日時: 平成20年3月11日 13:00〜14:40

場所: 国税庁第二会議室

出席者:

酒類分科会委員小林分科会長飯村分科会長代理
  潮田委員 尾原委員
  金子委員 ~津委員
  辰馬委員 藤田委員
  水野委員  
説明者 国税庁 西村審議官  
  小部酒税課長  
 井本鑑定企画官
  吉田酒税企画官 
  永田酒税課課長補佐 
  松丸鑑定企画官補佐
  櫨田酒税課課長補佐
  笠酒税課企画専門官
関係者 ビール酒造組合 堀専務理事
  佐山審議役

小林分科会長
 遅れてお見えになる方もいらっしゃいますが、お約束の時間になりましたので、ただ今から第8回酒類分科会を開催いたします。
 酒類分科会の会長の小林でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 委員の皆様には、大変お忙しいところお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。
 本日は、田嶼尚子委員におかれましては、御都合により御欠席でございますが、酒類分科会委員の過半数が出席されておりますので、審議会令第8条第1項の規定に基づきまして、本会は有効に成立しているということを確認させていただきます。
 それでは、初めに国税庁審議官、西村様から御挨拶をお願いいたします。

西村審議官
 国税庁審議官の西村でございます。委員の皆様方におかれましては、御多用中にもかかわらず御出席いただきまして、誠にありがとうございます。また、日頃から酒類行政はもとより、税務行政全般につきまして多大なる御理解、御協力を賜っておりますことを厚く御礼申し上げる次第でございます。
 さて、本日、御審議をお願いしております「酒類における有機等の表示基準を定める件の一部改正」につきましては、昨年6月19日開催の第7回酒類分科会で御審議をいただいた事項でございます。前回、御審議いただきました後、パブリックコメントを実施いたしましたところ、使用できる食品添加物や有機原材料の使用割合の計算方法等につきまして、御意見をいただいたところでございます。これらの御意見などを踏まえ当初案の修正が必要と考えられましたところから、分科会長に御相談した結果、改めて当分科会にお諮りする次第でございます。
 詳細につきましては、後ほど事務局より御説明をさせていただきますが、御承知のとおり、加工食品の品質ないしは安全性に対します昨今の消費者の関心は、非常に高くなってきております。酒類の表示の基準につきましても、消費者が適正に商品選択をする上で重要な問題であると考えておりますので、御審議のほどをよろしくお願い申し上げます。
 本日の二つ目の議題でございますが、「地球温暖化対策に係るビール製造業の自主行動計画」につきまして、委員の皆様方の御意見を賜りたいと考えているものでございます。京都議定書におきましては、CO2などの温室効果ガスの排出量の削減が国際的に約束をされておりまして、我が国は基準年度比で6%削減を行うとされております。これを受けまして、各産業界におきましては自主行動計画を定めて実施をされているところでありますが、平成17年4月の閣議決定におきまして、これら自主行動計画のフォローアップを関係審議会等で行うこととされております。酒類業界におきましては、ビール酒造組合が自主行動計画を定めております。後ほど、ビール酒造組合から自主行動計画の実施状況につきまして説明を受けた上で、意見交換をお願いいたしたいと存じております。
 以上、本日の審議事項及び説明事項の概要を申し上げまして、簡単ではございますが、私の挨拶とさせていただきます。

小林分科会長
 ありがとうございました。
 それでは、初めの部分の審議に入らなくてはいけませんが、「酒類における有機等の表示基準を定める件の一部改正」の問題でございます。今、西村審議官からも御説明がございましたけれども、この件は昨年6月5日に国税庁長官から諮問を受けまして、国税審議会会長から当分科会に付託された後、昨年6月19日の第7回の酒類分科会で委員の方々に御審議いただいたことでございます。前回の分科会開催後パブリックコメントが実施されましたけれども、そこで寄せられた意見などを踏まえまして、いわば当初改正案と申しましょうか、その一部を修正することが適当だというふうに考えられたものでございまして、今般、当分科会でもう一度その点を審議するということにいたしました。
 それでは、そのあたりの経緯も含めまして、パブリックコメントで寄せられた意見、その他につきまして事務局の方から御説明をお願いいたします。

