、罰則は50万円以下の罰金です。また、営業者には年齢確認義務、一般的な義務で罰則の裏付けはありませんが、これが昨年12月から課されております。未成年者喫煙禁止法も大体同じような構図になっておりまして、未成年者が喫煙することを知って、たばこを販売・供与することを禁止し、違反には50万円以下の罰金が科され、年齢確認のための一般的な措置義務も昨年12月から同様に導入されております。
 不健全図書については、例えば東京都条例においては、指定図書類を青少年(18歳未満の者)に販売、頒布、又は貸し付けてはいけないとしています。かつ、指定図書類を陳列するときには、他の図書類と明確に区分するということが必要とされておりまして、警告を受けその警告に従わない者につきましては30万円以下の罰金又は科料に処すということになっています。
 法律上要求される義務の具体的な内容ですが、これらについては運用(通達)と業者の自主的な取り組みに任されておるわけですが、酒類については、年齢確認・分離陳列・ポスター等の掲示による注意喚起、たばこについても、酒類とほぼ同様でございます。青少年保護育成条例の場合については、青少年制限を棚に表示する、それから区分の方法を工夫するといったようなことが条例施行規則には掲げられているようです。なお、ここにいう酒・たばこに対する規制は、主にテイクアウトといいますか、店外消費の場合についての規制でありまして、店内におきます規制については、先程ご説明しましたように、風適法が適用されるということになっております。
 続きまして、2−3ページの店舗における資格制度に移らせていただきますが、ここでは、有資格者の配置義務について例を挙げてございます。薬局に対しては、薬局の設置自体と、薬剤師の配置というものに分けて規制がなされております。薬局の設置については都道府県知事の許可が必要とされていますが、同時に薬局には薬剤師を常駐させなければいけないともされております。これは運用で指示されているようですが、法令上も、実務に従事する薬剤師のうちから管理者を指定して、薬局を実地に管理させなければならないというふうにされているということでございます。
 ガソリンスタンドにおきましては、まず揮発油の品質の確保等に関する法律というものと消防法の、この2つの規制が及んでおります。揮発油の品質の確保等に関する法律におきましては、まず業者自体の登録が必要とされ、かつ、品質を維持するために管理者を置かなければいけないということになっておりまして、危険物取扱者や実務研修を修了した者を置き、かつ、それらの者の登録が必要とされております。他方、消防法におきましては、生命・身体・財産の火災からの保護を目的として、ガソリンスタンドの設置自体を市町村長の許可に係らしめております。その上で、危険物保安監督者を置かなければならないということになっております。品確法の方の品質管理者と危険物保安責任者の要件は必ずしも一致しておりませんで、両方の要件に同時に該当するのは、甲種危険物取扱者のみとなっており、乙種ですと、消防法の場合には4カ月以上の実務経験まで要求されているということでございます。なお、規制緩和推進3カ年計画におきましては、有人セルフサービス方式の給油取扱所というのも解禁されております。ただ、この場合には通常よりも高い保安基準が要求されているようです。
 次の2−4と2−5は、学校における飲酒教育ということで、小学校、中学校、高等学校のそれぞれの段階において行うべき飲酒教育の内容として、学習指導要領や教科書等の記述を引用しております。これは参照していただければ結構かと思います。
 続きまして、2−6ですが、これはEU共通の未成年者飲酒防止に向けての取組を示したものです。EUにおいては最近通貨統合がなされたわけですが、未成年者の飲酒防止については何か共通の取組のようなことがなされているのだろうか、という問題意識を頂いておりました。ここに掲げているものは2001年の6月に出された閣僚理事会の勧告でして、強制力のあるディレクティブのようなものは未だ発出されておりません。EUにおきましても、若年者飲酒が非常に問題となっておりまして、こうした背景から、EU全体としての共通した対処方針を定めようということのようです。
 内容といたしましては、まず、若年者飲酒防止に関する問題には、政府、製造業者、販売業者、それから家庭などが協力して社会全体として取り組んでいかなければならないということとされております。加盟国に対しては、アルコールの不正販売に対する厳正な対処・家庭の啓発資料の作成・アルコール関連問題の調査研究を行うべきであり、業界に対しては、未成年者をターゲットとしたような酒類、これはどうもAlcopopsというふうに言うようですけれども、こういった酒を製造しないようにとか、飲酒等を誘引するようなデザインを避けるべきというようなことを勧告しております。EUの役割としましては、基本的には加盟国の自主的な取組に任せるけれども、情報交換やデータを提供するということを行って、フォローアップを継続的に行っていくということとしているようです。
 続きまして、2−7ですが、これは適正飲酒等の問題について、日本での啓発活動・広報活動はどうなっているかということを示したものです。まず、国税庁・厚生労働省共管の社団法人アルコール健康医学協会というものがございまして、そちらに対しては各酒類業団体や病院などが賛助会員として加盟し、協会は、国民の健康維持、疾病予防及びこれらと調和した産業の健全な発展への寄与を目的として、適性飲酒を勧め、未成年者飲酒防止の啓発を行っているということでございます。
 私の方からは以上でございます。

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