小部酒税課長
 酒税課長の小部でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
 それでは、前回、第7回分科会で御審議をいただきました案からの修正点を中心にして御説明を申し上げます。お手元の資料で「国税審議会酒類分科会検討資料」、これは新旧対照表形式の、検討資料1、2というものが入ったものでございます。この「国税審議会酒類分科会検討資料」と、「国税審議会酒類分科会参考資料」、こちらは参考資料の8までが含まれておりまして、最終ページが13ページになっております。この二つの資料が議題1の説明資料となっておりますので、御覧いただきたいと思います。
 「国税審議会酒類分科会参考資料」の1ページに、昨年6月の第7回酒類分科会で御審議をいただきました「酒類における有機等の表示基準」の主な改正事項を再掲いたしておりますが、前回の分科会では、有機等の表示基準の改定について、4項目の主な改正事項について御説明、御審議をいただきました。パブリックコメントに付しましたところ、そのうち、1の「有機農産物加工酒類の原材料に有機畜産物を追加」、3の「製造その他の工程に係る管理において使用できる薬剤の整理」、及び4の「酒類における遺伝子組み換えに関する表示の対象農産物の追加」につきましては、パブリックコメントでも特段の意見がございませんでしたので、事務局案の修正はございません。
 2の「有機農産物加工酒類に使用できる食品添加物の追加」に関連いたしましては、食品添加物の加除等につきましてパブリックコメントで意見提出がございましたことなどを踏まえまして、事務局の当初案の修正案を作成いたしております。基本的に御説明は参考資料を使用しながら進めさせていただきたいと思いますけれども、検討資料の1から2ページ目に第7回、つまり前回の分科会時点で私どもの事務局案とさせていただいたものと、今回の検討後の事務局の修正案というのを対比した資料をお付けしておりますので、御参照いただきますようにお願いいたします。
 それでは、もとの参考資料に戻りまして2ページ、参考資料の2でございますが、前回案からの修正事項を整理しております。
 1の「使用できる食品添加物の追加または削除」でございますが、「タンニン」、「グアーガム」、「パーライト」、それから「酵母細胞壁」の追加と、「ピロ亜硫酸カリウム」の削除を内容といたしております。修正案で追加している「タンニン」以下の食品添加物は、いずれも現行の表示基準において、「その他の食品添加物」の規定に含まれるとの整理のもとで使用可能となっていたものでございますが、前回御説明のとおり、有機JAS規格の改正に準拠して、告示からこの規定を削除することに伴いまして、パブリックコメントに際し提出された意見などからの使用実態も踏まえまして、引き続き使用して差し支えないと認められるものについては個別に掲名をすることとしたところでございます。
 それぞれの物質の使用目的につきましては、参考資料2に記載のとおりでございますが、「タンニン」は清澄剤等として使用されているものですが、「有機加工食品の日本農林規格」及びコーデックス基準において使用が認められている食品添加物でございます。
 それから、現在使用できる食品添加物には告示上、「柿タンニン」が掲名をされておりますけれども、「タンニン」に含まれる物品であるということから、「タンニン」の追加に伴いまして、この「柿タンニン」は削除することが適当と考えております。
 「グアーガム」につきましては、「有機加工食品の日本農林規格」及びコーデックス基準において使用が認められております。
 「パーライト」につきましては、酒類の製造後において酒類の濾過操作を容易にするために使用されるものですが、「有機加工食品の日本農林規格」及びコーデックス基準において使用が認められております。
 「酵母細胞壁」は、酒類の製造工程において酵母の発酵作用を助成・促進するために使用されるものですが、コーデックス基準において使用が認められている食品添加物です。
 続きまして、削除する物質について御説明をいたします。今回の見直しに際しまして、改めて有機酒類に使用が認められている添加物を全般的に点検・検証をいたしましたところ、「ピロ亜硫酸カリウム」につきましては、「有機加工食品の日本農林規格」及びコーデックス基準等の国際的な考え方のいずれにおいても、有機製品への使用が認められていないものであることから、これを有機の酒類に使用することができる食品添加物から追加的に削除することが適当と考え、今回、修正案に追加してお諮りをしたいと存じます。
 「ピロ亜硫酸カリウム」は、ワインの製造の際に酸化防止剤として一般的に使用されている食品添加物ですが、これを削除することによりまして有機ワインの製造には使用ができないこととなります。ただし、有機ワイン以外の一般のワインには引き続き使用が可能となります。
 引き続きまして、2の「原材料の使用割合の計算方法の修正」について御説明をいたします。
 計算方法に関することでございますが、算式につきましてはお手元参考資料の5ページ目のパブリックコメントに寄せられた意見の2の部分に具体的な算式を対比しておりますので、御参照ください。これまでの酒類有機表示基準におきましては、水を除く原材料の合計重量を分母といたしまして、このうち有機の原材料の重量を分子とする算式で有機原材料の使用割合を算出して、この割合が95%以上の場合に「有機農産物加工酒類」の表示ができることとしておりまして、事務局の当初案、つまり昨年6月の第7回分科会の時点では、この点は改正事項に含めておりませんでした。
 一方で、「有機加工食品の日本農林規格」においては、従来の改正の中で、原材料の合計重量から加工助剤の重量を除くこととしておりますが、酒類有機表示基準においては、使用する量が必要最小限度の量に限られている加工助剤の重量が、有機原材料の使用割合の計算に及ぼす影響は少ないとの想定のもとで、当初案では原材料の合計重量から加工助剤の重量を除く措置を盛り込みませんでした。
 これに対しまして、パブリックコメントにおいて、有機農産物加工酒類の製造工程で加工助剤の一種である濾過助剤を使用する場合に、濾過の状態によっては、その使用量が増減する可能性があること、最終的な使用量を事前に見積もることが難しいということで、現行の計算式では「有機農産物加工酒類」を意図して製造した酒類が、結果として有機原材料の使用割合95%未満となってしまうおそれがあるというような不具合が生じることから、「有機加工食品の日本農林規格」と同様に、分母から加工助剤を除いてほしいとの御意見がありました。
 検討の結果、加工助剤は製品の完成前に除去されるなど、製造した酒類に影響を与えないものであること、それから有機加工食品の日本農林規格におきましても原材料の重量から除くこととしているということ。このことから、酒類につきましても有機原材料の使用割合の計算において、原材料の重量から加工助剤の重量を除くように当初案を修正いたしております。
 なお、「酒類における有機等の表示基準」の改正につきまして、経過期間を設けてほしいとの意見も提出されております。既にパブリックコメントにおいて周知を図っているところではございますけれども、この点も踏まえつつ合理的な経過期間を設定したいと考えております。
 改めまして、「国税審議会酒類分科会検討資料」の1ページ、検討資料1を御覧いただきたいと思います。 昨年の第7回の分科会にお示しいたしました改正案と、今回の修正案の対比表となっております。なお、この中に、ここまで私が御説明を申し上げました内容に含まれていない点が2点ございますので、補足をさせていただきます。
 1点目でございます。1ページ目、修正案の欄の3の(2)に下線を引いた「原材料として」という語句を入れております。これは、内容の変更ではなく、意味の明確化を図るために語句を追加したというものでございます。
 2点目は、2ページ目、6(1)の下線部についてでございます。当初案では、農林水産省の改正告示の番号を引用しておりまして、ここの番号を変更するという案になっておりましたけれども、本来は制定時の告示番号を引用すべき部分でございますので改正の必要がないということで、6の(1)につきましては、現行のとおりとさせていただきたいというものでございます。
 それから、検討資料2の方でございますが、前回の分科会にお諮りした案に今回の修正を加味した修正案と、現行の基準との対比表となっております。
 本日の分科会におきましては、この検討資料1と2を御審議の対象にしていただきたいと考えております。
 以上で、事務局からの御説明を終わらせていただきます。

小林分科会長
 ありがとうございました。ちょっと専門的なものも入って参りますし、私も完全に理解できたかどうか心もとないところもありますが、要するに、最後に課長の方からお話がございました、検討資料の1ですね。ここに表が出ておりまして、左が修正案で右が当初パブリックコメントで出した案でございまして、幾つかの説明がございましたが、そのほかに文章上の修正も2カ所あったということですね。
 それでは、ただ今の御説明について、御質問なり確認事項等ございましたら、何でも構いませんので、御質問なりしていただければと思いますが、ございませんでしょうか。
 飯村委員、どうぞ。

飯村委員
 今、お聞きしましたら、実質的には概ね妥当なものじゃないかというふうに思われますけれども、一つだけ御質問させていただきたいと思います。
 先ほどの経過措置のところでございますね。参考資料の5ページの4番、経過措置に関する意見ということで、これに対する先ほどのコメントですけれども、もう一度御説明いただけたらと思います。

小部酒税課長
 この点につきましては、まだ具体的な経過期間の設定は決めておりませんが、経過措置に関する意見としましては、今、飯村委員御指摘のとおり、参考資料の5ページ目の4というところに掲げてございますとおり、現在のJAS規格に適合する農産物を調達した上で加工酒類を製造し、長期間熟成しているものがあるということでございまして、そういったものを急に農産物の定義から外れて有機農産物として使用できなくなる、あるいは古酒が販売できなくなるという不都合の生じないように検討してほしいということでございますので、このあたりを勘案しながら検討したいというふうに思っております。

小林分科会長
 飯村委員、よろしゅうございますか。

飯村委員
 はい、分かりました。このことは、製造者の方の御意見と、それからもちろん消費者の方の御意見ということで、一つの接点があると思いますけれども、ある程度経過措置をとらないと混乱が生じてしまうのではないかというふうに思いましたものですから御質問したわけなんですけれども、よろしくお願いしたいと思います。

小林分科会長
 ありがとうございました。ほかにございませんか。
 かなり専門的な内容でございますが。

飯村委員
 もう一つよろしいでしょうか。これも技術的な御質問なんですけれども、確認ですけれども、「タンニン」という言葉が出てきまして、それから「柿タンニン」というのがございますけれども、これは「タンニン」の中に「柿タンニン」も含まれてくるという、そういう解釈でよろしいわけでございますね。

小部酒税課長
 はい、そうでございます。

小林分科会長
 広く定義したわけですか。

小部酒税課長
 「タンニン」一般が使用できることに伴いまして、「柿タンニン」は「タンニン」の一種であるということから、「タンニン」を加える際には「柿タンニン」を削除するという整理をするというのが、お手元の検討資料1の2ページ目に掲げている物質の別表1の修正案と当初案との差の部分になっております。

小林分科会長
 これは、つまり、有機JASの方も、それからコーデックスの 方も「タンニン」ということで掲名されているのですか。

櫨田補佐
 課長補佐の櫨田でございます。私からお答えさせていただきたいと思います。
 「タンニン」は、コーデックス基準では「タンニン酸」の名称で掲名されております。「食品衛生法」では、「タンニン」は、「タンニン酸」、「柿タンニン」などを含めたものの総称として扱われており、有機JAS規格においても「タンニン」の名称で掲名されております。

小林分科会長
 よろしゅうございますか。「ピロ亜硫酸カリウム」というのがございましたね。これは防腐剤でしたか。

小部酒税課長
 酸化防止剤です。

小林分科会長
 酸化防止剤ですか。
 これは、有機ワインについては、告示から削除しようということですよね。

小部酒税課長
 本日の分科会で御了解いただきましたら、この「ピロ亜硫酸カリウム」につきましては、先ほど御説明をさせていただきましたとおり、国際基準及び有機JASの考え方の中で使用が認められていない物質ということで告示からの削除を考えております。ただし、手続上は再度パブリックコメントに付した上で所要の手続を踏んでの削除ということを考えております。

小林分科会長
 よろしゅうございますか。
 食品の安全性が今日大変問題になっておりますので、この辺は抜かりなくやらなくてはいけないと思っております。今回、当初案が修正されまして、もう少し厳密な形で出されたということでございますので、できましたらこのとおり滞りなくお願いしたいと思っております。
 もしほかに御意見がございませんようでしたら、この一部改正については事務局案を了承するということにしたいと思いますが、いかがでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

小林分科会長
 ありがとうございます。それでは、「酒類における有機等の表示基準を定める件の一部改正」につきましては、事務局案を了承するということにしたいと思います。ありがとうございました。
 今後の手続でございますが、この事務局案のうち、使用できる食品添加物から「ピロ亜硫酸カリウム」を削除する件につきましては、パブリックコメントを実施した後、WTOへの通報の手続を進めることになります。そのほかの改正につきましては、現在WTOへの通報の手続を行っているところでございます。WTOへの通報の結果、あるいは「ピロ亜硫酸カリウム」の削除に関するパブリックコメント、いずれにいたしましてもそれらの点について、もし大幅な修正の必要ないというような結果になりましたら、当分科会で改めて議論する必要はないというふうに判断してよろしいかと思いますが、その点につきましては私に一任していただけるとありがたいのでございますが、よろしゅうございますでしょうか。

(「異議なし」の声あり)

小林分科会長
 ありがとうございます。それでは、今後の手続につきましては、事務局案を大幅に変更するまでの必要がないようであれば、本日お認めいただいた案をもって国税審議会会長に報告させていただくと、こういうことでございます。その際、国税審議会は、国税審議会会長が適当と認めた場合に限って、分科会の議決をもって国税審議会の議決とすることができるということになっておりますので、その報告を国税審議会の議決としてよろしいか、あるいは国税審議会の会長の御判断というのを一応いただくということになっております。そこで、もし会長がこれでいいということでありますと、国税審議会の答申としての体裁を整えた上で国税庁長官にお返しするということになります。これもいつものことでございますが、よろしゅうございますか。

(「異議なし」の声あり)

小林分科会長
 ありがとうございます。それでは、そういう手続をさせていただきます。
 それでは、2番目の議題に入りたいと思います。「地球温暖化対策に係るビール製造業の自主行動計画」でございます。これも先ほど西村審議官からお話がございましたが、大変重要な問題でございまして、少し専門の方からもお話を承りたいということでございます。
 それで、今日はビール酒造組合の堀専務理事様、それから佐山審議役様に来ていただきまして、御説明いただくということにいたしております。
 それでは、その前に小部課長の方から御説明いただけますでしょうか。

小部酒税課長
 それでは、議題2の「地球温暖化対策に係るビール製造業の自主行動計画」につきまして、まず事務局から、今般、酒類分科会にフォローアップをお願いした背景等を説明させていただきます。
 議題1でも使用いたしました、「国税審議会酒類分科会参考資料」の12ページ、参考資料8がございます。「地球温暖化対策に係るビール製造業の自主行動計画」という資料でございますが、こちらを御覧ください。
 資料の冒頭に、「地球温暖化対策の推進に関する法律」の条文抜粋がございますが、政府は京都議定書規定に基づく約束を履行いたしますために必要な目標の達成に関する計画を定めなければならないとされております。既に御承知かとも思いますが、京都議定書等は、「気候変動に関する国際連合枠組条約」に基づきまして、温室効果ガスの一定のものにつきまして、原則として1990年を基準として国別に削減の目標値を定め、共同して約束期間内に削減することとしたもので、91年、平成9年12月に京都で開催されました気候変動枠組条約の第3回締約国会議において議決されまして、2005年、平成17年2月に発効をしているものでございます。
 我が国につきましては、2008年から2012年までの約束期間、つまり平成20年度から平成24年度において基準年度比、これは90年でございますが、基準年度比で6%を削減するということとしておりまして、その目標達成のために「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づき、政府は「京都議定書目標達成計画」を定めるということになっております。
 資料の上から2番目の枠囲いに、平成17年に閣議決定されました「京都議定書目標達成計画」の抜粋がございますが、その中に産業界の自主行動計画についても記述をされております。産業界の自主行動計画とは、地球温暖化の防止に取り組むために、各産業の業界団体が自主的に二酸化炭素の排出量削減等の数値目標を設定して、この目標を設定するために必要な省エネ設備の導入などの具体的な対策を定めたものでございますが、目標達成計画を御覧いただきますと、産業界が自主的に策定した自主行動計画の目標・内容については、その自主性に委ねられるべきものであるとされ、同時に、その目標達成の蓋然性などが向上されるよう、引き続き関係審議会等において定期的にフォローアップを行うとされております。
 これが、本日の議題2についての背景及び法令的な枠組みでございます。
 なお、12ページの中段に自主行動計画に関する補足説明を記載してございますが、日本経済団体連合会が所属業界団体の自主行動計画を取りまとめた、「経団連環境自主行動計画」を平成9年に策定・公表されておりまして、経団連加盟のビール酒造組合は当初から計画に参画して、自主行動計画を作成をしているものでございます。
 続きまして、この平成17年に閣議決定されました目標達成計画の見直しの動きについて簡単に御説明をいたします。
 12ページの下の方に、「我が国の温室効果ガス総排出量の推移」というグラフが出ております。やや細かくて恐縮でございますけれども、御覧いただきたいのは、グラフの中に横に3本点線が引かれております。その一番下が基準年度の総排出量の水準ということになっておりますけれども、グラフから御覧いただきますとおり、94年度以降の総排出量が点線を上回って推移している状況となっております。2005年度には基準年対比で8%弱増加した水準になっておりまして、昨年5月時点のレビューにおきましても、我が国の地球温暖化対策は前進しているとは言えるものの、現状では総合的に見れば対策が十分に進捗しているとは言えない状況にあり、対策の進捗は極めて厳しい状況にあるとされ、抜本的な対策を早急に検討する必要があるとされております。
 ただ今2005年度の温室効果ガス排出量が、90年度比で8%弱増加したというふうに申し上げましたが、この間、ビール酒造を含む産業部門は6%を超える削減を達成しております。ただし、業務その他部門、家庭部門及び運輸部門におきまして大幅に排出量が増加しました結果、全体としては排出量が増加した実績となっております。
 このような状況を踏まえまして、13ページに資料の抜粋を入れているところでございますが、昨年10月2日に「京都議定書目標達成計画の見直しに向けた基本方針」が地球温暖化対策推進本部で決定されまして、その中で自主行動計画における目標を達成した業種であるビール酒造につきましても、政府による厳格なフォローアップを行うことが求められているところでございます。
 この地球温暖化対策推進本部というのは、京都議定書の着実な実施に向けまして、地球温暖化防止に係る具体的かつ実行ある対策を総合的に推進するために内閣に設置された機関で、内閣総理大臣を本部長としてすべての国務大臣が構成員となっているものでございます。
 続きまして、同じく13ページの2番目の枠囲いの「京都議定書目標達成計画の評価・見直しに関する最終報告」でございますが、この最終報告は、平成18年11月から19年12月にかけまして、中央環境審議会地球環境部会と産業構造審議会の環境部会地球環境小委員会の合同で審議をされまして、先般2月8日に公表をされているものでございます。この最終報告におきましては、目標水準を現時点で超過している業種については、目標の引き上げを行うよう促すというふうにされておりまして、ビール酒造がその業種の一つに掲げられております。
 この最終報告を踏まえました「京都議定書目標達成計画」の改定案が、地球温暖化対策推進本部で去る2月29日に案として了承されまして、現在、内閣官房で改定案のパブリックコメントを実施中でございます。これは3月21日までパブリックコメントの手続に付されておりまして、その後、必要な修正を検討した上で、3月末までに閣議決定される予定となっておりまして、本年4月から平成24年度までを期間とした京都議定書の第1約束期間が始まるということとなっております。
 以上で、事務局からの御説明を終わらせていただきます。

小林分科会長
 ありがとうございました。そういう状況でございまして、当分科会としましても実際にこの問題に関与されて大変努力されている方をお二人、お招きしました。御紹介させていただきます。
 ビール酒造組合専務理事、堀正明様でございます。よろしくお願いいたします。ビール酒造組合審議役、佐山敏幸様でございます。
 ありがとうございました。本日は、本当にお忙しいところ我々のために御足労いただきまして、温室効果ガスの削減に関するビール業界の自主行動計画、その進捗状況について御説明いただくということにいたしました。
 それでは、堀様の方から御説明いただけますでしょうか。

堀ビール酒造組合専務理事
 改めまして、堀でございます。委員の先生方及び国税庁の皆様には平素より大変お世話になりまして、ありがとうございます。また、本日はこういう機会を与えていただきまして大変光栄に存じます。
 それでは、今日の説明につきましては、お手元の茶色いビール酒造組合の封筒に入ってございます資料に基づいて、御説明させていただきます。
 では、大変失礼ながら座ってお話しさせていただきます。
 お手元の封筒に用意させていただきました資料につきましては、一番上に概要版、概要をまとめたものがございますが、今日の御説明はその次にございます、左肩、国税審議会酒類分科会資料、ビール業界のCO2排出量削減の取組についてという、綴じました資料に基づきまして御説明させていただきます。
 まず、第1点目でございますが、ビール業界における、この問題への取組開始の経緯について御説明申し上げます。
 1996年に、経団連の自主行動計画がスタートいたしました。これは、先ほど課長からも御説明がございました、第3回気候変動会議COP3等を受けまして、環境自主行動計画がスタートいたしましたが、ビール業界におきましては、ほぼそれと同時にこの環境自主行動計画への参加を組織的に決定いたしております。
 先生方、皆様よく御承知のように、ビールというものは、自然の恵み、自然の由来から造られているものでございます。ビール大麦、ホップ、水から基本的にはできております。こうした特質上、ビール各社は環境問題及び温暖化等問題の重要性、緊急性については非常に強く認識していたということから、早い時期からの自主行動計画参加に至ったものでございます。
 以後、この環境自主行動計画に基づきまして、各社は環境関連の設備投資を極力前倒しに実施するということを初めといたしまして、省エネルギーの施策・活動に積極的に取り組んできたところでございます。
 この結果につきましては、先ほども御報告ございましたが、経団連の自主行動計画の中でビール業界全体でのCO2排出削減の状況報告ということで取りまとめまして、経団連さんを通じて発表させていただいてきた経緯でございます。現実の削減の推移については、後ほど詳しく申し上げるつもりでございます。なお、ここで申しますビール業界と申しますのは、経団連加盟単位でもございますビール酒造組合加盟の会員社、サントリー、アサヒビール、キリンビール、サッポロビール、オリオンビールの5社のことを指しておりまして、この場合、地ビールの皆様方は含んでいないということでございます。
 それでは、この自主行動計画の取組といたしまして、ビール業界としての目標設定をどのようにしたかということでございます。先ほどもご案内ございましたように、京都議定書が議決されました。その中で、我が国、日本の目標値は、1990年比6%減ということになりましたが、ビール業界におきましても、これを削減目標として削減努力を続けてきたところでございます。
 枠囲みにございますが、目標は、2010年度のビール工場における発泡性酒類、つまりビール類生産時のCO2排出量を1990年度比で6%削減するというものでございます。当初の設定はそういうことでございますが、これもまた先ほど御案内がございましたが、この目標は2008年から2012年の5年間の平均値として達成するということにさせていただいております。
 今、申し上げましたビール類と申しますのは、下に注記させていただいてございますが、ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類を合わせたものでございます。
 この目標をこのように設定した理由でございますが、このビール類製造の特質から申しまして、ビール類の販売量の変動によりまして製造数量も当然変動して参ります。それによりまして、CO2排出量も増減するような状況でございます。本来、原単位、すなわち製品の一定量を生産するのに必要な原材料・労働力・動力などの標準的な分量、ここでビールの場合ではキロリッターあるいは1,000キロリッターが原単位となっておりますが、例えば1,000キロリッターを生産するのに排出するCO2排出量の単位で目標を定めるべきという議論もございましたが、総量を目標とするという経団連さんの方針に合わせまして、総量でのマイナス6%を目標といたしております。
 なお、この目標設定時点におきましては、やはりかなりビール業界の中でもいろいろ議論がございました。その当時は、まだビール類の販売数量、すなわち生産数量は右肩上がりで上がっていくだろうというふうに業界も思っていたこと、それから、後ほど御説明させていただきますが、省エネ技術の面におきましても、新たな技術開発がまだなされていなかった部分もございまして、その時点ではかなり厳しい目標であるという認識を持っていたことは確かでございます。
 続きまして、1ページめくっていただきまして2ページ目でございますが、では、1990年からこの間、ビール類の製造数量はどのようであったかということでございます。このグラフで示してございますけれども、ビール、発泡酒、その他の発泡性酒類を合わせた製造数量の推移につきましては、この自主計画参加決定後ということで申しますと、1999年をピークに漸次減って参りまして、2006年は99年比88%、1990年比でも97%ということで、長期的に見て減少傾向にございます。なお、自主行動計画参加決定前、つまり1990年以降で申しますと、ピークは1994年でございまして、約745万キロリッターでございました。
 今後の見通しでございますけれども、残念ながら減少傾向というのは、先ほど申し上げましたように、この数年来ずっと続いてきている傾向でございます。ただ、消費者の皆様の消費行動の変化や、あるいは各社の新製品の開発などにも影響はされます。新製品がヒットした場合には総量を押し上げるという効果もございまして、見通すのは難しい状況で、一言でこのままの傾向で行くと申し上げることはできないと考えております。また、当然のことでございますが、ビール各社も需要振興、需要拡大のためには必死の努力を続けておりまして、業界といたしましてもぜひ数量を拡大していきたいと思っていることは当然でございますが、現状、残念ながら減少の方向が続くであろうということは見通しに難くないというのが実態かと存じます。
 それでは、具体的な取組内容でございます。3ページ目を御覧いただきたいと存じます。
 先ほども申し上げましたように、CO2削減、省エネルギーというところでビール業界でこの削減の源泉となりますのは、当然のことながら先ほど申し上げましたビール工場でございます。ビール工場におきまして、環境関係の設備投資をかなり活発に行って参りました。一つ大きな効果がございましたのは、やはり液体燃料、石油化学燃料を、気体燃料、いわゆるガスに燃料転換してCO2削減に努めたということは大きな効果があったと考えてございます。それから、先ほども若干申し上げましたが、その後に開発されて参りましたCO2削減に有効な新技術を導入した設備、そういうものも各社大きくいろいろな形で新設・導入いたしております。
 皆さん御承知のように、ビール類というのは発泡性、すなわち炭酸ガスを含んでおりまして、その生成過程で発酵することによって炭酸ガス、二酸化炭素が発生いたします。この二酸化炭素は、植物に固定されるものでございますから、そこで炭酸ガスが発生しても、それは植物にあったもの、植物に固定化されたものということで、バイオエタノールと同じような考え方で温暖化に対する影響はニュートラルというものになってございますが、業界につきましては、それも極力回収して、また生ビールの抽出に使う炭酸ガスに利用する等、大気放出量を少しでも削減するように努めてきたということもございます。
 もちろん大きな設備投資だけではなくて、各工場における運用においての地道な省エネ活動もいろいろ行って参りました。
 具体的には、3ページの下側にございます表のとおりでございます。一つは、ボイラー、冷凍機等、冷熱系を中心としたユーティリティー工程での取組みでございます。先ほど申し上げましたように、都市ガスへの燃料転換、これもかなり大規模な工事を伴うものでございますが、つまり気体燃料、都市ガスに転換することによるCO2排出量抑制、これは非常に効果が大きかったと存じます。
 もう一つ、各社積極的に導入して参りましたのがコ・ジェネレーションと書いてございますが、ガスを燃やして発電する、その同時に、燃やした排ガスを利用いたしまして、今度はそれで蒸気をつくりまして、二重にエネルギーを有効活用するというのが、このコ・ジェネレーションシステムでございます。これもかなりの投資金額がかかる設備でございます。その他、ビールというものは熟成期間中冷やしておりますので、こうした冷凍の設備について、夜間電力によって氷をつくるという、御家庭でも最近は普及しておりますが、こうした畜熱システム、あるいはアンモニア冷凍機、これはコ・ジェネからの蒸気を使いまして、また後で申し上げますが、嫌気性排水処理からメタンガスが発生するものを利用しまして、アンモニア吸収式の冷凍機で熱効率を高めるといったようなユーティリティー工程の取組がございます。
 仕込み発酵工程では、先ほどの発酵CO2回収のほかに、ビールというのは麦を大きな釜で煮て糖化して造るものでございます。この煮沸する釜の蒸気をまた圧縮しまして、またもう一度熱源として使うといったような再利用工程も取り組んで参りました。
 もう一つ大きな取組みといたしましては、排水処理工程でございます。嫌気性排水処理と申しますのは、密閉式、空気に触れない形で排水中の有機物からメタンガスをまた抽出いたしまして、これを再度燃料として利用するという形での排水処理場でございます。これによって熱や電力エネルギーの使用量、ひいてはCO2排出量を削減するという形でございます。そして、そのバイオガスを利用して、燃料にできるボイラーも同時に導入しております。また、これはほかの業界さんも同じかもしれませんが、燃料電池等の導入も行っております。
 こうした大型な設備投資にかかわる削減効果のほかに、各工場においては地道な省エネ活動を推進して参りました。湯や水の回収再利用ということも徹底して参りましたし、また、例えば回収してきましたビン等を殺菌・洗浄する工程におきましても、その最適な時間を計り、無駄な蒸気・エネルギーを使わないようにこまめにタイマー設定等を行う。あるいは、せっかく再回収した蒸気や空気がまた漏れてしまっては何もならないわけでございますから、こうした蒸気・空気の漏れ防止、そのほか、本当に細かい倉庫の電気の点灯・不点灯、消灯の徹底等、こうした形で省資源、省エネルギーに努めて参りました。もちろん、最後の省エネ活動につきましては、工場部門だけではなく、営業部門及び事務部門におきましても、事務所において同様にこまめな省エネルギー活動を進めて参りましたし、当然、クールビズ等の取組も全社的に取り組んできたところでございます。
 それでは、こうした取組みを通じまして、投資はどのくらい行ったかということでございます。先ほどから申し上げていますように、可能な限り前倒しで実施してきたという意識は、私どもビール業界にはございます。下に、この環境関係設備投資金額について、直近10年間について示させていただいております。このグラフを御覧いただきますと、2001年が各社合計の環境関係設備投資のピークに当たっておりまして、その後は漸次減ってきているところでございます。これは、2番にございますように、ビール業界として大きな設備的な対策はほとんどできるものはもうやってきたということでございまして、大きな設備投資による省エネの方策というのは、もう残り少ないということでございます。
 ただ、3にございますように、重油から天然ガスにエネルギー転換、まだ残り数工場は残っております、業界全体で。それから、高効率な冷凍設備とか空気圧縮機の導入とか、今以上の各種省エネ施策ということについては、これからも積極的に取り組んで参る所存でございます。
 なお、このグラフに示させていただいてございます直近10年間の環境関係設備投資金額を合計しますと、ざっと800億円という金額になります。これは、ざっとの計算でございますけれども、ビール業界におきます最新鋭型工場を2工場新たに造るのに匹敵する投資金額ということでございます。もちろん、この直接的な環境関係設備投資のほかに、旧型設備の更新の前倒し、あるいは極端に申し上げますと、非効率工場を廃止して、工場設備・列の集約化等を行うことによって効率を高め、それによって省エネルギー、ひいてはCO2排出削減をしているということも一緒に行ってございますけれども、それに関する投資金額については、ここには直接的には含まれていないということでございます。
 それでは5ページ目でございますが、その結果、私どもビール業界のCO2排出量はどのように推移して参ったか。これは総量でございますが、ビール5社のCO2排出総量は、1990年度は112万5,000トンでございました。主に排出原単位削減の努力が寄与いたしておりまして、1997年には121.3万トンというふうに1990年よりも増えたわけでございますが、それをピークに低減して参りました。そして、直近、把握しております2006年度では、85.1万トン、1990年比で言いますと、この単年比較で申し上げまして24.4%の削減となったところでございます。1990年から1997年までの間は、製造量も若干増えた時期もあったこともございますが、先ほどの前ページでもございますように、その後に設備投資がピークを迎えるという形で新しい技術の導入が進んだことから、1997年以降は下のグラフに示すように順調に削減が進んできたということでございます。
 なお、このビール業界の85.1万トンという排出総量でございますけれども、全体規模との比較を御参考までに申し上げますと、経団連自主行動計画の業種別の合計の占める規模、シェアは約0.1%でございます。
 2010年度の見通しについて、このグラフにもございますけれども、2006年度に比べて原単位についてはわずかに低下する見込みではございます。つまり一定の数量を製造するのに伴って排出されるCO2の数量は、若干ではございますが、まだ削減できる見込みはございます。しかしながら、生産量が増えて参りますと、当然CO2総量は増加していくということになります。
 それから、もう一つの点では、電力会社さんから買わせていただいている電力でございますが、これは、その買わせていただいた電力ごとに、今のCO2の排出係数を掛けて我々の排出量として計算するわけでございますけれども、これは、残念ながら私ども業界の努力ではその推移は決定することはできない、電力会社様の側の原単位当たりのCO2排出量に左右されるということでございまして、昨今の原子力発電の今後の推移によりましては、買わせていただく電力ごとのCO2排出係数が高まった場合には、私どもの努力ではいかんともし難い排出総量の増加ということが起こるやもしれないというのが現状でございます。
 最後に、排出原単位ということで申し上げますと、総量の減少というのは先ほど申し上げましたが、排出原単位につきましては、減ってはきているものの、残念ながら総量のようにぐっとこのまま下がり続けるというのではなくて、年々難しくなってきてございます。これは、ビールにおける生産数量だけの問題ではなくて、生産品種数の問題がございまして、商品が多品種化することによって細かい製造、細かい列の切りかえ、細かい貯蔵等々が起こるために、なかなか一定のキロリッター当たりの原単位の向上は難しい状況でございますが、1990年あるいは1997年から見ますと、先ほど申し上げました燃料転換やコ・ジェネレーションシステムによって排出原単位は大きく改善してきてございます。2006年度についても、各社個別事業場でよりこまめな省エネ施策を徹底することによって、原単位、排出総量とも若干微減ではございますけれども、これを達成できているというところでございます。
 以上、従来の取組について御説明申し上げましたが、最後に先ほど小部課長からも御指摘ございました、2月8日の中環審及び産構審の最終報告にも御指摘いただいておりますが、今後の目標設定についてでございます。
 一言で申し上げますと、我々業界の事務局でございますビール酒造組合といたしましては、目標の変更・見直しと、つまり新たな目標の設定、言ってみれば6%に上増しした目標の設定については前向きに取り組んで参り、会員各社にもその旨積極的に働きかけて参りたいというふうに考えております。
 ただ、今、現時点で具体的な数量ということにつきましては、これからというか、ただ今検討中でございまして、会員各社の中でのコンセンサスができているものではございません。もちろん削減の方向は、このまま削減は続いていくとは思いますが、やはり先ほど申し上げましたように、あくまでも排出総量でございますので、製造数量が増加していきますと、もう設備投資による大幅削減の方策が限られている中では、製造量の増加次第によっては若干プラスの方向へ動いてくる可能性もございます。また、同様の数量を製造するにおきましても、昨今、消費者の皆様のニーズの多様化にお応えする多品種、少量生産という形に全体がシフトして参りますと、原単位当たりの排出量は若干プラスの方に行くことも考えられるということから、現時点では具体的な数量についてはもう一度厳しく再検討して参りたいと、実現可能であり、なおかつ従来の6%を上回る目標設定を今後業界の中で取りまとめて参りたいと、このように考える次第でございます。
 以上、大変雑駁ではございましたが、当業界のCO2排出量削減の取組について御説明申し上げました。どうもありがとうございました。

小林分科会長
 どうもありがとうございました。只今の堀専務のお話につきまして御質問がございましたら、お願いいたします。
 ~津委員、どうぞ。

~津委員
 ありがとうございました。私も中環審と産構審の合同会議というのに時々出席をしていたのですけれど、合同会議なので毎回60名以上の委員で傍聴席も大変で、ジプシーのように会場探しが大変で、あっちに行ったり、こっちに行ったりで本当に大変な会議でした。そこでいろんな自主行動計画のフォローアップということで、いろいろな業界の方々のお話を伺うのですけれども、ずっと聞いていてもやっぱり産業界は非常に頑張っていて、乾いた雑巾を本当に絞るような感じで、お話を伺っていても同情に耐えないというような感じはある一方で、我々の家庭であるとか、それから業務部門と言われている、いわゆる大型スーパーも増えましたし、それからホテルであるとか、ああいうサービスを提供するところでは、分かっていてもやはりなかなかいろいろなことができないというようなこともあったりして、一人一人の生活の延長の中でいろんなことがCO2の対策として必要なんだなということを痛感していたんです。その中で、今、お話を伺ってちょっとお伺いしたいことが幾つかありまして、一つはビール酒造組合に加盟していない、いわゆる地ビールの関係の会社というのが、ビール製造の中の全体の中のどのくらいの量なのかということ。それから、そういう地ビール製造などの会社が、実際にはそこの工場なんかの設備というのが現状どういう状態であるのかというあたり、環境対策がどの程度なのか、そのあたりを組合の方が加盟していなくてもそういうところに何かすることができるのか。あるいは、この酒税の方で何か網をかけるようなことをしているのかどうかというあたりのこと。それから、乾いた雑巾を絞る対策というようなことを考えている中で、電力の排出係数がやっぱり上下する、揺れるというところがやはり一番大きなところにもなってしまうかもしれないとも思うんですけれども、どんな可能性が今残されているのか、ビール酒造組合の中でどんな可能性が残されているのかというあたりを、ちょっと忌憚のないところをお伺いしたいということ。
 それから、先ほど出ていたビールそのものは、それこそバイオマスと同じような扱いで出てきている二酸化炭素はもともと植物起源だからということでニュートラルという考え方がありますけれども、これはちょっと超現実的な話かもしれないですけど、今随分技術が改良されているCCSと言われる、いわゆる二酸化炭素をもう一回固定化させるというような技術をビール工場の中でもう少し、例えば小型にしてそういうものを使い込んでいくというような可能性はあるのかどうかというあたりを、ちょっとまとめてお伺いしたいと思いました。

小林分科会長
 いかがでございましょうか、今の御質問。

堀ビール酒造組合専務理事
 よろしゅうございましょうか。まず、私どもビール酒造組合に加盟していない、地ビールメーカー様のビール類の比率につきましては、私どもも正確に地ビールの皆さんの数量をつかんでいるわけではございませんけれども、1%には満たない数字であろうというふうに考えてございます。
 地ビールメーカー様の設備につきましては、一般的に海外から輸入された醸造設備が多いかというふうに考えてございます。つまり、小規模生産になりますので、国内で造られているものもございますが、比較的海外から輸入されたものが多いと考えてございます。
 私どもビール酒造組合も、最近ちょっと途絶えてはおるのですけれども、地ビールの業界の地ビールに関する連絡協議会の皆様と意見交換等を行う機会はございます。そうした中で、私どもの取組についても御説明申し上げるということはできることかと存じますが、設備的に全く違う規模になりますので、私どもビール酒造組合の業界各社の工場の取組みがそのまま地ビールの工場の皆様に当てはまるかどうかということは、ちょっと私どもとしてもよく分からないところでございまして、地ビールメーカーさんの自主的な御努力に対して、ビール業界が具体的にできることというのは、いろいろなお問い合わせ等に対して設備的な方針とか、あるいは具体的には設備の調達方法等について御説明するといった程度に留まらざるを得ないのではないかというふうに考える次第でございます。
 それから、今後のビール工場におけるCO2排出の中で電力につきましては、当然のことながら節電施策というのは私ども採ってございまして、電力の単位当たりのCO2排出量の上下に対しても、ある程度抵抗性を持つようなことは考えてございますが、ここの部分はかなり限度に近くなってきていると考えております。
 この中で、今後の排出総量の削減の可能性につきましては、環境設備、先ほど申し上げましたユーティリティー周りとかボイラー等々における、一つは新たな新技術をそうした業界で開発いただけるということは、可能性はまだ残っているかと思います。
 それからもう一点、そうした、実際にはこれ以上の新たな新技術開発がない中で、環境対策設備の対応だけでこれ以上大きく削減していくというのはかなり難しい状態に来ていると思っております。あとは、各社それぞれ、これは経営的な判断になるわけですけれども、旧式設備の新型化による効率の向上、あるいは、言ってみれば旧型工場を廃止する、そして集約化するといったような形での排出量の抑制ということはできるわけでございますけれども、これは地元、地域に与える影響等もかんがみて、非常に高度な各社の経営判断の部分に至っておりまして、ビール酒造組合だけで一概にこうで、ああでと、なかなかちょっと申し上げづらいところはございます。ただ、各社が経営効率化の中でいろいろ設備的に、環境設備のみならず、製造設備の更新、リニューアルを行っていく中では、当然、効率化というのは大前提でございますから、そうした意味での可能性は今後も残っていると存じます。
 それから、ビールのCO2、つまりビール生成過程由来のCO2については植物由来でニュートラルというふうに申し上げましたが、先ほどもちらっと申し上げましたが、私どもはその回収したCO2を、ただ無駄に集めているだけではございません。回収いたしましたCO2は、皆様御承知のように、飲み屋さんで飲む生ビールをジョッキに注ぐ際に炭酸ガスを抽出することになります、その抽出するための炭酸ガスに再利用させていただいているという形でございます。もちろん、最終的にはビールの中に溶け込む以外のものは炭酸ガスで抽出して、ビールの中に溶け込んで皆さん飲んでいただくわけですが、大気放出もされるわけですが、別途に炭酸ガス業界の皆様方がその分を固定化していく、ガスボンベに詰めるよりは、全体とすればビールで出てきているものを大気放出せずに生ビール用に使うということは、省エネにつながっているというふうに考えておりますので、今後もこの方向で続けていくのがよろしいかなというふうに考えている次第でございます。
 以上、御説明になったかどうか、分かりませんが。

小林分科会長
 ありがとうございました。ほかにございませんでしょうか。
 はい、尾原委員、どうぞ。

尾原委員
 政府の方もたしか推進本部決定の中に、政府による厳格なフォローアップの実施と書いてございまして、「厳格な」というのは、どういう意味で厳格なのかなと。これは許認可業種がしっかり計算できるだろうという趣旨なのかどうか、それが「厳格な」の意味が一つと。
 それからもう一つ、非常に基礎的な疑問なんでございますけれども、CO2というのは推計する以外ないんだろうと思うのですね。そうしますと、例えば重油を使った場合はこのぐらいのCO2と、それぞれ換算率が決まっていて、共通の物差しでそういう計算をするのでしょうか。設備投資のお話をしておられましたけれども、設備投資の材質が鉄でできていれば、CO2の塊みたいなところがあって、そういう換算というのは効率化投資をやる前に仮にやったとすれば、機材の方でCO2が増えて、CO2が減るのは徐々に後回しで減っていくみたいな、そんなことになるのかななんて頭の中で想像しているのですが。その推計の仕方というのを、もう少し分かりやすくお話しいただければありがたいなと思います。

小林分科会長
 とりあえずは堀さんの方から、お願いします。

堀ビール酒造組合専務理事
 厳格なフォローアップの問題は、私どものお答えするあれではございませんが、設備投資の目安になる省エネルギー、ひいてはCO2削減については、原油ごとの原単位それからCO2の原単位、それからガスの原単位、それぞれで一定の指標によって換算計算をさせていただいているところでございます。そうしまして、私どもビール工場に新たに設備を投資した際に、その設備生産等にかかわりますCO2排出量というのは、当然そこで出てくるわけでございますけれども、これにつきましては業種別自主行動計画になってございまして、例えば鉄鋼メーカーさんの場合でしたら、その設備の基礎になります鉄鋼の生産についてのCO2を計算なさっておりまして、機械工業会あるいは建設業界の皆さん方が、それぞれの課程におけるCO2排出量を計算されているという形でございますので、その設備そのものの製造及び設置にかかわるCO2排出量につきましては、ビールの中には含まれておりません。ほかの業界で御報告いただいていると、そういう考え方でございます。

佐山ビール酒造組合審議役
 ビール酒造組合の佐山です。今の設備投資の関係なんですけれども、工場も設備がだんだん古くなっていきますので、全部一遍には変えられない、費用的にも変えられませんので、古くなったものから、更新時期が来たものから取りかえているといったのが実情ですね。だから、確かに設備を造るのに炭酸ガスの計算をしなくてはいけないということもあるのですけれども、やっぱり古くなったものから各社の都合で変えていますので、その時にいいものに変えていっているということもありますので、余り考慮はしてないということです。

小林分科会長
 よろしゅうございますか。では、小部課長の方から最初の方の問題について、御説明をお願いいたします。

小部酒税課長
 厳格なフォローアップということの意味という御質問かと思いますけれども、もともとのフォローアップの性格でございますが、これは自主行動計画が目標・内容ともに自主性に委ねられるべきものだということを前提とした上で、透明性、信頼性、目的達成の蓋然性が向上されるように行うものということでございます。
 ただし、先ほど申し上げましたように、全体として削減目標の達成が厳しい状況にあるという状況を踏まえまして、この中で約束期間におけるマクロ経済情勢の変化も考慮した上で、必要な対策・施策の追加、強化を適切に行い、約束の達成に確実を期すと。確実を期すという意味合いを背景とした中での、厳格なフォローアップということでございます。
 ですから、私どもの理解としましては、きちんと目標達成に向けて前進が見られるようなフォローアップをするように要請されているものというふうに理解しておりまして、その意味では、既に目標達成をしていただいているビール業界であるということを前提にいたしますと、ここは余り追加的な対策ですとか強化というところを要請されているものではないというふうに理解をしております。

小林分科会長
 よろしゅうございますか。ちょっと微妙な問題でございますけれども。しかし、それにしましても定期的にフォローアップをするわけですから、嘘をつけば必ず後の方でまた問題が出てくるという、そういう厳格なやり方をしているわけです。
 よろしゅうございますか。ほかに何かございませんか。
 はい、潮田委員、どうぞ。

潮田委員
 単なる感想みたいな話なんですけれども、私も~津さんと同じところでやっていたんですけれども、このビール業界の御努力というものには本当に敬意を払いたいとは思うのですけれども、全体の0.1%とおっしゃいましたですかね。それを6%下げようと、実際は20何%下がったと。とても立派なことなんですけれども、これだけのものをこれだけ下げるために800億お使いになった。そこのところの、もちろん温暖化ガスは下げていかなければいけない、目標は達成していかなくてはいけないということではあるのですけれども、そういったふうな、まさにそれがよく言われる、乾いたタオルを絞るような、乾いたタオルを絞ろうとすると、それだけコストがものすごくかかってしまう、そういうお話なんだろうと思ったんですね。
 そういうことの国民経済的な意味合いって一体何なんだろうということがちょっと理解しにくくて、800億使って需要ができたからいいじゃないかというような気もしますしね。だけど、しかしその金、別に使った方がよかったのかなという気もしますしね。いずれにしてもしかし、なかなかこの先、今おっしゃったようなやり方でなかなか難しいんだろうなという気がいたしました。単なる感想でございます。

小林分科会長
 ありがとうございます。何かほかにございませんか。

~津委員
 数だけ伺ってもよろしいですか。加盟各社の工場って、今お幾つぐらいあるのですか。

佐山ビール酒造組合審議役
 今、32工場ございます。
 今の800億のことなんですけれども、800億の費用ですね。炭酸ガスの削減だけに使っているのではなくて、先ほど言いました老朽化の設備もありますし、あと自動化したり効率化したり、やることによって原単位も下がりますし、非常にコストダウンの面もあるのですね。決して、だから800億を炭酸ガスだけに使ったのではなくて、そのコストダウンも見ながら使ってきているということです。だから、決して800億全部じゃなくて、例えば省エネルギーであれば、3年で回収するような設備もあるわけです。

小林分科会長
 CO2の削減技術はそのマーケッタビリティといいますか、そうした技術を売ったり、特許をとって…、というような企業にとって収入の方の話は出てこないのですか。

堀ビール酒造組合専務理事
 今申し上げましたコ・ジェネとか燃料転換というのは、これはビール業界に特有のものではございませんで、ビール業界は、御承知のようにまず使う水の数量が多いということと、麦を煮て造りますので熱量が多いということから、効果は大きいわけでございますが、大なり小なりほかの産業さんにも帰するところだと思います。
 一方、ビール業界におきますと、自然の生成物からビールを造っておりますので、排水につきましても有機物が非常に多く含まれているということでございます。御理解のとおり、麦を煮たかすでございますので、あるいはホップのかすでございます、あるいは酵母のかすでございます。みんな有機物でございまして、こうしたものをいわゆる嫌気性発酵という形で排水処理しましてメタンガスを回収していく技術につきましては、かなりビール各社のバイオ関係の蓄積等相まちまして、市場価値が本当に高いかどうかは別として、今おっしゃられましたような、若干うまくすれば収入の道になっていくのではないかとは思われます。ただ、これはもちろんビール一つに限ったことではございません。今日おいでいただいています日本酒造さん等の発酵業界は、皆さんそういうことは当然考えてやっておられるわけでございますから、ビール業界だけが特別先んじているところではないかもしれませんが、大規模工程の中での排水処理といった意味では、一応、技術的には進んだものを持っているのではないかなというふうに自負しております。
 ただ、同様な業者さんもそうたくさんあるわけではございませんので、本当に売却してお金になるかどうかというのはちょっと難しい部分はあるかもしれませんが、技術的な価値から言えば、かなりそういった、そこの排水処理の分では進んだものがあるのではないかと思っております。
 以上でございます。

小林分科会長
 ありがとうございました。
 はい、飯村委員、どうぞ。

飯村委員
 私も、今、ほかの先生方がおっしゃった意見と同じで、大変削減の努力をされて、これから技術的にかなりブレイクスルーがないと目標達成ということが困難だという感じがするのですけれども。一方で、ビールの場合、大量の残渣が出てくると思います。この残渣の利用ということ、それから残渣からの温室効果ガスの削減というようなことですね。そういう技術というのは、今どういうことになっておりますでしょうか。

堀ビール酒造組合専務理事
 今、先生おっしゃっていただきましたが、技術ブレイクスルーがないと新たな大幅な削減は難しいということで、目標は達成できないと申し上げたわけではございませんが、その点はお含みおきいただきたいと思います。
 ビール工場から出て参ります残渣というのは、多くは先ほど申し上げましたように、麦を煮たかすですね、皮等の。中身の穀物の部分は、当然糖化してアルコールに変わるわけでございますが、外側の皮等の不要部分、それからもう一つは、ビールの製造というのは酵母が糖分を食べてアルコールになるわけですから、ある意味、酵母製造も一緒に行っているような部分がございます。それからもう一つは、ホップの煮沸したかすでございます。
 こうしたものにつきましては、ほとんど有機物でございまして、多くは麦のかすは飼料、餌ですね。餌になって参ります。それから酵母につきましては、多くは清澄剤の一部とか、それから今は酵母に含まれているたんぱく質を利用してうまみ成分を造る酵母エキスといったような形で食品会社さんのスープ等に使っていただくということでございまして、そうしたいわゆる残渣として出て参るものの、これは温暖化ではなくて、廃棄物対策編なんでございますけれども、ビール工場は100%再資源化してございまして、埋め立て等に回るものは一切ございません。もちろん、ラベルのかすであります紙のかすとか、その他のいろいろな工場から残渣がほかに出て参りますが、これについては100%再資源化しております。
 ただ、水、つまり排水でございますね。この中にも有機物が含まれていると。ですから、その排水につきましては、今申し上げましたような嫌気性の排水処理を行いまして、メタンガスという形で有機物成分を回収してエネルギーに再使用していると、こういう実態でございます。

小林分科会長
 ありがとうございます。
 ほかに何か。せっかく専門家の方においでいただきましたので、何か御質問がございましたら。ぜひ。
 辰馬委員は清酒の方にいらっしゃいますが、今回はビール業界の例をお聞きしましたが、いかがでございますか。

辰馬委員
 日本酒も同じ醸造酒として、ビールと重なるところは随分ございます。
 個々の蔵元は長きにわたり、自然の恵みに抱かれ、しかも広大な土地を占有して事業を営んで参りましたので、この占有地や空間は汚染や乱開発の防波堤として環境管理を徹底し、より良い地球環境を次世代に引き継いで行く独自の使命があると考えています。
 発酵産業は、いわばCO2製造業であるといえます。ただ今はビール業界の地球温暖化対策につき大変勉強させて頂きましたが、多数の中小零細企業を組合員とする酒造組合は現状、ビール酒造組合のような自主行動計画に取組むには至っておりません。その点では地ビールと同じような状況でありますが、自主的に例えば国際規格である、ISO14001に則ってCO2削減も含む環境方針を設定し、そのクリアーに向かってチャレンジしている蔵元は沢山ございます。当業界は個々の規模が零細かつ市場規模もおよそ50年前まで縮小、業者数もピークの半分以下になっており、CO2排出の絶対量はかなり減ってきてはいますが、いわばこれは自然現象であり大切なのは原単位比でありまして、その原単位比でより減少させる努力の余地はまだまだあると考えています。

小林分科会長
 ありがとうございます。
 藤田委員は小売の方ですが、小売業も随分規制が厳しくなりましたですね、環境問題については。

藤田委員
 今日、堀専務なんかにお話を伺って、一生懸命大変な思いをして頑張られているなということがよく分かりましたけどね。ビール会社というのは、もう典型的な装置産業ですから、1本のビールを造るのに大変な、いろんな設備を投与して製品を造る。原料も割合簡単なものですよね。ですから、このCO2の削減の対策については、一番分かりやすい企業だと思えるんですね。
 ですから、これは漫画チックになってしまいますけど、かつて言われていたのは、アメリカとかオーストラリアで牧場がいっぱいあると、牛がどっさりいると。牛というのは反すうして、そのたびにげっぷを出すと。それが何か大きいというような、そういうような話も聞いたことがありますけど、これは事実関係がどうか分かりませんが。だから、CO2を出すということと、これを吸収するという、その収支周りのことを日本としても考えていかなければいけない。ある面では、材木が海外から入ってきて、日本のいわゆる山林なんかが十分な整備もいってないようですが、これはある程度、日本はそういうことも数値の上で出したらいいと思うんですよね。例えば人口一人当たりでもいい。逆にCO2出す部分と、これを吸収する分、やっぱり物事には収支というのが伴っているので、そういうデータも必要かなと。
 今日は堀さんの方から話があった、冒頭に申し上げた、とにかく典型的な装置産業であって、物事がすごく分かりやすいですよね。小売の段階ですと、今の一番の問題は適正な飲酒ということを、私どもは販売管理者研修ということで全国的に展開していますけれども、大事なことは、例えば炭酸ガスというものを出してはいけない、じゃあ息をしちゃいけないのか、そういう論法になってもいけないわけですから、世の中に必要なものは、当然排出されていても人が生きるためには必要なものは必要ということで、まず認知をした上で物事を考える必要がある。
 私どもからこの問題で何か能書き、意見というのは出にくい状況ですが、今お話を伺っていてそんな気がしました。

小林分科会長
 ありがとうございます。
 水野委員、いかがでございますか。法律の観点から。

水野委員
 申しわけありませんが、ちょっと特にこういうものには門外漢でございますので、失礼いたします。

小林分科会長
 ありがとうございます。
 金子委員、最後になってしまいましたが、何かございますか。

金子委員
 今日はいろいろとお話いただきまして、ありがとうございました。CO2削減についてはさまざまな業界で進んでいるようですが、意外と家庭からのCO2削減ができていないようです。
 ごみを減らせば、CO2の排出量を減らすことができると言われています。家庭から出るごみの量を減らすために、分別した後にプラスチック容器など、細かく切れるものは切ってしまうと量を減らすことができます。また、生ごみを減らすためには、食材の皮や骨まで食べられる調理方法の普及も必要になるでしょうし、生ごみを分解する設備などを使って肥料にすることもお勧めします。
 このようにCO2削減は個人レベルでもできることがたくさんあるので、それらを行っていくのと同時に、効率よくCO2削減の成果を出す仕組みが必要とされるのではないかと思われます。
 以上でございます。

小林分科会長
 よろしゅうございますか。貴重な御意見、ありがとうございます。
 いずれにしましても、ビール業界は、2006年度で、もう既に基準を大幅に上回る24.4%この削減を達成されておりまして、そういう点では御努力に敬意を表したいと思っております。しかし、いずれにしましても、まだまだ始まったばかりの地球温暖化対策でございますので、もちろんごみの削減というようなレベルから始まって、日本社会全体のいろいろな動向を踏まえながら、余りビール業界だけということになりますと負担が偏ってしまいますので、全体的なバランスの中でいろいろと検討されていくことになおうと思います。また、その点については業界関係者も行政当局においても努力を惜しまないでほしいというふうに思っております。
 堀さん、佐山さん、何か最後にこれだけはお話ししたいという点がございますか。

堀ビール酒造組合専務理事
 特別なことではございませんが、本日は本当にいろいろ御意見いただきまして、ありがとうございました。先ほども申し上げましたように、いろいろ検討すべき事項は多くございますけれども、6%の目標をいかに見直していくかということに、これから業界内部で真摯な検討を重ねて参りたいと存じております。
 また、その結果につきましては国税庁様にも御報告させていただくことになると思いますので、今後ともよろしく御指導、御鞭撻賜りますようお願い申し上げます。
 今日はありがとうございました。

小林分科会長
 どうもありがとうございます。
 それでは、予定の議事が以上で終了いたしましたので、この分科会を締めくくらせていただきます。なお、本日の議事要旨、それから議事録の公開につきましては、国税審議会議事規則に則りまして、まずは簡潔な内容のものを議事要旨として公表いたします。それから議事録の方は事務局で原稿が出来次第、委員の方々に見ていただきまして、内容の確認をした後で公表させていただくことになりますが、いずれにしましても、分科会長として私が責任をもってチェックさせていただくということで、その点は私に御一任いただければと思うのでありますが、いかがでございましょうか。

(「異議なし」との声あり)

小林分科会長
 ありがとうございます。
 なお、御承知のとおり、3月19日に国税審議会の本会議の開催が予定されておりますので、本日御審議いただいた内容を含めて、私が分科会の活動状況を報告することになっております。その点も御了解いただきたいと思っております。
 それでは、お忙しい中、長時間にわたりありがとうございました。これをもちまして、第8回酒類分科会を閉会させていただきます。

―― 了 ――